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私の得意技②「掬投(すくいなげ)」~投げられまくって覚えた技~

 掬投は、高校時代同じ階級(当時95㎏以下級)の先輩が得意としていた技です。その先輩は受けが強く、相手の技をよく掬投で返していました。私も例外ではありません。技をかけるのが嫌になる位、投げられまくりました。自分の技が柔らかく吸収される感覚、そこから高く持ち上げられ、気づいたら投げられている感覚。その時の感覚を今でも覚えています。「う~ん、悔しい!」そこで私は対策を練ることにしました。


 相手の技を対策する際には、自分がやらない技でも、1度練習してみることが大切です。同級生にお願いし、投げ込みマットの上で何回も投げさせてもらいました。嫌な顔ひとつせずに…、と言いたい所ですが、若干嫌な顔をしつつも、投げ込みを受けたり、アドバイスをしてくれた同級生に心から感謝しています。
 何がきっかけで技を覚えるか分からないものです。掬投の対策練習を始めて1年位が経ち、技の受け方、相手を持ち上げるコツ、投げる方向などを理解でき、ちょっとずつ自分でも使えるようになりました。


 掬投は、相手の技を事前に見切りった上でかける「後の先」の要素も強いです。タイミングが上手く合えば、相手の体重を軽く感じます。ただ、私の場合は、相手の技を全力で受け止め、その後も力で投げるきることが多かったと思います。(写真の場面がまさにそうです。)
 柔道の技には、筋力が必要です。ただ、力のみで投げているように見える技の中にも、上手く投げるための理屈が存在しています。そこをしっかりと理解した上で練習を重ねることが重要です。(と、高校時代の自分に教えてあげたいです…)

私の得意技③につづく

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岡野功先生(※)からいただいたサイン「後の先を制す」
※東京五輪(1964年)中量級 金メダリスト
 全日本柔道選手権 優勝(2回)




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