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ブックカバーチャレンジ 6日目

バトンが回ってきた後、勝手にルールを変えて行っている、ブックカバーチャレンジ。その6日目。1冊のキーブックをチョイスして、ついでにそれに関連する本もいくつかピックして紹介しています。

豊さとは何か

1989年に発売された、豊かさとは何か(暉峻淑子 岩波新書)は、今なお読み継がれる現代社会をアンチテーゼする1冊です。

暉峻先生は特別講演という形で、大学に来校し、講義を聞いたことがあります。
その時の記憶は鮮明で、大学4年間で一番印象に残った講義でした。講義が始まるまで、ガヤガヤしていた講堂は、暉峻先生の話が始まると、誰もがその話に聞き入り、感動して泣く学生もいました。当時は就職氷河期と言われ、先行きが不安な世の中でした(今もそうですが)。就職が決まっても、先が不安な中、暉峻先生の話は、我々学生の心の懐に飛び込み訴えかけ、「悲観することなく、希望を持って生きる」というメッセージが込められた話でした。

自然のレッスン

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豊さとは何かを読んで思うのは、1989年から世の中、日本社会はそれほど進化していないということを思い知らされます。例えば女性の社会進出は当時より進んだのかもしれませんが、だからと言って根本的に日本人が、女性が豊かになったかというと疑問です。
自然のレッスン(北山耕平 太田出版)は2001年に出された本ですが、オリジナルは1985年に出されたものです。“街のなかで自然に暮らしていくためには、忘れてはいけないことがあります“と記載されたものには、21世紀を生きていく上でも必要なことが記載されていますが、現代社会がいかにこの本に記載されたものから、かけ離れているかを思い知らされます。

エコロジー みんなで自殺するつもりなの?

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リウスの現代思想学校 エコロジー みんなで自殺するつもりなの?(リウス 晶文社)は、5日目に紹介したチェ・ゲバラの関連本でもあります。この本はメキシコで1972年で発行され、1982年に翻訳され日本で発売されました。この1冊もまたこの4、50年間、進化していないこと、今も昔も同じ課題があること、課題は解決していないことを知らせてくれます。

地球の上に生きる

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この本も上記のエコロジーがメキシコで出された時と同じ1972年に発刊された1冊です。地球の上に生きる(アリシア・ベイ=ローレル 草思社)は、今なお語り継がれる、自然とともに生きるバイブルとして受け継がれています。今から約50年前に、すでにこういう本が出されていた事は、50年前から今あまり進化していないと思うより、50年前すでに自然とともに生きる術が知らされていたと感謝すべきなのかも知れません。

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