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「3匹の鯛」を育てよう~子どもが率先して片づけを行う理由~

 「先生、僕も片づけるよ。」私が稽古で使った道具を片づけていると、お子さんたちも積極的に手伝ってくれます。今年に入ってから、「自分」が使ったものだけでなく、「自分たち」で使ったものもみんなで協力して片づけるようになってきました。このような成長はとても嬉しいものです。私はお子さん達の姿を見ながら、ある本で読んだ「3匹の鯛」に関する話を思い出しました。


 人間の心理には三匹の鯛がいるというエピソードがあります。
 まず、誰の心にも「認められたい」という鯛がいて、同様に「ほめられたい」という欲求の鯛がいる。そして、その二つの「タイ」が充たされてくると、最後に現れるのが「お役にたちたい」という鯛であるという話です。
・認められタイ
・ほめられタイ
・お役に立ちタイ

 「接客の極意はこの『三匹の鯛』を育ててあげることに他ならない」とは、接客力日本一と呼ばれる、ある料亭の女将さんが言っていた言葉です。
 面白いなぁ、と素直に感心しました。前の二つは受動的な欲求であるのに対し、三つ目は能動的な、自らやる側に回った欲求なのですから。

(『スタッフの夢とやる気に火をつける!てっぺん!の朝礼』/大嶋啓介 著/日本実業出版社)


 私は稽古中に大切にしていることがあります。それは、お子さん達の「小さな成長」「小さな変化」「小さな挑戦」をほめることです。「挨拶の声が大きくなった」「帯を結べるようになった」「受身が上手くなった」「体がやわらかくなった」など、誉めるポイントは沢山あります。認められる、ほめられる経験が増えると、本の話の通り「役にたちタイ」という気持ちが芽生えてくるようです。片づけのみならず、「友だちの学習机も出してあげる」「壁にかかったホワイトボードを真っ直ぐに直す」など、色々な場面で「周りに貢献しよう」という行動が増えてきました。お子さん達の心にいる三匹目の鯛は少しずつ成長しています。

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 人の役に立つことはとても気持ちが良く、また自分の自信にもつながります。これからも柔道場での様々な活動を通じて、お子さん達の「自己肯定感」「自己有用感」を高めていきたいです。将来お子さん達が、人のため、社会のためにも力を発揮できる人財へと成長してくれることを楽しみにしています。


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