見出し画像

黒帯を目指して一歩ずつ

 中高生・大人クラスに通われている皆さんのご入塾動機は様々ですが、多いのは運動不足解消などの「健康面」に関すること、そして「昇級・昇段」です。多くの方が「黒帯」に憧れを抱かれており、その達成に向けて日々準備を重ねています。

 ちなみに、栃木県の昇級・昇段の審査内容は以下の通りです。

【2級】
・礼法
・受身(後受身・横受身・前回受身)

【1級】
・試合で2勝以上
・投の形(手技)

【初段】
・試合で6勝以上
・投の形(手技・腰技・足技)

 つまり、黒帯になるためには、①試合で勝つこと・②形を身につけること、の2つが必要です。そう簡単に黒帯にはなれませんね。そこで、文武一道塾 咲柔館では、審査会に参加する上での目安を設定しています。

【文武一道塾 咲柔館 審査会参加許可の目安】
・「週1回」以上の稽古を概ね「1年半以上」継続している。
・咲柔館独自の「審査会許可試験」に合格している。
※審査参加許可試験
①礼法・②受身・③打ち込み・投げ込み・④形・⑤乱取り(3分×5本程度)

 咲柔館では、1年半以上稽古を積んでいない方は審査会への参加を控えていただいています。確かにすごく体力がある方、技の覚えが早い方が集中的に稽古をすれば、半年くらいで黒帯になれるかもしれません。でも、急いで黒帯になることのリスクもあります。
 1番は怪我をする、させる危険性があるということ。受身がしっかりと身についていないと、怪我の危険性がとても高まります。そして、勝つことにこだわりすぎると、相手が怪我をするような投げ方や受け方をしかねません。安全に投げられる、安全に投げられるために必要な心技体が整うまでには時間がかかるものです。一夜漬けで覚えた試験内容をすぐに忘れてしまうように、付け焼き刃的な準備で昇級・昇段試験に臨んでも、得られるものは多くありません。
 また、そもそも昇級・昇段は、稽古の「目的」ではなく、成長するための1つの「手段」です。大切なのは審査会までの準備期間、審査会当日の経験を通した人間的成長です。打ち込みで一つひとつの技を覚える。地道なトレーニングで体力をつける。そして、稽古や書物を通して柔道の心を学ぶ。こうした日々の稽古を続けた自分が、どれ位成長しているかを確かめる場が審査会です。
 黒帯になった時には、「黒帯はゴールではなく、新たなスタート」という気持ちを持ち、更なる高みを目指していただきたいと思います。

 今年の審査会には、多くの塾生様が挑戦する予定です。塾生の皆さまには、「審査会で『良い礼・良い技・良い受身』が自然と出る『かっこいい柔道』をしたいですね。」とよく話しています。受かっても、受からなくても、何らかの成長を得られる審査会にするために、みんなで柔道を楽しみつつ、1歩ずつ黒帯への道を進んでいきます。

 最後に昇段に関する塾生様の言葉を2つご紹介します。

「80歳までに黒帯になれればいいなあと思って気長に稽古を続けます。」(70代の塾生様)

「ぼくは、赤白の帯になるまで柔道をやろうと思うよ。」(5歳のお子様)
※赤白の帯=紅白帯(六段)
 

「柔道家が増えることで、社会はより良くなる」
文武一道塾 咲柔館

※文武一道塾 咲柔館 ホームページ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?