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HSPの老後②タイ移住

私がはじめてタイを訪れたのは1998年、ハワイの大学を卒業した翌年に入社した会社の社員旅行でのことでした。当時の為替レートで1万円を両替すると2500バーツ、屋台飯の相場は20バーツで、ココナッツジュースやとうもろこし1本が10バーツ、現在の約3分の1程度でしょうか、BTS(電車)も地下鉄も走っておらず移動はメータータクシーかトゥクトゥクと呼ばれる3輪タクシー、バスなんぞに乗ったら最後、とてつもない渋滞に巻き込まれてイライラが頂点に達します。絵にかいた様な発展途上の国でありスマホなんてない時代だった。その時からなんとも言えぬタイの空気が気に入って何度も何度も通いつめ、2001年には会社を辞めてバンコクにアパートを借りて1年ほど住んでみた。

当時のタイはビザがなくても毎月1回隣国であるカンボジア、ラオス、マレーシアに出国して戻ってくればそれでOK、「VISA RUN」と呼ばれるその方法で滞在が出来ていました。毎月の出国が面倒になってくるとラオスのビエンチャンにあるタイ領事館で観光ビザをとり、そのビザをタイ国内で1900バーツを支払い延長申請をすれば合計3か月の滞在が可能になり、ビエンチャンでは1度のビザ申請で2回分のWビザ(2000バーツ)が取れていたのでタイに滞在する外国人でいつも賑わっていました。

その後は日本で派遣社員としてはたらきつつ、毎月の様にタイを短期で訪れていましたが、2011年に母が亡くなったのをきっかけにタイのビーチリゾートであるプーケットに2016年まで住んでいました。その間の滞在ステータスとしては、VISA RUNや観光ビザでしたが、2013年頃から外国人の不法就労がタイ国内で問題化されたり、テロリストなど不良外国人の活動拠点がタイにあるとの国際的批判が相次ぎ、タイでのロングステイが難しくなって行きました。観光ビザ申請却下、陸路国境での入国拒否、タイに住む多くのロングステイヤーはいつタイから追い出されるのかと戦々恐々とした日々が続きました。

私がプーケットに移住した2011年といえば、15年間という長きに渡る海外逃亡生活から先月帰国したタクシン元首相の妹であるインラックさん(赤シャツ側)が保守派のアピシット元総理(黄シャツ側)を下し首相になった年です。買収や不正蓄財で有罪判決をうけ国から逃亡したタクシン元首相のグループが政権を奪取したことでタイ国内は荒れに荒れました、首都バンコクを中心にデモ活動が活発化して暴動が起こり、スワンナプーム空港や主要な道路が封鎖されたりもしました。放火、発砲、殺人、街は収集が付かなくなり、クーデターを起こし街を鎮静化させたのが軍のトップであったプラユット元首相です。

2023、タイでは総選挙が行われ、軍政のプラユット首相が政界を引退、タクシン派が政権を奪い返したばかりです。現在の首相はタクシン派で政治経験のない実業家セター氏、タクシン派が政権を取ったことでタクシン元首相が帰国して、国王に恩赦を願い出て8年の刑期がたったの1年に減刑されました。タイの政治は今、選挙での国民の意志が反映されておらず、本来首相になると目されていたハーバード卒42才という若さのイケメンピター氏が首相になれなかった事でまたひと悶着もふた悶着も起こりそうな情勢です。

さて、前置きが長くなりましたが、タイに長期滞在する方法とメリット・デメリットについてです。

① タイでの仕事を見つけてワークパーミットを取る
② タイ人と結婚して婚姻ビザを取る
③ 50才以上ならリタイアメントビザを取る
④ 50才未満なら学生ビザを取る

【メリット】家賃が安い、ビザ取得のハードルがそれほど高くない、地震がない、花粉症がない、マッサージや散髪が安い、交通費が安い。和食がブームで身近になった。他人にあまり気を遣わなくてもOK
【デメリット】円安と物価上昇、政権交代による政治的混乱懸念、日本語がほとんど通じない、外国人向け医療が高額、イミグレとのかかわりが面倒