〈詩〉グライダー

ヘイ、グライダー。
そこから海は見えるかい。
地上より宇宙の方が近いって信じて、
どこまでも遠くへ飛んでいけ。

ヘイ、グライダー。
雨が降ったって気にしちゃいけないよ。
その紫の傘なんか刺さなくたって、
また出てきた太陽で髪を乾かせ。

ヘイ、グライダー。
エンジンを積んでるつもりになっちゃ困るよ。
誰かが山の頂まで運んでくれて、
その力で風に乗っているだけなんだからさ。

ヘイ、グライダー。
俺はもう地上に降り立ってしまったけれど、
お前が飛んでいる姿を見てハッピーなんだ。
俺が届かなかった海の向こうにある島の踊りをいつか教えてくれよな。

ヘイ、グライダー。
俺の可愛いドーター。
風に乗ってどこまでも遠くへ飛んでいけ。
青を赤に、夜を朝に、寒さを暖かさに変えながら、怒りながら、笑いながら、挫けても風を捉えて、どこまでも遠くへ飛んでいけ。


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