自分の向上心を支えるもの~「マインドセット『やればできる!』の研究」を読んで考えたこと

人間の能力や才能というものは生まれつき決まっているもので、伸ばすことはできないのか。
努力に意味なんて無いのか。

僕の考えとしては、「そんなことないんじゃない」です。

今回読んだ「マインドセット」では、上記のような能力を固定的にとらえるマインドセットを「硬直マインドセット」と呼び、それに対するものとして「しなやかマインドセット」というものを挙げています。

この2つのマインドセットは成功の捉え方が異なります。

能力を固定的にとらえる世界では、自分の賢さや才能を証明できれば成功、自分の価値を確認できればそれが成功だ。一方、能力は伸ばせるものと考える世界では、頑張って新しいことを習得できれば成功。自分を成長させることができれば成功なのだ。

つまり、結果にフォーカスするか、過程にフォーカスするか。

僕は昔から「もっと自分を成長させたい」や「足りない部分を伸ばしたい」と思っていましたが、その源泉がどこにあるのかというのをこの本を読んで改めて考えさせられました。

今回は、この本を読んで考えた「自分の向上心を支えている言葉」を紹介したいと思います。

【今回読んだ本】

●概要
マインドセットとは、経験や教育、先入観などから形成される思考様式や心理状態のこと。ヒトのマインドセットには2種類あり、能力は生まれつきのもので変わらないと考える「硬直マインドセット」と能力は学習によって伸ばすことができると考える「しなやかマインドセット」と本書では紹介されています。自分の可能性を狭めてしまう「硬直マインドセット」からいかに「しなやかマインドセット」へと変えていくのかを多くの事例を交えて説明している一冊です。

母の言葉「下と比べて、どうすんの?」

よくテレビ番組で、めちゃくちゃ太っている人を取り上げる企画があります。そのテレビを見ている時に僕の父がよく言っていたのが、「この人と比べたら、まだ痩せている方だな」。それを聞くと決まって母が返していたのがこの言葉です。

小さい頃からこのやり取りを見ていたので、子供心に「下と比べるのは良くないことなんだなぁ」と思ってきました。大人になった今でも、自分が今の状況や立場、能力に言い訳しようとした時にこの言葉が耳に蘇ってきます。

コーチの言葉「人が怒られている時は、自分が怒られていると思え」

学生時代の部活のコーチの言葉なんですが、この時は僕以外の誰かが監督から注意を受けていました。内容としては「こういう状況になった時に、こういうプレーをするのは良くない」というものでした。その時、僕は「怒られているなぁ」くらいに思っていたのですが、その僕(僕以外も)に向けてコーチが言ったのがこの言葉でした。

人が怒られているっていうのは何かミスをした時で、そのミスというのはいずれ自分がしたかもしれないミスなんですよね。いわば、その人が自分の代わりに怒られているといっても言い過ぎではないと思います。なので、人がどんなミスをして怒られているのかをきちんと聴くことは、今後の自分のミスの回避や今のやり方の見直しにもつながるものだということをコーチは教えてくれたんだと思います。

自分の気づき「嫌な気持ちのし損にどう対応するか」

人から嫌味を言われたり、仕事が上手くいかなかったりした時のあの暗くてどんよりする気持ち。こういう気持ちになった時に僕が考えるのは、「こんな嫌な気持ちのまま過ごすのは、すごく悔しいし悲しいからこの出来事から何か学んでやらないと嫌な気持ちのし損だ」ということ。

その次に考えるのは、自分に「この出来事が自分に教えてくれるのは何だろう?」と問いかけること。そうやって、嫌な出来事を学びに変えて気持ちを切り替えるようにしています。

まとめ

結果にばかりを目を向けていると、「あの人は才能があったから」「あの人は運が良かったから」というような気持ちになってしまいます。

ですが、重要なのは結果ではなく、過程であること。その結果を受けて、どう行動していくのか。そこに目を向けていけば、昨日よりも成長した自分、新たな知識や教訓を得た自分に気づき、成長することが楽しくなっていくのだと思います。

彼らにとって失敗は、教訓を与えてくれるもの、目を覚ましてくれるモーニング・コールなのである。(紹介図書より)