明日の君へ


漆黒の重たい夜でした。
昼間の友たちの笑顔は眩しく、僕の居場所はなかった。
私は誰か 自分とは何か
強い自意識 他者への依存の自覚、羨望
自立したいという、欲求とも脅迫感ともつかぬ思い
このまま、朝は来ないのではとも思っていました。
そんな15歳の自分に、今であればどんな言葉をかけるだろう。

朝は来る。必ず来る。人には生きる使命がある。必ず、君なりの幸せがある。他者を羨むな。必ず、幸せになれる。
沼の底から這い出す気力と、希望を持ってほしい。

宇宙ができる前、世界は一つだった。 世界は何もなく、時間もなく、全てが一つだった。
強い爆発は、相反する力と引き合う力を生み、3次元の空間と、時間が生まれた。原子、分子ができ、星が作られ、地球では酸素、気体や水ができ、やがて生命が生まれた。原子も分子も、与えられたエネルギーを使い、時間を前に進む慣性を持っていた。つまり、生存の本能と呼べるものを備えている。生命は、その生存の本能の赴くまま、進化を続け、人が生まれた。人は、自我を持った。個体としての肉体を自己と認識し、感覚、記憶、意識を統合し、連続して独立した自己を把握する能力を得た。全ては、原子、分子とそのエネルギーの生成物である。
例えば蜂は、個体ではなく集団を自己と認識しているかもしれない。個体を形成する細胞を、自己と認識している生物もいるかもしれない。人も、自己を認識する一方で、他者に共感したり、思いを想像する力を持っている。人が自覚している自己の境界線は、曖昧で不確かなのだ。始まりは一つで、全てつながっている。
とはいえ、他者を羨むのは、人の本性だ。人は自意識を持ち、他者と比較する。それにより、向上心や競争心が生まれ、進化してきた。 人が他者を愛したり、共感し、協力しあえるのも、本性だ。曖昧な自己の境界を超えて、協調できるから、文化が生まれ、生存能力も上がった。 反面、人は自意識に悩み、羨望に苦しむことがある。そんなとき、思い起こしてほしい。人も、山も、草も、動物も、虫も、空の雲や星も、気体や水も、始まりは一つで、今もつながっている。みな、エネルギーから生まれ、時間と空間の中で生成を繰り返す、一つの仲間。元は、一つだ。他者が活躍して、幸せそうであれば、羨むより、むしろ喜べばいい。彼、彼女は、自分なのだ。でも、羨む自分を責めなくていい。それは人の本性で、進化の元だから。

人として、個を自覚して、競い、羨み、愛して、喜び、人としての生を存分に楽しんでいい。みな、常につながっている、一つだということも、人の生を謳歌する中で真に理解できる。

夜が続いても、必ず朝が来る。喜びがある。歓喜がある。幸せがある。希望は、絶対に捨てるな。だから、一緒に生きよう。

15歳の僕は、今、ここにいる。

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