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柔道は女性に向いています~つよく・やさしく・うつくしい柔道家を目指して~

 現在、文武一道塾 咲柔館(しょうじゅうかん)の中高生・大人クラスには、8名の女性の方が在籍されています。7月に入ってからも、「幼少期からずっと柔道に憧れていました」という女性の方が入塾されました。中学・高校の女子柔道部顧問を17年間やっていた私にとって、女性の柔道家が増えてくれるのはとても嬉しいことです。

 意外かもしれませんが、柔道は女性に向いています。柔道の創始者である嘉納治五郎師範は、「女子柔道の中に柔道の本質がある」と考えられていました。嘉納師範の直弟子であり、世界で唯一の女性十段であった福田敬子先生は、著書の中でこう述べられています。

 大正15(1926)年の11月に、嘉納先生が女子部をおつくりになったのは、女性は護身術を身につけたほうがいい、将来母親となるためにも健康な体力と強い精神力を養ったほうがいい、というお考えがあったように伺っております。それともうひとつは、男性に比べて体力の劣る女性こそ、本来のやわらかな柔道ができるとお考えになっていたようです。 
 
 先生が女子の柔道に期待なすったことは、柔道の奥深さや精神性だろうと思います。嘉納先生は、男子の柔道家に、「もし柔道を深く理解しようと思ったら、女子部の方法論を学びたまえ」とおっしゃったことがあるそうです。体格も力も男子より劣っている女子柔道に、嘉納先生は柔道の本来の意味を見いだそうとなさっていたんではないでしょうか

『つよく やさしく うつくしく 99歳女性十段が世界に広めた、なでしこの心』
(福田 敬子 著/小学館)

 
 福田先生が掲げられていたモットーは、「つよく やさしく うつくしく」「つよく」とは強い精神と身体、「やさしく」とは芯が強い優しさ、「うつくしく」とは外見だけではなく心の美しさを意味する、と著書に書かれています。

 女性の方が咲柔館で柔道を始める動機は様々ですが、競技柔道として「試合で勝ちたい」といった方はほとんどいらっしゃいません。「生涯柔道として柔道を楽しみ、人生を豊かにしたい」という方が中心です。例えば、「憧れの『黒帯』をとりたい」「将来の職業に活かしたい」「心身を鍛え、健康でありたい」「護身術として身につけたい」といった目的で柔道を始められています。
 柔道は男女関係なく嗜むことができる武道です。ただ、残念ながら大人の女性が柔道を始めたり、再開できる場所はあまり多くありません。女性が気軽に柔道を楽しめる環境を作っていくことも、咲柔館の大きな使命だと考えています。柔道をやってみたい、再会したいという女性の皆さん、どうぞお気軽に見学や体験にお越し下さい。きっとあなたも、つよく・やさしく・うつくしい柔道家になれますよ。

「柔道家が増えることで、社会はより良くなる」
文武一道塾 咲柔館

※文武一道塾 咲柔館 ホームページ


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