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「睦月の精進料理」 2014年1月

節句料理もお正月のおせちだけが残ったほど、日本人にとって1月は非常に特別な月ですよね。身も心も新たまる、なんとも静粛な月です。1月1日から7日までを大正月、それ以降を小正月といいいますが、その時期にいただく小豆粥などをご紹介します。

1.小豆粥 2.車麩のカツレツもどき 3.芹とれん草の胡麻和え 4.金柑の甘露煮 5.百合根の梅干和え


1.小豆粥
小豆には利尿効果、解毒効果があることはよく知られています。また小豆の赤い色は邪気をはらうとされ、古くからお赤飯など縁起食に使われてきました。御節の美味しいもの尽くしで疲れた胃腸にとってはお薬同様です。米から炊きますが難しいことはいりません。時々かき混ぜて焦げ付きだけ注意してください。

材料:米1C、水800cc、小豆の茹で汁1/4C、小豆大2、餅1つ、塩小1/3

1)水洗いした小豆をひたひたの水で茹で、茹で汁が赤くなってきたら、捨てる(渋切)。再度ひたひたの水で火にかけ、沸騰したらごく弱火にしてフタをして40分くらいかためにゆでる。
2)餅は、8等分のさいの目切りにしておく。
3)といでザルにあげた米と水、小豆のゆで汁を鍋に入れ、火にかける。途中アクをすくいながら40~50分、上澄みがひたひた程度になるまで煮、塩を加える。
4)最後にゆでた小豆と餅を加え、餅が柔らかくなったら出来上がり。

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2.車麩のカツレツもどき
もどき料理は精進料理の真骨頂ですね。お麩は肉の代用品としてよく精進料理には出てまいります。保存も利くので重宝ですし、言われなければわからないほど弾力もあり、美味しいものです。今回は醤油の甘辛味にしましたが市販のウスターソースとケチャップなどを使うとなおいっそう本物のトンカツっぽくできます。冷めても美味しいのでお弁当のおかずにもいいですよ。

材料:車麩各1/2枚、パン粉・小麦粉・揚げ油適宜
漬け地:醤油・砂糖・昆布出汁各大1

1)車麩は水で戻して軽く絞り、1枚を1/4に切っておく。
2)漬け地に1を浸す。
3)小麦粉を固めに溶いたものに2をくぐらせ、パン粉をつけて180度の温度で揚げる。

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3.芹とれん草の胡麻和え
芹はそれだけですとかなり筋っぽいので、ほうれん草と和えました。比率は1:1がちょうど良いでしょう。胡麻も黒胡麻を使ったほうが合います。野菜の水切り具合によって味付けは多少微調整をしましょう。また、葉ものを茹でたあと、巻きすにとるのが日本料理のちょっとしたテクです。せりもほうれん草、どちらも旬で美味しいだけでなく、栄養価も高いときですので、ぜひ冬の定番料理にしてください。

材料:芹1把、ほうれん草1/2把、
和え衣:黒胡麻大3、砂糖・醤油各大1

1)芹、ほうれん草は1つの鍋でいいので、別々に茹で、水にさらし、巻きすに巻いて、それぞれ3cmくらいに切る。

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2)黒胡麻を煎ってよく摺り、調味料を加え、あえる。


4.金柑の甘露煮
金柑も美味しい時期です。のどに良いことは有名ですが、健胃効果もあるそうですよ。下ゆで時間は、熟し加減で変わります。短くて3~4分、長くて8分程度を目安になさってください。火加減も大事です。乱暴に扱うとべろっと皮がむけてきてしまいますのでぐらぐらとしないように・・・。煮るときも必ず蜜を作ってからそこに入れるということ、気をつけてください。数分で煮あがりますので、あとはゆっくり味が入るのを待ちます。この時期の茶懐石の八寸などにもよく登場いたします。ご家庭では焼魚の沿えなどにも是非使ってください。冷蔵庫に入れておけば1ヶ月くらいは十分持ちます。

材料:金柑各2個
みつ:水180cc、砂糖120g

1)金柑は皮に縦に5~6本程度切り目を入れ、串で種を取りのぞく。

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2)たっぷりの水を煮立たせ、金柑をいれ、火をよわめて数分煮る。3)蜜の材料を火にかけ、2の金柑を入れて、紙ふたをして10分煮て火を止めふくませる。


5.百合根の梅干和え
百合根は意外とあくが強いので、下茹での水は頭がしっかりかぶるよう入れてください。水から火にかけて煮立つ直前あたりになると周りから半透明になってきますので、センターに白い部分が残っていてもそこで火をとめ、そのまま冷めるまで置きます。つまり余熱で火を通すわけですね。それを湯止めといいます。
和え衣の梅干は塩分量が色々ですので、味醂で加減してください。箸休めによい一品です。

材料:百合根1つ、酒大2
梅干1個、味醂大2

1)百合根は1枚ずつ丁寧にはがし、かぶる程度の水に酒を加えゆで、そのまま置いておく(湯止め)。
2)梅干は種を取り除き、裏ごしして味醂を加え、まだ塩味が強いようなら昆布出汁で伸ばし、1をさっと混ぜ合わせる。

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レシピ&原稿:温石会 入江亮子
(北鎌倉たからの庭<旬を楽しむ精進料理> 1月の献立より)


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