マルチネットワークに対応している国内の暗号資産取引所一覧(マルチチェーン通貨)
この記事では、以下の方を対象としています。
「暗号資産界隈でよく耳にするマルチチェーンの定義を知りたい」
「マルチネットワークに対応している国内取引所とマルチチェーン対応通貨を知りたい」
2023年11月時点でマルチネットワークに対応している取引所は、OKCoinJapanの8通貨、bitbankの3通貨、Binance Japanのみとなっています。
暗号資産のマルチチェーンとは、複数のブロックチェーンネットワークを相互接続する技術や概念
暗号資産のマルチチェーンとは、複数のブロックチェーンネットワークを相互接続する技術や概念です。これにより、ユーザーは異なるブロックチェーン間で資産を転送したり、異なるアプリケーションを同時に利用したりできるようになります。
暗号資産初期は、ビットコインやイーサリアムなどの単一のブロックチェーンネットワークが主流でした。しかし、2~3年前からはL2やイーサリアムキラーのトランザクションが増え始めたこともありNFTマーケットプレイス・DeFiではさまざまなブロックチェーンネットワークに対応しています。
たとえば、世界最大NFTマーケットプレイスのOpenSeaは、Ethereum、Polygon、Klaytn、Solana、Arbitrum、Avalancheなど、複数のチェーンでNFTを購入することができます。
DeFiの一つであるAaveでは、Ethereum、Polygon、Arbitrum、Optimismなど、複数のチェーンで利用できるDeFiプラットフォームです。ステーブルコインやトークンを預けて金利を得る、ステーブルコインやトークンを担保にして借り入れを行うなど、さまざまな機能が提供されています。
このように、ユーザーが複数のブロックチェーンネットワークを利用する必要があるケースが増えていますが、ここで使われている技術がマルチチェーンになります。
例えば以下はマルチチェーン技術の用途です。
ブリッジ:異なるブロックチェーンネットワーク間で資産を転送するためのブリッジは、マルチチェーン技術をベースとして開発されています。
ロールアップ:ロールアップは、オフチェーンで処理を完了し、ブロックチェーンに結果のみを記録するレイヤー2技術です。マルチチェーン技術は、ロールアップのスケーラビリティを向上させるために使用されています。
サイドチェーン:サイドチェーンは、ブロックチェーンから独立したチェーンであり、ブロックチェーンと相互接続することで、ブロックチェーンの処理能力を拡張することができます。マルチチェーン技術は、サイドチェーンの開発と運用に使用されています。
ユーザーの具体的なメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
ガス代の削減
マルチチェーン対応により、ユーザーは異なるチェーンの特徴やメリットを活かした取引や投資を行うことができます。例えば、イーサリアムの高額なガス代を避けるために、PolygonやSolanaなどの低コストなチェーンを利用することができます。
資産の分散とセキュリティの向上
マルチチェーン対応により、ユーザーは資産を複数のチェーンに分散して保管することができます。これにより、特定のチェーンのハッキングやダウンなどのリスクを分散し、資産の安全性を高めることができます。
新たなアプリケーションへのアクセス
マルチチェーン対応により、ユーザーはさまざまなアプリケーションを異なるブロックチェーン上で利用できるというマルチチェーンの特徴を活かし、幅広い層のユーザー獲得を狙えます。
マルチチェーンは、暗号資産の普及と利便性の向上に大きく貢献すると考えられます。
マルチチェーン対応通貨を国内取引所で購入する時は、複数のネットワークに対応している取引所を選ぶ
マルチチェーン対応通貨を国内取引所で購入する時は、複数のネットワークに対応している取引所を選んだ方がメリットが多いでしょう。
メリット①送受金の選択肢が増える
マルチチェーン対応通貨は、複数のブロックチェーン上で発行されているため、送受金の際には、どのネットワークを利用するかを選択する必要があります。複数のネットワークに対応している取引所であれば、ユーザーはニーズに合わせて、最適なネットワークを選択することができます。
メリット②手数料を節約できる
送受金のネットワークによって、手数料は大きく異なります。複数のネットワークに対応している取引所であれば、ユーザーは手数料を節約するために、最適なネットワークを選択することができます。
例えば、イーサリアムのガス代が高騰している場合、ユーザーはガス代が安い他のネットワークを利用することで、手数料を節約することができます。
メリット③利便性の向上
複数のネットワークに対応している取引所であれば、ブリッジする手間を省け、複数のチェーン間での取引が簡単に行えるようになるため、利便性が向上します。
例えば、PLT PlaceというNFTマーケットプレイスでNFTを購入したりステーキングを行うにはパレットチェーン上のpPLT(PaletteチェーンPLT)を使わなければなりません。ただ、国内取引所で購入できるPLTはePLT(EthereumチェーンPLT)がほとんどです。そのため、「取引所でePLTを購入→PLTウォレットでePLTからpPLTへブリッジ→pPLTでNFTを購入」する流れになりますが、始めからpPLTを購入していれば中間のブリッジするという工程を省けるのです。
マルチネットワーク(マルチチェーン)に対応している国内取引所はOKCoinJapan、bitbank、Binance Japanのみ※2023年11月時点
マルチネットワークに対応している国内取引所は2023年11月8日時点でOKCoinJapanの8通貨とbitbankの3通貨です。対応機能は通貨の入出庫です。
OKCoinJapanのマルチネットワーク対応通貨
OKCoinJapanは、世界規模で暗号資産取引業を展開する『OKGroup』が運営する取引所です。OKGroupは2013年に設立され、日本国内でのサービスは2020年に提供開始しました。
ETH
Ethereum(ERC-20)
Arbitrum One
ARB
Arbitrum One
Ethereum(ERC-20)
AVAX
Avalanche X-Chain
Avalanche C-Chain
DAI
Ethereum(ERC-20)
Polygon
FNCT
Ethereum(ERC-20)
Polygon
MATIC
Ethereum(ERC-20)
Polygon
PLT
Palette(pPLT)
Ethereum(ePLT)
SHIB
Ethereum(ERC-20)
Polygon
会社情報
運営会社:オーケーコイン・ジャパン株式会社
設立:2013年
本社:東京都港区
日本国内取扱通貨数:32
提供サービス:販売所、取引所、積立、ステーキング、Flash Deals
取引手数料(販売所):無料(スプレッドあり)
取引手数料(取引所)
メイカー手数料 〜0.07%
テイカー手数料 〜0.14%
取引量に応じて段階的に安くなるボリュームディスカウント方式 詳細
X上の声:
OKCoinJapanは複数ネットワーク対応の通貨が多いだけではなく、国内で初めて取り扱う通貨が上場している取引所でもあります。最近だとARBやSUIの上場が注目を集めました。
【2023/10/20】 『スイ(SUI)』の取り扱い開始のお知らせ
【2023/09/01】取引所でのアービトラム(ARB)取扱いに関するお知らせ
bitbankのマルチネットワーク対応通貨
2023年11月8日(水)にマルチネットワークがリリースしました。2023年12月14日時点の対応通貨数は4。
ETH
Ethereum
Arbitrum(Arbitrum One)
OP Mainnet(旧 Optimism)
MATIC
Ethereum
Polygon Network
SAND
Ethereum
Polygon Network
DAI
Ethereum
Arbitrum
OP Mainnet
SANDのPolygon、ETHのOP Mainnet、DAIのArbitrumとOP Mainnetへの対応は国内初です。
X上の声:
Binance Japanのマルチネットワーク対応通貨
不明です。取り扱い銘柄数は合計47銘柄と国内最多なので、マルチネットワーク対応通貨も多いかもしれません。分かり次第更新します。
他取引所の状況
CoincheckではMATICがPolygon Networkに対応しています。
このように、これまでの国内取引所では、ビットコインやイーサリアムなどの単一のブロックチェーンネットワークが主流でしたが、近年では、NFTマーケットプレイスやDeFiの需要拡大に伴い複数のブロックチェーンネットワークに対応していく取引所が増えてきています。
これから暗号資産を始める方、数ある取引所の中からどの取引所を使おうか悩んだときは、「複数ネットワーク対応をしている取引所」を使ってみても良いかもしれませんね。