黒帯への道~昇級・昇段審査会までの準備~
7月7日(日)の昇級・昇段審査会まで1ヶ月を切り、今回挑戦される皆さんの稽古にもより一層熱が入ってきました。柔道を始めた当初は1分、長くても2分で行っていた乱取り(実戦練習)も、今では3分になり、寝技も含めた試合に近い状況の稽古も行っています。皆さん、本当に体力がつきました。1級と初段の審査では5試合程度する予定です。それに耐えうるだけの体力をつけると同時に、余計な力を入れないことも心がけなくてはいけません。審査会で、力だけに頼らない理にかなった技や動きを出せるように稽古を重ねたいと思います。
ちなみに、栃木県の昇級・昇段の審査内容は以下の通りです。
【2級】
・礼法
・受身(後受身・横受身・前回受身)
【1級】
・試合で2勝以上
・投の形(手技)
【初段】
・試合で6勝以上
・投の形(手技・腰技・足技)
咲柔館では、昇級・昇段審査会に参加する条件を「週に1回以上の稽古を1年半以上継続していること」と定めています。格闘技経験があったり、体力がある方、また技の覚えが早い方が集中的に稽古をすれば、半年くらいで黒帯になれるかもしれません。でも、急いで黒帯になることのリスクもあります。
1番は怪我をする、させる危険性があるということ。受身がしっかりと身についていないと、怪我の危険性がとても高まります。そして、勝つことにこだわりすぎると、相手が怪我をするような投げ方や受け方をしかねません。安全に投げられる、安全に投げられるために必要な「心技体」が十分整うまでには時間がかかるものです。付け焼き刃的な準備で昇級・昇段試験に臨んでも、得られるものは多くありません。
また、そもそも昇級・昇段は、稽古の「目的」ではなく、成長するための1つの「手段」です。大切なのは審査会までの準備期間、審査会当日の経験を通した人間的成長です。打ち込みで一つひとつの技を身につける。地道なトレーニングで体力をつける。稽古や書物を通して柔道の心を学ぶ。こうした日々の稽古を続けた自分が、どれ位成長しているかを確かめる場が審査会です。
今回挑戦される皆さんには、「審査会も稽古の一つ」という気持ちで、のびのびと今の自分が持っているものを出しきっていただきたいと思います。そうすれば、結果がどうであれ、きっと成長をすることができますし、審査会が終わった時に晴れ晴れとした気持ちになれることでしょう。
いつ黒帯になれるかは分かりませんが、一歩ずつ、確実に黒帯へとに近づいている皆さんの挑戦をこれからも支え、応援し続けていきます。そして、黒帯になった時も「ここはゴールではなく、新たなスタート」という気持ちを持ち、更なる高みを目指していきましょう。皆さんが黒帯になる日がとても楽しみです。
「柔道をやることで、人生はより豊かになる」
「柔道家が増えることで、社会はより良くなる」
文武一道塾 咲柔館
文武一道塾 咲柔館 ホームページ
⇩