短編小説「ハンバーグを食べ終えたら」
今日は久しぶりにあの子に会う。
ヒヨ。僕の元カノだった。少し前までの雨模様が嘘のように、アスファルトを太陽の熱が焦がして、その熱は僕の体温を順調に上げてくれている。
うだるような暑さだ。この季節はよほどのことがない限り、僕は半袖半パンで過ごすことが多い。けど、今日は久しぶりに会う。だから少しだけ背伸びした。しかし失敗だったようだ。滝のように流れる汗がうっとおしい。
渋谷スクランブルスクウェアの陸橋で僕はひとり佇んでいた。スマホを確認する。うむ。10時45分か。約束は1