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「師走の精進料理」 2014年12月

今年も師走を迎えました。まさに光陰矢のごとし・・・歳を重ねるにつれ、短くなってくる気がしてなりませんが、皆様はいかがでしょうか。たからの庭もすっかり冬景色です。

過ぎ来し1年を振り返りながら、みんなで打った蕎麦で締めくくりました。ほかには冬至に食すおこと煮や最盛期を迎えたほっくりと美味しい里芋に大豆肉のあんをかけた羹(あつもの)、新春にも使える華やかな五彩膾なども作りました。

1.かっけそば 汁仕立 2.かぼちゃのおこと煮 3.五色膾 4.里芋の大豆肉餡かけ 


1.かっけそば 汁仕立
打ち立ての蕎麦は本当に香りもいいし、美味しいですが、細く切ったりするのがちょっと難しいですよね。ならばと、三角に切るだけの青森の郷土料理「かっけ」にして、しかも家にある器具でできるようにというこで、あれこれ工夫してレシピにしてみました。
ところで年越し蕎麦の風習は、江戸時代にはすでにあったようで、その細長い形状から長寿を願って食べ始めたようです。また、蕎麦には、脚気予防に効果があるとされ、脚気が流行った江戸時代に食べる人が増えたとか。もちろんそのころはビタミンは発見されていなかったですが、経験的に昔の人は効能をわかっていたんですね。最近では、血流改善効果のあるルチンが注目を浴びていますね。皆様の益々のご健康を新蕎麦の香りとともに楽しみました。

材料:蕎麦新粉200g、中力粉(地粉)50g、水115~125CC
昆布出汁3C、干し椎茸出汁2C、木綿豆腐1/2丁、油揚げ1枚、白菜1/8わ、エノキなど
おろし生姜適宜

1)豆腐、油揚げ、白菜、エノキは食べやすい大きさに切っておく。
2)そば粉を打つ。そば粉とつなぎ粉をふるいにかけながら、ボールへいれ、よく混ぜ合わせる。
粉の中央を手であけて、水を半分入れる。混ぜる。S字や円を描きながら入れる。
さらに混ぜながら水を少量のこして入れ、かきあげるように混ぜる。(水まわし)
 >>youtube 動画を見る

3)体重をかけ前にスライドさせて割れ目がなくなるまで1分程度こね、丸くする。

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4)手を丸めて、ハの字に動かしながら麺棒で生地を伸ばす。
5)のした生地に打ち粉をたっぷりとふり、めん棒を転がしながら生地を2mm程度の厚さの切りやすい大きさに伸ばし、四角に切って、対角線に切る。

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6)たっぷりの湯に蕎麦を入れて浮き上がってきたら器に移す。
7)出汁に1を入れ、一煮立ちさせて味噌を加え、ゆでたての蕎麦を加えて食す。

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2.かぼちゃのおこと煮
おことは「御事」。色々な説がありますが、「おことはじめ」というお正月準備の行事に、神様に奉納した野菜を使った「おこと汁」を飲む風習があって、それと冬至に食す小豆を入れた煮物とが一緒になったという説が有力のようです。冬至は日がもっとも短いので、邪気を払う小豆が欠かせませんね。
小豆はゆでるのにちょっと時間がかかりますので、固めにゆでておいて、冷凍しておいたりすると便利です。カボチャも甘みが凝縮されて、美味しくなっています。ぜひ作ってください。

材料:カボチャ1/4個、小豆1/4C、昆布出汁2C、砂糖大4、醤油大1弱

1)小豆はたっぷりの水から茹で、渋きりして、新しい水をひたひたに加えゆでておく。
2)カボチャは食べやすい大きさに切って、皮を虎むきし、面取りしておく。

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3)昆布出汁で2を炊き、やわらかくなったところに1を加え、調味し煮含める。

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3.五色膾
大根と人参の紅白に、水前寺海苔や、柿、胡瓜を加えて彩りよくしました。それぞれ下処理をして、最後に練り胡麻で和えます。下味がしっかりついているので、衣の味加減は控えめにしてください。

材料:大根300g、柿1/2個、金時人参50g、胡瓜1本、水前寺海苔少々、松の実適宜
A:練り胡麻大3、砂糖小1、醤油小2、酒大2(煮切り)
甘酢:水1/2C、酢・砂糖各大1、塩小1/2

1)大根と人参はマッチ棒サイズに切って、さっとゆがき、甘酢に漬けておく。

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2)胡瓜は縦半分に切り、種の部分をとり除いて、1のサイズに合わせて切って、軽く塩をしておく。
3)水前寺海苔は水で戻してマッチ棒にカットしておく。

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4)柿も同様に切ってみりん洗いしておく。
5)松の実は炒る。
6)1~4をAで和えて、5を飾る。


4.里芋の大豆肉餡かけ
里芋がほくほくとおいしい時期です。下煮したものを揚げて、餡をかけるボリュームある一品にしました。餡にはお肉の変わりに大豆のお肉(グルテンミート)を入れました。お湯で戻すだけで簡単ですし、弾力もあって、肉の代わりに色々な料理に使えます。里芋を揚げる油は少量でいいので、新鮮なものを使ってください。

材料:里芋各1/2個、グルテンミート適宜
里芋煮汁:出汁2C、淡口大1、砂糖大2
片栗粉適宜、揚げ油適宜
餡:出汁2C、淡口・味醂・酒各大2、片栗粉大1・1/2(同量の水で溶く)、黄柚子適宜

1)里芋は皮を剥いて米のとぎ汁でゆがき、水でさらして煮汁で炊く。

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2)1に片栗粉をまぶし160度で揚げる。

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3)大豆肉をお湯で戻す。

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4)餡の出汁を温め、3を加え調味し、とろみをつける。
5)2に4をかけ、千切りの柚子を天盛する。

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レシピ&原稿:温石会 入江亮子
(北鎌倉たからの庭<旬を楽しむ精進料理> 12月の献立より)

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