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暗号資産に該当しないトークンの所得税・法人税の取扱について

国税庁は「NFT(非代替性トークン)やFT(代替性トークン)を用いた取引を行なった場合の課税関係」について、2023年1月13日に「NFTに関する税務上の取扱いについて(FAQ)」を公表しました。

NFTの譲渡収入をマーケットプレイス内で通貨として流通するトークンで受け取っ た場合には、そのトークンの時価が譲渡収入となります。 ただし、そのトークンが暗号資産などの財産的価値を有する資産と交換できないなど の理由により、時価の算定が困難な場合には、譲渡したNFTの市場価額(市場価額がない場合には、譲渡したNFTの売上原価等)をそのトークンの時価と取り扱って差し 支えありません。

NFTに関する税務上の取扱いについて

NFTやFTが暗号資産などの財産的価値を有する資産と交換できるものである場合、そのNFTやFTを用いた取引については、所得税の課税対象になります。

ただ、NFTやFTが暗号資産などの財産的価値を有する資産と交換できない場合は、時間の算定ができないため所得税の課税対象にはならないとされています。ただし、財産的価値を有する資産と交換できないNFT・FTの「取引」について、具体的にどのような取引なのかは明確にされていません。


NFT取引で利益が発生するタイミング

所得税の課税対象になるNFT取引について見ていきます。

下記のケースだと暗号資産取引と違って2回の課税タイミングがあります。

暗号資産取引所で暗号資産ETHを購入

MetaMaskなどの外部ウォレットへETHを送金

Open SeaなどのNFTマーケットプレイスでNFTを購入

NFTを売却してETHを得る


[2回の課税タイミング]

  1. NFTを購入した時点(暗号資産売却時の含み益)

  2. NFTを売却した時点(NFT自体の値上がり益)


1.NFTを購入した時点(暗号資産売却時の含み益)

・2021年1月25日:1ETHを¥137,426で購入
・2021年11月30日:1ETHが¥524,356に値上がりしたタイミングで、1ETHを払ってNFTを購入

2021年11月30日のNFTを購入したタイミングでETHの価格が上がっています。

この場合、¥386,930が含み益として利益が発生します。

¥524,356(時価:NFTの購入価格)ー ¥137,426(ETHの取得価格)= ¥386,930(利益額)

この利益額¥386,930は暗号資産の取引で得た所得のため、所得区分は雑所得になるので、2022年2月16日〜3月15日に確定申告を行います。


2.NFTを売却した時点(NFT自体の値上がり益)

・2021年11月30日:1ETHが¥524,356に値上がりしたタイミングで、1ETHを払ってNFTを購入
・2022年3月9日:NFTを売却し¥736,965相当のETHを取得した

続いて、保有しているNFTを売却したタイミングで所得が発生する場合があります。

2021年11月30日に購入したNFTの価格が上がり2022年3月9日に売却した時、¥736,965のETHを取得したとします。

¥736,965(時価:NFTの売却価格)ー¥524,356(NFTの購入価格)= 
¥212,609(利益額)

この利益額¥212,609はNFTの取引で得た所得のため、所得区分は雑所得、事業所得、譲渡所得などになりますので、2023年2月16日〜3月15日に確定申告を行います。

なお、反対にNFTの購入時よりも売却時の方が価格が下がっていれば損失になります。

また、「クリエイターとしてNFTを販売」「ブロックチェーンゲームで利益を得た場合」のケースもありますが、今回は割愛します。


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NFTやDeFiで利益を得て確定申告を控えている方はこちら是非読んでみてください。



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