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肩の力を抜いて柔道を楽しむ

 「全身全霊を込めて肩の力を抜く」。これは、ドラマ化もされている人気漫画『孤独のグルメ』(原作・久住昌之/作画・谷口ジロー/扶桑社)の原作者である久住昌之さんのモットーです。そんな久住さんだからこそ、読者(視聴者)が自然と笑顔になってしまう作品を作れるのだと思います。
 
 

 昨年、東京パラリンピック開会式に出演し、紅白歌合戦にも初出場したギタリストの布袋寅泰さん。布袋さんが大切にされているのは、「脱力力」(=脱力する能力)です。以前、古舘伊知郎さんに「人間、気合いは入れたほうがいいけど、気負っちゃダメ。脱力すると、昨日よりもいい自分になってるって思える瞬間がある。」と話され、古舘さんがいたく感心したというエピソードもあります。


 柔道は、力を入れるだけでなく、力を抜くことも大切です。ただ、大人の方の多くが、相手と組み合った時にどうしても力んでしまいます。そのお気持ち、私もよ~くわかります。「相手に勝ちたい。投げたい。」「相手に負けたくない。投げられたくない。」という気持ちが強すぎると余計な力が入り、かえって技がでなくなってしまうものです。相手の動きに過剰反応もしてしまいます。柔道で最も難しいのは、「力の抜き方」かもしれません。


 咲柔館大人クラスでは、「強くなること」よりも「うまくなること」、「きつさ」よりも「楽しさ」を大切にした稽古を心がけています。つまり、「うまくなることを楽しむ」柔道です。自分の力と相手の力をうまく使い、最も効率的な良い動きを求めて、反復練習を繰り返します。また、「受身をとることは恥ずかしいことではない」「受身もわざの1つ」という考えのもと、投げられたら潔く受身をとることも大切にしています。こうした稽古を続けていくと、少しずつ心と体の力みがとれていくものです。肩の力を抜くからこそ、良い技、美しい技が生まれ、より安全に楽しく柔道をすることができます。


 咲柔館は、勝ち負けのみにこだわらず、純粋に柔道を楽しむ方たちが集う道場です。これらからも肩の力を抜いた柔道を目指し、全力で努力し続けたいと思います。あっ…、もうすでに肩に力が入っていますね。これからも楽しみながら、「脱力の極意」を追究していきましょう。

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文武一道塾 咲柔館 ホームページ

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