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なぜアフリカでweb3事業を始めたのか【インタビュー:小宮 滉】

アフリカのナイジェリアを中心としたゲームギルド事業を行っている小宮さんに、「アフリカでweb3事業を立ち上げたきっかけや、生き方に対する価値基準」をインタビューしました。

小宮さんは、2020年〜2022年にコインチェックのマーケティング部で一緒に働いていた時の仲間です。コインチェック在職中に起業されて大学を卒業しました。

今回のインタビュー背景として、私はコインチェック創業者の大塚さんが公開した暗号資産ネイティブコミュニティとデジタル経済圏の話に共感し、デジタル経済圏ができると「国籍、年齢、性別、学歴、社会的地位などに関係なく、挑戦した人にチャンスがある社会」が実現できると考えています。

実際に小宮さんはGameFiがきっかけでチャンスを掴んだ体現者だと思っています。大学卒業するタイミングで、ナイジェリアを対象としたGameGuild事業の立ち上げに挑戦し、日本人では珍しいアフリカweb3事業の先駆者といっても過言ではありません。

小宮さんの活躍を発信することで、web3へ挑戦したいけど一歩踏み出せない人の勇気を与えるきっかけになれればと思っています。

<プロフィール>
名前:小宮 滉(Akira Komiya)
所属:GUILD株式会社 代表取締役
事業:NinjaGameGuild
Xアカウント:@komiya33917 @NinjaGameGuild

小宮さん

新しいテクノロジーに惹かれコインチェックへ入社した

ーー簡単な経歴を教えてください。
法政大学経営学部を卒業後、GUILD株式会社を立ち上げて、今はアフリカを中心としたゲームギルド事業「NinjaGameGuild」を展開しています。

学生時代はプログラミングスクールやコインチェックでインターンをしていました。

ーーコインチェックでインターンをされたきっかけはなんですか?
元々プログラミングスクールで学生のメンターの仕事をしていたのですが、仕事をしていく中で、僕はビジネスサイドとエンジニアサイドどちらのキャリアを歩もうか悩んでいました。そんな中、コインチェックのマーケティングインターンの求人を偶然見つけて応募したところ採用いただきました。

もともと暗号資産やブロックチェーンという新しいテクノロジーには興味がありマーケティングのキャリアも視野に入れていたため、僕にとってはピッタリなポジションでした。

ーー暗号資産はコインチェックに入る前から知っていたのですか?
暗号資産との出会いは2017年です。その年、Value事件でビットコインを初めて認知しました。大物YouTuberが展開していたこともあり、その時に暗号資産というものが若者へ一気に認知されたきっかけだったと思ってます。

その後にCoincheckアプリをインストールして初めて暗号資産を買いました。僕は出川組ですね。

ーー小宮さんは今となっては古参な出川組だったのですね!コインチェックのインターンではどんな仕事をされていたのでしょうか?
2020年5月にコインチェックに入社しました。マーケティング部に所属していて、toCのキャンペーン企画と運営、SQLを使ったデータ分析など、マーケターとして色々な経験をさせていただきました。

コインチェックでのインターンを通じて、ビジネスに対する視野が高まりましたね。以前は仕事=辛いものという先入観が植え付けられていたのですが、コインチェックでの就業経験によって価値観がガラッと変わりました。例えば、数字を根拠にした意思決定も多く、ロジカルな文化なところは、前職のプログラミングスクールとは大きな違いでしたね。

アフリカでweb事業を始めたきっかけはAxie Infinityでナイジェリアユーザーを発見したこと

ナイジェリアの風景

ーーコインチェックを卒業する時には起業されましたね。小宮さんの起業には驚きました。なぜweb3領域で起業しようと思ったのですか?
コインチェックを卒業したのが2022年2月です。卒業する前は就活をしていたのですが、コインチェックで働いていくうちに暗号資産やweb3への愛着が強くなり、web3分野での起業も視野に入れるようになりました。2021年にAxie Infinityをはじめとしたブロックチェーンゲームを複数プレイしていました。

Axie Infinityで遊んでいる時に気がついたことがあります。Axie Infinityは主に東南アジアで流行っていたのですが、ナイジェリアのユーザーも参加していたのです。

そこでふとアフリカのweb3事情について調べたら、当時のアフリカはゲームギルドが少なく、また、日本人でアフリカに進出しているweb3起業家はほぼいなかったため、「アフリカ×web3×日本人」というポジションを取ろうと決意し起業しました。

また、ナイジェリアは日本と比べて暗号資産への認知度が高く、保有者数も多いため、web3事業を拡大していくためのフィールドは日本よりも有利であると考えています。

ーー確かに当時はアフリカでweb3事業をされていた日本人は少ない印象でした。現在、GUILD株式会社ではどんな事業をしているのですか?

主にNinjaGameGuildというゲームギルドサービスを提供しています。

ゲームギルドとは、ブロックチェーンゲームのプレイヤーをサポートするコミュニティです。言い換えると、ブロックチェーンゲームをプレイしたいけど初期費用がなくてプレイできないプレイヤー(以下 スカラー)にNFTを貸す「機関投資家」のような存在です。

私たちの役割は、ゲームをプレイするために必要なNFTアイテムを購入し、それを初期費用が準備できないスカラーに貸し出します。スカラーは借りたNFTアイテムでゲームをプレイしてトークンを稼ぎ、その一部のトークンがゲームギルドの収益になります。

事例だと、Play miningさんのJobTribesというブロックチェーンゲームの認証ギルドとして、NFTのスカラーシップをしています。

Play miningさんとは日頃からお世話になっており、WebXサイドイベントのPlayMining NIGHTの運営にも協力させていただきました。


また、弊社はゲームギルドに限らず、広告運用やSNS運用などのマーケティング支援もしています。従業員は業務委託含めても10人未満ですが、それでも事業は回っています。

ーー今年は実際にナイジェリアに行かれてましたよね。現地ではどんな活動をされていたのですか?
現地ではweb3企業に訪問してディスカッションをさせていただいたり、現地の大学で80名ほどが集まるweb3イベントを開催しました。

大学のイベントで集合写真

これらの経験から、ナイジェリアには優秀なIT人材がたくさんいることに気がつきました。そのうち、アフリカの人材と日本企業を繋げることを目的とした、「コミュニティ機能を兼ね備えたLinkedInみたいな人材サービス」も始めてみたいと考えています。

ーー小宮さんの話を聞いていて私もワクワクしてきました!ちなみに、起業してから今日までで苦労したことはありますか?
最初の立ち上げ時は苦労しました。なぜかというと、学生を卒業してすぐに起業したので、経営やビジネスの基礎がなく、色々と分からないことだらけでした。もちろん、独学でインプットしてきましたが、時々アドバイザーの岡田さんにも力添えいただいております。

直近の悩みだと、スタートアップあるあるですが、ランウェイがあるので売上を作らないといけない焦りは少しあります。ただ、ありがたいことに相談できる方には恵まれているので不安はありません。

行動力の源泉は「世界中に友達を作って楽しい人生を送りたい」

ーーアフリカで成し遂げたい野望や使命みたいなものを抱いているのでしょうか?
僕個人の場合、「アフリカをもっと良くしたい!」みたいな社会貢献したい気持ちよりかは、「自分が楽しいと感じることをやりたい、世界中に友達を作って楽しい人生を送りたい」という気持ちがベースにあります。

そもそも、日本に目を向けると、仕事は楽しいものではなく"苦"だと感じているサラリーマンが多いと感じます。その場合、生涯時間から仕事時間を相対的に見ると苦の時間が長いため、働き方はとても非合理だと思っています。僕の場合は、自分が楽しいと感じる生き方を選択しているので後悔はしていません。

あとは、自分の行動指針としてウルトラCも選択肢に加えるようにしています。「スモールビジネスは周りの人を幸せにする、スタートアップは世の中を幸せにする」と言われがちですが、僕の場合は双方のいいとこ取り、つまりウルトラCを探しちゃいますね。先ほど話した「アフリカ×web3×日本人」というポジションを取ったのも、根底にウルトラCの考え方があったためです。

事業の使命ですと、金銭がなくて挑戦できない人を支えたり、アフリカで起業したい日本人をアフリカの知り合いへ紹介したり、アフリカからもっとグローバルへ挑戦したい人や企業を応援していきたいです。

現代は、インターネットのおかげで国境関係なく友達ができますし、好きなことで稼げるようになってきています。将来的には、仕事と遊びを合体させたいですね。僕の事業が結果として、国籍に関係なく多くの人たちが好きなことで生きていける社会の創出に貢献できていたらより嬉しいです。

ーー小宮さんの価値基準が明確で、私自身も小宮さんから学ぶべきことがたくさんありました!今後の事業の展望についても教えてください。
先ほども話しましたが、アフリカの人材と日本企業を繋げる事業や、日本のゲームギルドにも力を入れていき、ゆくゆくはブロックチェーンゲームのハブになりたいと考えています。

日本の魅力はIP/コンテンツであり、海外からも注目を浴びているため、国内ブロックチェーンゲームの市場はどんどん伸びていくと信じています!

ーー小宮さんありがとうございました!

さいごに

情報のインターネットのおかげで国境関係なく誰とでも繋がれるようになり資金調達や国際送金もできるようになりました。個人でも、小宮さんのように挑戦すればチャンスを掴める時代です。

そしてmoney protocolである暗号資産が誕生し、誰にでもデジタル資産を送れたり貸したりすることができる価値のインターネットが誕生しました。挑戦する人がDappsやDAOを生み出し、それらに紐づくトークンが開発者や支援者のインセンティブとなり、インセンティブがDapps・DAOを大きくさせてさらにユーザーは増えていきます。

価値のインターネットがデジタル経済圏を作り、やがて社会インフラとなっていくかもしれません。覚悟と勇気を持って挑戦する人にチャンスがある社会はすぐそこです。

小宮さんの連絡先はこちら


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