見出し画像

4年勤めたLINEを退職しました

こんにちは!2021年2月28日をもってLINEを退職した荘司です。2017年に中途入社でLINE株式会社に入社し、約4年間お世話になりました。上司や同僚に恵まれ、存分にプロダクト企画やプロジェクトマネジメント、チームマネジメントに没頭し、携わったサービスと並走しながら自身もたくさん成長することができたように思います。本当にありがとうございました。

LINEの価値基準として、社内で頻繁に「WOW(ワウ)」という言葉が使われます。「ユーザーを感動させる初めての体験」であり、「思わず友だちに教えたくなるような驚き」と定義されており、私はこの言葉が大好きです。LINEを退職し、明日からは別の道を進みますが、LINEで培った「WOW」を追求する価値基準を心に秘めて、これからもプロダクトマネジメントに取り組んでいくつもりです。

以降、私的な退職エントリーですが、どうかお付き合いください。

LINEでやってきたこと

LINEで私は、プロダクトマネージャーと、サービス企画チームのマネージャーの2つの役割を担っていました。フィンテックサービスのプロダクト責任者として、立ち上げやグロース、ときにはサービスの縮小をリードすることもありました。

「今自分たちが解くべき課題は何?」
「LINEの強みを活かす解決策を提供できるか?」
「どうやって事業として継続させる?」
「社内のステークホルダーとはどうコミュニケーションする?」
「適切なプロジェクト体制は?」
「WOWなUXをどう作る?」

というように、プロダクトマネージャーとして様々ことを思慮してきましたが、振り返って考えてみると、抽象的な問題を整理し、具体化し、チームの力を借りて、それを解いていくことが、楽しくてたまらなくて、繰り返し何度もやってきたのだと思います。

外国籍のエンジニアが多い金融サービスのプロジェクトで、ゴールや、取り組む課題の理解を一致させることが難しい局面がありました。国によってユーザーの金融リテラシーは大きく異なりますし、解くべき課題も違っています。もしも自分が外国のユーザーに向けてプロダクトを作ると考えると、難しさは容易に想像がつきます。ただでさえ外国から遠隔でプロジェクトに参加しているチームと、理解を一致させられないことで、不要な軋轢を生み、苦しんだこともありました。

良いプロダクトを継続的にデリバリーするためには、チームが一丸となってプロジェクトを進行することがとても大切だと思っています。エンジニアたちにとって外国人のユーザーの気持ちが少しでも理解できるよう、ドキュメンテーションやディスカッションだけでは無く、ユーザーインタビューやエスノグラフィーを、繰り返し一緒に行うことで、徐々に理解の一致を促していきました。

2020年2月、コロナ禍でテレワークが基本となり、オンラインでのチームマネジメントに頭を悩ませることもありました。手探りで様々な施策のトライを提案する私に「やろうよ!」とポジティブに返事をくれるメンバーが居たことは、本当に幸運であり恵まれた環境に居たのだと理解しています。

新しいメンバーがジョインしたタイミングで行ったwevox value cardは、オンラインで仕事や人生の価値観をテーマにコミュニケーションができるゲームです。ゲーム終了後は参加者一人につき5つの価値観が整理されます。オンラインでのチームビルディング施策をお探しの方は、手軽にできるので一度お試しください。

画像1

(上の画像は私の価値観です。非常に仕事感の薄い価値観を有していることが明らかになりました・・・。)

他にも採用を頑張ったり、

育休を取得したりしました。

LINEについて

冒頭で「WOW」という言葉を紹介しましたが、「サービスドリブン」も同じくらいよく耳にしていました。いかに多くのユーザーに、「WOW」を届けることができるサービスを作れるかが、重要な価値観というわけです。

そのような価値観が社内に浸透しているために、プロダクト企画やUX企画に対して、経営陣を含めたあらゆるメンバーがユーザー目線のフィードバックをしてくれる文化がLINEにはあります。本当にプロダクトを大切に思っている人が集まっている組織だと、感心すると同時に、プロダクトマネージャーとしては多くのフィードバックをどう料理して意思決定を行い、プロジェクトを推進していくか、腕の見せどころでもありました。

WOWなサービスを作るために、LINE社員の共通言語としてLINE STYLEが定義されています。特に最初に記載されている「Users Rule」は、強力にLINEのサービスを支えているんじゃないかと思います。

画像2

「LINE」サービスに対する利用者の声やニーズはいたるところに溢れています。例えばただ電車に乗っているだけでも、みんなスマホを眺めて何をしているのか?と、ユーザーリサーチ的な目線で周囲をキョロキョロと見渡す癖がついてしまいました。

LINEの生みの親とも知られている稲垣あゆみ氏は、4年の間ずっと私の上司でした。彼女の仕事への取り組み方は最高にパワフルで、プロダクト愛に溢れており、これまでの私の価値観はボキボキとへし折られ、また新たな価値観がメキメキと形成されていきました。

おすすめ書籍はリーダーシップの旅だそうで、素直な私は4年で5回以上読みました。リーダーは特別な人がなるものではなく、またなろうとしてなれるものでもありません。愚直な旅から生還した結果として、リーダーになっているのです。目の前の課題に真摯に取り組み続けた結果、点と点が繋がるというConnecting the Dotsの考え方にも通じるところがあり、今の私の価値観の礎になっています。

今、LINEはスマホの世界から本気で金融を変えるチャレンジをしており、昨今話題のヤフーとの統合は、新たな旅の始まりです。そんな中、私は退職することを決意しました。

なぜ退職したのか?

リクナビネクストさんの記事によると、会社を退職する理由のランキングは以下のようです。

1位:上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった(23%)
2位:労働時間・環境が不満だった(14%)
3位:同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった(13%)
4位:給与が低かった(12%)
5位:仕事内容が面白くなかった(9%)

私はどれも当てはまりません。前述のように上司のことは尊敬していますし、労働環境、同僚についても非常に素晴らしい。給与も充分にもらっていましたし、言わずもがな仕事内容はエキサイティングでした。

私は明日からはキャディ株式会社の一員として新たなスタートを切ります。詳しくは改めてエントリーを書こうと思いますが、解こうとしている問題の大きさ、面白さ、複雑さに惹かれました。決してLINEが嫌になったわけではなく、今以上に興味深く、自分が身を置きたい環境を見つけた。これが退職の理由です。

これからやっていくこと

転職先の話は別のエントリーで書きますね。それとは別に、去年からファイナンシャルプランナーとしての活動を始めました。iDeCoやつみたてNISAに迷っている人が居たら、相談に乗れると思います。連絡待っています。最近は、毎週金曜日にClubhouseでお金について喋ったりもしています。

また、名古屋芸術大学の芸術教養領域で、非常勤講師として「プロジェクト」について講義を持っています。若い学生さん達とプロジェクトマネジメントについてディスカッションをする中で、自分自身も新鮮な考え方ができるようになったりと、とても楽しませてもらっています。

そんな感じで、心機一転な荘司でした。引き続きアウトプットしていく予定なのでよろしくお願いします。

追伸

LINEでは、WOWなサービスづくりを目指すプロダクトマネージャーを募集していますので、ぜひご覧になってみてください。私に連絡をくださっても大丈夫です。それくらいはボランティアしますので。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?