コンテンツマーケティングお断り
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先日「コンテンツマーケティングに取り組むべきか?」という質問を受けた。質問者の方は、BtoBの外国人派遣エンジニアを扱っている企業さん。
私の回答は「No」だった(文脈的にはコンテンツマーケティング=ブログコンテンツという意味合い)。
いっときの勢いは無くなったものの、今でもコンテンツマーケティングはBtoBマーケティングの手法の一つの中心で、インサイドセールスへの注目により、インサイドセールスをただのテレマ、テレアポにしないためコンテンツマーケティングの重要性は今後再度盛り上がるのは間違い無さそうです。
とは言え、流行りに踊らされるのもよくないな、と思うので、今日はコンテンツマーケティングは決して必須ではない、流行っているから開始すべきことではない、ということをお伝えします。
「Content is King」 だけど
お客様が欲しているコンテンツでないと意味はない。
少し脱線します。
まず、コンテンツマーケティングの定義は、「=ブログ」ではありません。日本では、コンテンツマーケティング=ブログ=コンテンツSEOという誤認が広まってしまいました。その関係もあり、ここでいうコンテンツマーケティングは、日本風に≒ブログとしています。
ちなみに、コンテンツマーケティングの定義は以下。
Content marketing is a strategic marketing approach focused on creating and distributing valuable, relevant, and consistent content to attract and retain a clearly defined audience — and, ultimately, to drive profitable customer action. (参照:What is Content Marketing? by Content Marketing Institute)
意訳すると、
”コンテンツマーケティングは、明確に定義されたオーディエンスを惹きつけ維持するため、価値、関連性、一貫性を持ったコンテンツを作り届け、結果的に利益に貢献する顧客アクションを生み出す戦略的アプローチのこと”
とあり、「=ブログ=コンテンツSEO」という解釈は一つもありません。
話を戻すと、質問者の方に対して、
「No。コンテンツマーケティング(≒ブログ)よりABM(アカウントベースドマーケティング)のような形にして、セールスイネーブルメント系の資料をガチガチに固める方がいいのではないでしょうか」という答えをお伝えしました。
話を聞くと、田中さん(仮)たちの商材である外国人派遣エンジニアを導入する企業はこんな感じ。
- 日本人エンジニアをすでに十分な数採用
- SaaSを自社開発している企業
- 多国籍展開を行う予定がある企業
一方で
- オフショア開発という選択肢をまだとらない企業
などでないとサービス導入が進まないとのこと(その理由は端折ります)。
想像に難くないのですが、そもそもターゲットになる企業に限りがある可能性が高く。
特に、田中さんがおっしゃられていた「(採用予算の関係で)上場している企業じゃないと難しい」ということから、マザーズ上場の数を調べてみると、315企業(2020年2月段階)。
検索クエリが多種多様で、コンテンツを作ってマーケティング支援をするには、正直美味しいのですが、、2C側(採用希望のエンジニア)との区別が非常に難しく、ブログコンテンツを作る判断が大変難しい。
しかも、根本のお客さん候補が315企業くらい。
そのような状況でしたので、コンテンツマーケティング用のブログ記事を制作し時間をかけて認知を広げるをかけるよりは、決定や検討の対象に入れてもらえるようなセールスイネーブルメント系のコンテンツの方が余程費用対効果が高いであろう、という結論になりました。
もちろんコンテンツマーケティングとの相性の良い商材を扱っている企業も世の中にたくさん存在しています。ニッチであったり、商材の価格が高額でない、顧客対象数が多い(少なくても数千~)、検索クエリが明確に存在している、などです。
まとめ
今日お伝えしたかったのが、ブログ記事に代表されるようなコンテンツも万能ではないというお話。
10年ほど前にB2Bマーケティング界隈で「ソーシャルメディアは絶対にすべきマーケティング手法だ!」のような流行りがあり、サービス会社の口車にまんまと乗ってしまった企業が見事にずっこけていく姿を見てきました。
弊社はB2B企業に対してのマーケティング支援を行い、その軸にコンテンツを置いています。
ですが、私のような立場の人間こそが、ポジショントークではなくブログ記事のようなコンテンツも万能ではないよということをお伝えすることも大切かな、と思い先日の話を記事としました。
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