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大森北四丁目複合施設、田園調布せせらぎ館、六郷BASEの指定管理者の指定に対する討論(令和5年第4回大田区議会定例会)の動画 日頃のフィールドワークをもとに論を展開

#令和5年第4回大田区議会定例会 の最終日である12月8日(金)に会派「#立憲民主党大田区議団」を代表して行った、
○#大田区大森北四丁目複合施設の指定管理者の指定について
○#大田区大森北区民活動施設の指定管理者の指定について
○#大田区田園調布せせらぎ館の指定管理者の指定について
○#大田区南六郷創業支援施設の指定管理者の指定について
の4件の議案に対する本会議討論の動画が、YouTube「#大田区議会チャンネル」にアップされましたので、ぜひご覧ください(↓)
https://www.youtube.com/watch?v=ec84pvpqrSE

20分00秒〜33分45秒が私の討論部分になります。
本会議での討論(賛成・反対を表明し、理由などを述べること)は必須ではありませんが、私は、政策形成過程を区民の皆さんに伝えるため、できるだけ行うようにしています。
今回はいずれも「賛成」討論ですが、指定管理者の指定に関する「反対」討論は、指定管理者制度そのものへの反対が中心ですので、逆に、候補事業者の実績や特徴について、きちんと言及する必要があると考えて、注文もつけながら「賛成」討論しました。

以下に、私の討論の全文を掲載します。

* * * * *

 立憲民主党大田区議団 庄嶋孝広です。ただいま上程されました、地域産業委員会に付託されていた議案のうち、第96号、第97号、第98号及び第102号の4件の議案について、会派を代表して、「賛成」の立場で討論いたします。

 わが会派は、地域産業委員会に委員を出していないこと、また、前期より、区民や地域のコミュニティ形成の役割を担う区施設を重要案件と位置付けていることから、これらの指定管理者の指定について、本会議で討論を行うものです。

 まず、「第96号議案 大田区大森北四丁目複合施設の指定管理者の指定について」「第97号議案 大田区大森北区民活動施設の指定管理者の指定について」は、新設されるこれらの施設について、令和6年4月1日から3年間、地域力もりもり大森共同体を指定管理者として指定する内容です。
 3事業者より応募があり、選考がなされましたが、選考委員会での配点1600点中1167点、100点満点に換算すると73点に当たる点数を獲得し、当該事業者が指定管理者候補者となった点を、まずは尊重いたします。
 大森北四丁目複合施設は、地下1階と地下2階に区民活動施設、2階に地域包括支援センターとシニアステーション、3階につばさ大森教室、4階に子育て支援施設、5階と6階に男女平等推進センターが入り、各施設を区や民間事業者が運営します。また、入新井第一小学校と一体的に建設されているのが特徴です。
 大森北四丁目複合施設条例の第1条にある通り、これらが「相乗効果を通じて地域力の向上に寄与する」ことが大事であり、募集要項にある通り、指定管理者には、「地域のコーディネーター」として、複合施設内の各施設間の連携、地域の団体間の連携、利用者同士の交流、地域団体の活動支援などが求められます。
 これらは、決して簡単なことではありませんが、選考理由の概要を見ますと、連携・協働を担うスタッフの配置、地域のイベントへの積極的な参加など、指定管理者に求められる要件を満たすだけの具体的な提案があったものと考えます。
 複合施設内の各施設を運営する事業者間のコミュニケーションの場を設けること、また、地域の団体や施設をネットワークする場を設けることなど、地元の入新井特別出張所とも連携しながら、複合施設を通じた地域コミュニティの形成に期待します。
 指定管理者候補者を構成する2団体は、いずれも区内団体ではないため、この難しいミッションを達成するには、地域にどれだけ根ざせるかがポイントといえます。
 もっとも、代表団体の野村不動産パートナーズ株式会社は、区内の工場アパート、創業支援施設、図書館などで指定管理の実績もあることから、地域情報や団体等とのネットワークをもっていると考えられます。複合施設内の施設間の連携を図る統括的な役割、また、ハード面の管理を中心に担うものと理解しています。
 一方、株式会社小学館集英社プロダクションは、大田区においては初参入となりますが、公共施設の運営やコンテンツ開発の実績は豊富であり、ソフト面の運営を中心に担うものと理解しています。
 同社は、例えば、神奈川県大和市において、大和市文化創造拠点シリウスなどを指定管理する共同事業体「やまとみらい」の構成団体になっており、シリウスでは6階の生涯学習センターを担当しています。そこには、食事OK、会話OKの市民交流スペース「ぷらっと大和」があり、親子連れから高齢者までの幅広い世代、特に、夕方になると高校生など若者が集まってくる場所となっています。
 先日、見学に伺ったところ、「まんがŁiving」という新たな取組みが始まっていました。市民交流スペースの一角に置いた本棚に、マンガが並べられていましたが、幅広い世代に読み継がれてきたマンガ、発達障害、倫理などをテーマとしたマンガ、小学館集英社以外の出版社のマンガもありました。
 この企画を仕掛けた「まんがLivingコンシェルジュ」のお二人にお話を伺いましたが、Livingにはくつろげる「リビングルーム」の意味と「生きる」との意味を込めたそうです。利用者がマンガを読み、感想を付箋に書いてマンガに貼り付けることで、利用者同士のコミュニケーションが生まれるようにし、また、コンシェルジュが相談に乗りながら、その人に合ったマンガをおススメすることもしています。
 実は、小学館集英社プロダクションは、全国に数か所ある官民協働刑務所の運営にも参画し、受刑者への職業訓練や教育を担当しており、そのノウハウを生かし、まんがを介した会話の中から若者の悩みなどを把握し、関係機関につなぐなどの体制もとっているとのことでした。
 ひるがえって、大森北四丁目複合施設も、こどもから高齢者まで多世代が利用する施設が同居しており、利用者同士の交流が生まれたり、施設間や地域との連携、入新井第一小学校との連携が生まれたりする仕掛けが重要です。
 ちょうど1年前、令和4年第4回定例会で、大森北四丁目複合施設条例と区民活動施設条例に対する討論を行いました。先行する新蒲田一丁目複合施設「カムカム新蒲田」の改善点をもとに、総合受付、フリースペース、展示スペースなどを要望しましたが、それらを確保できれば、そこを仕掛けとしてうまく活用していただくよう改めて要望し、第96号議案と第97号議案に「賛成」いたします。

 次に、「第98号議案 大田区田園調布せせらぎ館の指定管理者の指定について」は、田園調布せせらぎハーモニーを令和6年度から10年度まで5年間の指定管理者として指定するものです
 せせらぎ館の開設当初から指定管理者となっている同事業者が、第107号議案にある大田区立田園調布せせらぎ公園と一体管理する形で、再び選考されたものになります。ただし、令和6年度に新たにオープンする体育施設が加わること、また、それに伴い、構成団体にシンコースポーツ株式会社が加わることが、これまでと異なる点です。
 今回の応募事業者は、当該1事業者のみでしたが、選考委員会での配点700点中501点、100点満点に換算すると72点に当たる点数を獲得しており、高い評価といえます。各年度のモニタリング評価も良好であり、今回の選考理由の概要を見ても、特に、地域コミュニティの形成に向けた連携・協働を担うスタッフの配置などが高い評価を得ています。
 令和2年第3回定例会において、そのときは、せせらぎ館ではなく、せせらぎ公園の方で指定管理者の指定に対する賛成討論を行いました。その際、大田区で初となる区立公園への指定管理者の導入にあたり、私から「魅力的な事業運営を通じて、公園の利用者、また公園に関わる団体やボランティアを増やし、コミュニティを育てることが、公園に指定管理者を導入する大きな意味」であると述べさせていただきました。
 その意味で、せせらぎ館では、様々な事業に取り組んできたことを、私自身も拝見してきました。毎月第1土曜日のせせらぎマルシェには、地元のお店や団体も含めて多くの出店があり、新たに出店するお店や団体も常にあり、毎回、にぎやかな様子が見られます。指定管理者自身も、毎回、季節を意識した手作りワークショップなどのコーナーを設けています。また、せせらぎウォークは、せせらぎ公園や周辺の自然や文化を題材とした学び、遊び、体験の機会となっています。私も、今年9月のせせらぎウォーク「見てみよう!さわってみよう!」に参加しましたが、多くの小学生や未就学児の親子が参加し、草っぱらでチョウやトンボを虫取り網でつかまえ、せせらぎ館に戻って、拡大カメラで観察する内容でした。
 せせらぎ館の来館者数は、コロナ禍の中での船出となったものの、令和3年度に18万6千人、令和4年度に28万人と順調に伸びています。集会室の利用者だけでなく、休憩スペースを中高生が自習スペースとして利用するなど、最近の区施設の複合化では余裕スペースがなくなりがちなのに対して、ここでは貴重なフリースペースが提供されています。コロナ禍のため、静かな利用が定着した感がありますが、今後は、打ち合わせなどで使うニーズも増えると思われます。カフェの夜間営業、体育施設のオープンなど、新たな指定期間においては、最初の3年強とは異なる様子が見られると想像されます。
 なお、せせらぎ公園の来園者数については、令和3年度に23万2千人、令和4年度に24万4千人となっています。せせらぎ館ができる以前と比較できる数字は持ち合わせていませんが、芝生広場に多くの親子連れが訪れている様子などを見ると、来園される方の数が増え、幅が広がったと考えてよいと思います。なお、令和3年度と4年度とで来園者数にあまり差がないのは、コロナ禍の中で、公園が貴重なオープンエアの施設であったことの証しといえます。
 以上のことからいえるのは、せせらぎ館ができ、指定管理者が事業を行うようになったことで、せせらぎ公園のみどりへのアクセスがよくなったということであり、これは大いに評価されるべき点であると考えます。
 せせらぎ館ではなく、せせらぎ公園の事業に分類されるかもしれませんが、年2回、せせらぎパークミーティングが行われ、田園調布地区の青少年対策地区委員会、小中学校やPTA、せせらぎ公園で活動しているNPO、スポーツチーム、福祉関連団体、近隣住民などが参加している様子も拝見しました。今後さらに、このパークミーティングを協議会的な場として育てることで、指定管理者による公園を通じたコミュニティ形成が進み、住民や団体の「あったらいいな」「こんなことやってみたい」をさらに実現していくことを期待して、第98号議案に「賛成」いたします。

 最後に、「第102号議案 大田区南六郷創業支援施設の指定管理者の指定について」は、いわゆる六郷BASEについて、南六郷創業支援施設運営共同事業体を令和6年度から10年度まで5年間の指定管理者として指定するものです。
 今回の応募事業者は、当該1事業者のみでしたが、選考委員会での配点200点中187.41点、100点満点に換算すると75点に当たる点数を獲得しており、高い評価といえます。各年度のモニタリング評価も良好であり、今回の選考理由の概要を見ても、特に、代表企業である株式会社ツクリエによる入居者への伴走支援について高い評価を得ています。
 もっとも、2階のコワーキングスペースやシェアードオフィスにせよ、3階のオフィスにせよ、使用期限が原則3年、最長5年であることから、最初の指定管理期間中に、いわゆる「卒業」を迎えた入居者はありませんでした。そのため、六郷BASEからの卒業後も大田区で事業継続していただけるかという「定着支援」の真価が問われるのはこれからといえます。
 そのためにも、入居期間中から大田区の町工場、商店街などと連携する事例を増やすなど、コミュニティマネージャー、インキュベーションマネージャーによる「区内事業者との連携支援」に、より一層磨きをかけることを期待します。また、入居者と区内事業者との連携の好事例については積極的に発信し、六郷BASEの存在や成果への認知度を上げることも期待します。
 六郷BASEとして様々な講座やイベントを行っていることも承知しており、先月は、おおたオープンファクトリーに参加し、親子を中心とする皆さんに施設を見てもらうとともに、3Dプリンターやレーザーカッターを使ったものづくり体験を提供していました。また、羽田イノベーションシティのグランドオープンイベントにも入居者とともに参加し、こどもたちにものづくりワークショップを提供していました。毎年1月に、児童生徒がものづくり作品を出展する、大田区教育委員会による「ものづくり教育・学習フォーラム」でも、ワークショップ出展で協力されている入居者にお会いしたことがあります。
 令和7年度から、区立小学校で独自教科「おおたの未来づくり」が全校実施されることもあり、こどもたちの学び、遊び、体験などへの施設ならびに入居者のご協力なども期待して、第102号議案に「賛成」いたします。

 以上、指定管理者の指定への賛成の理由を述べてきましたが、これらの議案に反対の会派の主張にも一定の理解を示すところであり、先日のわが会派の代表質問でも公契約条例の必要性を訴えたように、指定管理者となる民間事業者で働く方々の適正な労働環境の確保はわが会派も重要視するところです。
 そのうえで、民間事業者のもつ専門的なノウハウを区施設の運営に取り入れることが、区民サービスの向上、また、公民連携と区民協働の融合による、コミュニティの形成に寄与すると考えていることを申し添えて、立憲民主党大田区議団の賛成討論といたします。

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