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第七話 苦悩と葛藤のリハビリ生活 〜後編〜

怪我をしてからおよそ8ヶ月

手術をしてからおよそ5ヶ月半が経過した頃に
僕の新しい挑戦、それは鹿児島県鹿屋市にある国立鹿屋体育大学に入学し、親元を離れ、環境を変化し、新しい仲間たちとプロになるための生活が始まりました。

しかし、僕の右膝には未だ固定具が装着されたままでした。松葉杖こそないものの、びっこでの歩行。一般的に言われる完全なるスタートダッシュの失敗です(笑)

そんな中で僕は思い切った行動を取りました。推薦組は入学前にチームの遠征に帯同するのですが、もちろん僕は行けませんでした。遠征後にチームのLINEグループに招待され、同期が自己紹介の簡単なLINEを送る中で自分はほぼ面識のない先輩たちがいるにも関わらず、簡単な自己紹介の最後に

「僕は現在怪我をしていてプレーができません。しかし、10月中にスタメンを奪います」

と、今思うと非常に生意気なLINEを送ったのです。(笑)
しかし、当時の僕なりの意思表明であり、自らにプレッシャーを与えるために取った行動でした。


それから正式に入学し、大学でもしばらくグランドではなくトレーニング場で過ごす日々が始まりました。

そんな僕に素晴らしい出会いがありました。

それは保健管理センターという中学や高校でいう保健室的な場所での整形外科の1人の先生との出会いです。この先生には実は入試の時にお会いしていて、当時松葉杖で受験していた僕に簡単なトレーニングを教えてくれました。入学後も定期的に膝の状況を診察してもらうために訪れ、その都度今まで教わったことのないトレーニングだったり、意識すべきことを教わり、先生がいない時もほぼ毎日保健管理センターに通うほど、その先生と受付の人に会いに行っていました。鹿屋のお父さんお母さんのような存在であり、非常にお世話になった方達です。

九月になると、保健管理センターの先生、部活のトレーナーやユース時代のトレーナーなど、たくさんのサポートのおかげで僕は復帰することができました。
しかし、全体合流できたものの自分の思い通りのプレーができることはなく、試行錯誤の日々が続きました。

そして迎えた10月。リーグ戦に初めてベンチ入りすると、後半に同ポジションの選手のアクシデントにより自分の名前が呼ばれ、434日ぶりの実戦復帰&大学リーグデビューをしました。

主審の交代の合図とともにグランドに入る際には怪我をした瞬間、長いリハビリ期間、数多くの苦悩と葛藤が脳裏に映し出されました。
しかし、それよりもやっと自分の居場所に戻れた気がしてすごく嬉しい気持ちで試合に入ることができました。次戦には入学前の宣言通りとなる10月中のスタメンフル出場をすることができました。
思い返すと入学時からいつ復帰できるのかもわからない中でのリハビリ生活に危機感をもたらすためにも行ったLINEでのスタメン宣言が心のどこかで自分を支えていた気もします。この経験から、まずは自分の目標を口にする大切さを学びました。

そして、自分のリハビリ生活が幕を閉じました。

久しぶりの投稿でしたが今回もお読みしていただきありがとうございました!
これからは毎月1回以上は投稿していきます!

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