雑考「きかんしゃトーマスの進化」
子どもが産まれてからというもの、Eテレや子ども向けの番組には大変お世話になっています。その中でも、「きかんしゃトーマスの進化」がすごいなぁと。
私が子どものころのトーマスは、人形劇のように人や機関車の模型のようなものが1コマごとに写り、声優さんがセリフをしゃべるというものだったのが、今はCGに変わり普通のアニメのように表情も変わるし、動きもあるしでものすごい進化を遂げていました。
こういう映像の進化に伴い、失われてしまったものがあります。それはナレーターによる感情の説明です。
それに気づいたのは、ある日トーマスの映画を見ていたときのこと。子どもと一緒に観ているとナレーターの方が「トーマスはとても悲しい気持ちになった」というキャラクターの感情について説明しているのに気づきました。それがひっかかって、その後も注意深く聴いていたらちょくちょく、登場人物が抱いている感情について説明してくれるんです。他のアニメを観ている時に、ナレーションがこんなに入ることなんて無いし、いちいち感情を説明することなんてないですよね。
その理由は、
①人形劇だったので表情で感情を表現することができなかったこと
②幼児向けの番組だということ
かと思います。
1つ目については、普段私たちがしているように「嬉しい」や「悲しい」を表現するのは表情です。それが人形劇だと常に同じ顔なので表情の変化が無く、どういう感情を抱いているか分かりません。
2つ目については、トーマスが幼児向けの番組であり、感情というものについてよく分かっていないということです。ある程度の年齢になれば、この場面でこういうことを言われたらこんな気持ちになるというのは推察できますが、番組のメインターゲットとなる幼児にはまだ難しいかと思います。
これらを補うための、ナレーションでの感情の説明だったのでしょう。
他にも、幼児向けとは思えないほど示唆に富んだ内容の映画もあります。私のオススメは、「きかんしゃトーマス ミスティアイランド レスキュー大作戦!!」です。
【あらすじ】
ソドー島では、事故車や遭難者などの救助と火災の消火活動を目的としたレスキューセンターが建設されていた。レスキューセンターの建物には「ジョビの木」という丈夫な木材が使われている。トップハム・ハット卿は「1番よく働いた機関車に木を運ぶ仕事を与える」と命令を出すが、ディーゼルはその命令を破って勝手に木を運んでしまう。スピードを上げたディーゼルは事故を起こして木を橋から落としてしまうが、ディーゼルはトーマスに救助される。ディーゼルを助けたトーマスは褒美として、イギリス本土から船に乗ってジョビの木を取ってくる仕事を与えられる。ところがその夜、トーマスの乗った艀と船を繋ぐ鎖が切れてしまい、翌朝トーマスが着いたのは、霧に包まれた謎の島「ミスティアイランド」だった。彼はそこで3台の機関車と出会い、トーマスは彼らの力を借りながらソドー島へ帰る方法を探す。(Wikipediaより)
【見どころ】
ディーゼルを助け「正しいこと」をしたトーマス。迷い込んだミスティアイランドでも、自分が思う「正しいこと」を突き進めるトーマスとその結末に、「正しさ」や「正しくあること」について考えさせられます。
子どもにチャンネルを取られてしまって悲しい時もありますが、一緒になって観てみると意外な発見があるものですよね。
まあ、私が何より一番驚いたのは、ナレーターが森本レオさんじゃなくなってたことですが。