ストレングスコーチングを受けてみて

今年の6月から、ストレングス・ファインダーを活用した3ケ月間のコーチングを受けていました。自分の学びの振り返りと、自分がその3ケ月間で感じたことをまとめたいと思います。

目次
1.受講のきっかけ
2.コーチングを受けて気づいた3つのこと
3.ストレングスファインダーで踏み出す一歩

1.受講のきっかけ

就職してから、その会社の中でのやりがいというものはありましたが、時折、「自分は何でこの仕事をしているのか」「自分が本当にやりたかったことは、これだったんだろうか」という思いが顔を出してきます。最近読んだ本の言葉を借りれば、『何をやっても、どこにいても、何か姿の見えない”化け物”を恐れている』ような感覚に陥ることがありました。そんな思いを打ち消すために、休日には様々な団体のイベントに顔を出したり、NPOのボランティア等に参加したり、自分が好きなことを続けていました。

そんな中、ある時、勧められたのが「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0」でした。

ストレングスファインダーは、この本についているアクセスコードを使い、177問の設問に答えると、34種類の資質の中から自分を特徴づけるTOP5の資質を知ることが出来る診断です。

僕の診断結果はこちら。

これらの結果を踏まえ、自分なりに資質の読み込みや組み合わせ等を考えましたが、どうも上手くいかない…「どうすれば、自分の強みを活かすことができるのか」「自分には一体、どんなことができるのか」。行き詰った僕はネットで紹介されていた、ストレングスラボの「個別セッションを受けることができるコーチ」からコーチングを受けることに決めました。
※僕がコーチングをお願いしたのは、知識さんという方です。(HPはこちら!)

2.コーチングを受けて気づいた3つのこと

①自分の「当たり前」が他の人から見たら「強み」

ストレングスファインダーでの「才能」は、以下のように定義されています。

「無意識に繰り返し現れる思考、感情、行動のパターン」

つまり、自分の考えたことや物事に対する感情、行動パターンが「才能」と呼ばれているということです。そして、「資質」は、その才能の集まりや固まりを表しています。
ストレングスファインダーの診断を受けると、上位5位まで分かりますが、その順番まで考慮すると、約3千万通り。日本でいうと、自分と全く同じ組み合わせの人は3~4人に1人ということになります。上位資質と呼ばれる10位くらいまでいくと、約100兆通り。自分と同じ組み合わせの人は、この地球上に、自分一人ということになります。つまり、自分のような考え、感情、行動をとるのは、自分だけ。圧倒的マイノリティだということです。こう考えると、自分が当たり前だと思っていることが必ずしも相手の当たり前ではないし、逆に自分が普通にできることは、相手にとってはスゴイことだったりするわけです。

僕の資質の1位である「収集心」ですが、中身としては、「いろいろな物や情報を集める」という資質です。正直、どんな風に使っているのか謎だったんですが、コーチングを受けている中で気づきがありました。それは「人から聞かれること・質問されるが多い」ということ。自分としてはそのことに詳しいつもりは全然なくて、以前調べたから覚えていることを伝えているだけなんです。正直聞かれることの中には「調べればすぐ分かるのになぁ」と思うこともあるのですが、「調べればすぐ分かる」、何かを調べたりする動作へのハードルが低いのが「収集心」のようです。

もう一つ、資質の4位である「内省」は「自分の中で深く考える」資質です。「深く考えるってどんなのよ?」と思われる方のために、僕が何かを考える時の頭の中を説明すると、ある事柄に対して、自分の頭の中にいる人たちが、「そういう意見だったら、こういうことが言えるんじゃないか」「そうなると、こういう反論がある」「それだと話が飛んでいる」と『脳内会議』をしている感じです。なので、話す意見が深く、本質的なものが多いそうです。

上記の2つの例は正直、自分にとっての当たり前(普通にやっていること)なんですが、他人にとって価値のあることだったり普通じゃなかったりするそうです。ストレングスファインダーを受けた当初は、「資質というのは、ゲームで言う『伝説の剣』のような特別なもの」をイメージしていたんですが、「すでに自分の手元にある使いこまれたもの」がそれだったんだと気づかされました。

②自分の心配事は自分だけのものだった

僕は作業の締切が近くなると、アタフタしてしまうのをなんとかしたいと常々思っています。そういう時は、頭の中に締切が遅れることによる問題が浮かんできて、「あれはどうなるんだ」「これはどうなるんだ」という思考でいっぱいになります。自分の考えとして、「約束や締切は守るのが普通」で、〆切の延長や「ちょっと期限に遅れました」という考えは自分の頭の中にはほとんどありません。
でも、ちょっと考えてみると、(限度はありますが)約束や〆切を守らない人って結構いるんですよね。それでも、仕事ができたり信頼されている人もいるのが現実です。だからこそ、自分が「こうしなきゃいけない」っていうのは自分の枠の中でしか考えていないことで、本当はそんなことないかもしれない、というのに気づけました。

実際、コーチングでずっと言われてきたのは、「自分の思い込みに気づいたら、それを疑う、逆をやってみる」ということだったんだなぁ、とこの振り返りをしていて思いました。

※コーチング期間中、ストレングスファインダーのセミナーに参加した時、自分の資質に関する話をすると、みんなが「へぇ~」とか「なんで?」みたいな反応をするのが衝撃でした。自分では当たり前と思っていることが、本当に自分だけなんだと、そこで腹落ちしました(笑)
(知識さん、ごめんなさいm(__)m)

③自分の思いこみを緩めること

②にも通じることですが、自分の思いこみが自分の足を引っ張っているというのがよくあります。僕の場合だと、「回復志向」がこの何年か悪さをしていました。この資質を簡単に解説すると、「悪いところを直したい」です。これが自分に過剰に向けられた結果、「いつまでも結果を出せない自分」や「成長していない自分」(これは「学習欲」も混じっている)、「憧れの人たちとの距離が縮まらない自分」ばかりに目がいき、自己否定や自己嫌悪がどんどん強くなっていきました。自分の考え方として、某名作の名言を借りれば、「精神的に向上心のないものは馬鹿だ」というのが常にあって、成長していない自分、理想へ近付いていない自分への焦りや不安が膨れ上がって、どうしようもなくなっていました。

そんな自分から一歩を踏み出すきっかけになったのは、コーチングの終わりに出される宿題の一つだった「自分にとっての当たり前は、どんな風に周りに貢献できているのか、人に聞く」でした。人に聞くのと同時に、自分でも「自分がこれまで褒められたこと」「自分の好きなこと」「自分で長所だと思うこと」を書き出してみました。1~2時間くらいノートに向かっていると、意外にどんどん出てくるんですよ。そうする内に、自分は自分が理想としているような人物になれていなくても他人から褒められていたり、貢献できているんだ、ということに気づきました。理想の自分になれなくても、今のままの自分でも価値がある、ならば、そう焦ることもないなぁと少し自分の思い込みを緩めることができました。

この話をした時のコーチの言葉が印象的だったので、紹介します。
「今がすごいということに気づけたら、あとはプラスアルファになる。どこにスタート地点を置くのかという違い。『今が足りていない』というところに置けば、マイナスからのスタートになるし、『今もすごい』というところに置けば、プラスからのスタートになる」

同時に、自分はよく言われる成功者たちのような不運の生まれや悲劇が無いことをコンプレックスに感じていたんだと気づきました。だから、必要以上に自分を下に見たり、足りない部分を強調して、そういう人たちと並ぼうとしていたんじゃないかなぁと。変な話ですが、「自分も不運だ」と無理に思い込もうとしてたんだと思います。もちろん成功の条件は、「不運の生まれ」「悲劇」に依らないし、ストレングスファインダーを受けてからは、成功の条件は人それぞれ違うということも分かりました。「月と六ペンス」の作家サマセット・モームの名言をもじれば、『成功するための条件は三つある。残念なことに、自分しかそれを知らない。』といったところでしょうか。

3.ストレングスファインダーで踏み出す一歩

上でも書きましたが、ストレングスファインダーを受けることで自分の思考のクセや、他の人とは違う自分の強みに気づくことができます。自分を知るということは、生きる上で本当に大事なことだと思います。

ストレングスファインダーで上位に出てくるのは、今の自分が大事にしている価値観だったり、何かを選択する時の無意識の基準だったりします。今、何か問題を抱えている人は、これらが過剰に反応しているのだと思います。

僕のエピソードを一つ紹介します。
働いていく中、職場内の仕組みに不満が溜まってきたので改善したいと思っていました。ですが、僕は資質的にあまり波風を立てたくないので、そういう方法で「自分に何ができるか」を考えて、あまり相手に迷惑をかけることがない方法を実行することにしました。

一見すると、「改善に向けて行動している」ように見えますが、このやり方って、今まで僕がずっと無意識でやってきたやり方なんですよね(だから資質の上位に出てきている)。今までのやり方でやってきてダメだったから、不満が溜まっているわけで、これだと結局何も変わらないんです。自分は楽な方法を選んで、腹の内では、「自分ができることはやっているから、後は相手が改善してほしい、相手が変わってほしい」って思っているんですよね。それだと楽なんですよ、自分はこれまでと同じで何の苦労もしなくていいから。でも、自分のコンフォートゾーンから飛び出さないと。これまでは、「自分に合った」とか「自分が傷つかない」とか「無理をしない」とかで判断してきたものを、それでもダメだったなら、ちょっとだけチャレンジしてみることも必要になってきます。

こんな時に、自分の現状を知らなければ、何かを変えたくても、どう変えればいいか分かりません。その現状を教えてくれるのが、ストレングスファインダーです。
自分を目いっぱい謳歌して、時にはちょっと自分の枠を一歩外に広げてくれる手助けをしてくれるのが、ストレングスファインダーの素晴らしいところだと思います。

最後に

コーチングを受けている期間、自分とこんなに向き合った経験がこれまでの人生でありませんでした。自分のダメなところとか、イタいところとか、すごいところとか、色々見えましたが割と楽しかったというのが率直な感想です。正直、「自分も悪くないなぁ」と自己肯定感が上がりました。
また、知識さんとコーチングをしていく中で、自分との対話の仕方を学べて、コーチングの日以外にもセルフコーチングをするようになりました。コーチからの問いを受けて話している内に、自分がどう考えているのか分かる感覚があります。例えると、「壁打ち」のような感じです。コーチという壁に自分の言葉が向かって行って、自分から出た言葉について、また考えるというような。自分の思考が言葉として、自分から外に出ることでそれを客観視できるようになるのでしょう。

自分と同じ資質を同じ順番で持っているのは、自分しかいない。つまり、人それぞれ強みが違う。このことで思いだすのが、学生の時にやっていたパワプロのサクセスモード。全部のパラメータがオールAのキャラを作るのはつまらないと感じて、守備は下手だけどパワーがある、バッティングは下手だけど足は速い。そういうどこか突出したキャラばかり作って、一つのチームとして試合を勝ち進めるのを楽しみにしていました。現実も同じで、それぞれが突出した自分だけの強みを活かして、みんなで補い合っていくことが大事なんだと感じました。ストレングスファインダーを受けた方は、ぜひお互いの資質について語り合いたいと思います。

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました!