気になるモバイルアプリの開発戦略についてまとめてみました。
開発戦略の基礎を教えてくれるのは「タベリー」
このアプリから開発の基本技術を勝手に盗んでいこう。
株式会社10Xが配信する、「献立の食材をネットスーパーでまとめて注文できるアプリ『タベリー』」
・ペルソナ設定よりもシーン設定
プロダクトの作り方などで定説として当たり前のように語られるものの一つに「ペルソナを設定せよ」というものがある。確かに今も、最初の仮説として設定することの価値はあるだろう。
しかし、この記事によると
「人ではなく、シーンに合わせたモノづくりが大切だと思っています。デジタルが発達し、ユーザーの背景が多様化した時代に、ペルソナの概念はマッチしにくい」
「気づいたのは、ペルソナの中でも刺さるシーン、刺さらないシーンがある、ということ。たとえば、週末に料理を作り置きするケースには刺さるが、そうではないケースには刺さらない、といったように。ペルソナ的な属性の同じユーザーセグメントでも、シーンによって意思決定や行動は変化していくんですよね」
と、シーンによって使われるものを作るべきであると主張している。
「20代前半・大学生・男性・体育会系部活所属」というペルソナを設定したとしても、その人が作っているプロダクトを使うシーンがなければ意味がない。
・ユーザービリティ確認のための高速開発
新しいものを作る際、ユーザーがどのように感じ反応するかは想像するよりも、実際に触ってもらって確かめることが最も早く確実でしょう。
そこでタベリーでは、3ヶ月で300回ものビルド(プロダクト改善)を行っていたとのこと(参考)。
今までにない新しいものをつくろうとしていたので、とにかく早くユーザビリティテストに持っていくことが重要だと考えていました。なので、立ち上げ時にはUIを早くつくることにフォーカスしました。そして、本物に近いフィードバックを得るために、プロトタイプを実際のアプリとしてつくることを選びました
これも開発戦略を最初に決めて始めたからこそ実現できることでしょう。
・定性的モニタリング
定量的モニタリング=数字でどこでどれだけの人が離脱しているのか、ということを前提に、「なぜそこで離脱しているのか」「そこで価値が伝わっていなかったのか?」などは数字からは見えてきません。
そこで、分析について以下のように述べられている。
データ分析は、「このページで離脱している人が多い」など、“今提供しているプロダクト”のどこに問題があるかの可視化に有益です。しかし、数値は「問題の場所」を理解するのは得意でも、この画面でユーザーはどんな心理に至り、結果としてなぜ離脱したのか、といった「問題の理由」を特定するのは難しい。だから併せてユーザビリティテストとユーザーインタビューがとても重要になります。
具体的には、
ユーザビリティテストでは、アプリを使っているときの表情や行動を観察します。あのボタンを押さなかったな、ここで迷っていたな、などユーザーの行動を徹底的に見る。実際の行動からその理由を探っていきます。
このように、インタビューを行っているらしい。
・徹底的なユーザー観察
上記にも関係しているが、矢本さんは、
ユーザーは本当に自分が欲しいものは自分でもわかっていない(参考)
という考えのもとユーザーインタビューの際にはプロダクトがどうかを直接聞くことはなく、以下のようにするらしい(参考)。
対象の「生活」を知るために実施します。たとえば「ご飯は週に何回作っていますか」「お子さんは何時にお迎えに行きますか」など、人の日々の生活様式をヒアリングして理解します。たとえサンプルが小さくても、人の持つ課題がどこにあるのか、クリアに考えられるようになるのです。
ここでも、セグメントで分けるのではなく、シーンで考えるという発想があるようです。
・まとめ
これらから、プロダクト開発を行う場合には、まず①シーンによってターゲットを定め、ユーザーの行動を見るために②UI・UXを高速開発し、数字によるモニタだけに頼らず、③定性的にユーザーの頭の中を④ユーザーの行動から学ぶ。
これらを頭に入れて開発に取り組むことで成功確率は高まるのでしょう。
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