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まちづくり団体の代表をやっていました

大学生時代にまちづくり団体の代表をやっていました。だいたい8年前くらいですかね。卒業してからも近くに住んでいるので、ちょくちょく行事に顔を出したり、飲み会に行ったり、たまには学生会議にも顔を出したりしています。
今そこで感じるのは、自分がやっていたころとは環境が変わっていることと、今現役で活動しているメンバーの運営が大変そうだなぁということです。そこで、自分が代表をやっていた時の経験が何かしらの役にたてばと思い、今更ではありますがnoteに書こうと思います。

そういうわけなので、このnoteを読んでほしいのは私の後輩たちなのですが、今学生団体を運営している人にもひょっとしたら役に立つことが書いてあるかもしれないので、そういう人も流し読みしてくれたら嬉しいです。

団体の概要と自分が代表になるまで

まず、私が所属していた団体の概要について簡単に説明しておきます。名前が「学生と地域で考えるまちづくり会(愛称 NeoLos幌北(ねおろすほろきた))」といいます。正式名称が長いのとカタすぎるのとで、新歓のときに苦労するため途中から愛称がつけられました。

Facebookページ: https://www.facebook.com/neolos.horokita/
Twitter: @horokita_neolos

北海道大学近くの幌北地区を活動拠点とし、町内会の方々と地域の行事を運営したり地区内の小中学校と連携してイベントを行ったりという、まちづくりに関する活動をする団体です。構成メンバーは、大学生、町内会、小学校の先生や札幌市の方々です。
2017年で10周年を迎え、学生と地域が連携している好例として様々なイベントへの参加依頼があったり、平成29年度には内閣府「未来をつくる若者・オブ・ザ・イヤー」で内閣府特命担当大臣表彰を受けてたりという、その界隈ではわりとスゴい団体です。(活動をつないでくれた後輩たちに感謝)

私がこの団体に入ったきっかけは、先輩に誘われたから。当時、私は別のサークルに入っていましたが、その先輩がこの団体も兼サーしていたので私も兼サーすることになりました。当時は、「悪いところじゃなさそうだし、なんとなくいいかな」くらいで入ることを決めました。秋田から出てきて知り合いもいない中だったので、顔見知りの先輩がいるっていうのも大きかったかもしれません。

1年生のしょっぱなに入ったものの、もう一つのサークルが忙しくて、幌北の方に関わるようになったのはそのサークルを辞めた2年生の冬からでした。この時から開催されるイベントや会議にはほぼ参加して、さらにイベントの担当もいくつかこなして、出席率でいうとメンバーの中でもトップクラスでしたね。というか、一番出てたんじゃないかな。それもあってか、3年生で副代表、4年生で代表となりました。

この団体に入っていてよかったこと

①地域の人たちに顔を覚えてもらったこと

町内会のイベントや月一の会議に顔を出していると、町内会長さんとか地域の方々にも顔を覚えてもらって、普段町で見かけたときとかも挨拶してもらえるようになりました。この地域の出身ではないのですが、なんか自分の地元よりも地域の方々とつながっているような気になります。自分の地元では道端でばったり会って「これから飲みに行くけど一緒に行くか?」と誘われることなんてありませんから。大学に進学するために来た土地で、地元よりも地元感を味わえるなんて思ってもいませんでした(笑)

老若男女問わず、自分の名前を知ってくれて、呼んでもらえるというのは嬉しいものです。まあ、彼女とデートをしているところを見られて恥ずかしかったという思い出もありますが、それも含めて地元感ってやつなのかなと。

②子どもたちの成長を見られたこと

よく活動の手伝いで呼ばれるところに児童会館があります。そこでは様々な学年の子どもたちが遊んでいます。私は6年間団体で活動していたので、小学一年生の子が六年生になるまで見ていたわけですが、「子どもの成長ってすごいなぁ」と間近で感じてきました。あんなに私のことをイジってきた子が弟の前だとちゃんとお姉ちゃんしていたり、いたずらばかりしていた子が下級生のケンカの仲裁に入るようになったり。そういうのを見ると、「あいつも成長したなぁ」と嬉しく思いました。正直、感動ものです。そういう子どもたちが成長していく過程を一緒に過ごせたことは本当に楽しい時間でした。

③大好きな人たちと出会えたこと

この団体に所属している人だけでも、大学生、役所、町内会、学校の先生と普通の大学生活では関わらないような人たちと活動することができます。加えて、イベントに行けば小学生から高校生、留学生、地域の大人たちと本当に様々な人と出会うことができます。そうした人の中には、本当に尊敬できる人や信頼できる人との出会いもあります。

私個人では、一緒に活動する大学生メンバーやまちづくりセンターの職員の方々、児童会館の館長がそういう方々でした。少ない人数での活動を一緒に頑張ってくれたメンバーはもちろんですが、その活動を優しく支援してくれたまちづくりセンターの方々には感謝しかありません。何も無いときでもふらっと寄って、世間話したり人生相談をしたり飲みに行ったりしたのは本当に楽しかった。児童会館の館長には、子どもと一緒にはしゃぎすぎて子どもたちと一緒に怒られるということもありましたが、「こういう活動ができるところに就職したい」という私の就活についても親身に相談に乗ってもらいました。こういう人たちに出会えたのは人生の財産だなぁと思います。

代表やってるなかで「失敗したなぁ」と思うこと

失敗したことというよりは、後悔したことと言った方がいいかもしれません。いろいろありますが、特に大きかったのが以下の3つです。

①学業との両立

本業は大学生なので、基本的には学業優先という考えで活動をしていました。ただ、地域のイベントはそんな大学生の都合とか関係なく日程が設定されていますので(小中学校の日程は考慮されていますが)、テスト期間中に大きなイベントがあったり、平日でもイベントがあったりと大学生が動きづらいタイミングでの協力依頼はしんどかったです。一部の大人は、大学生は依頼したら協力してくれるのが当たり前みたいな人もいて、「なんで誰も来れないんだ」という電話をいただくこともありました。その時、「みんな授業があるんです!」と反抗的な態度を取ってしまったことは軽く反省しています。当時は所属しているメンバーが10人くらいしかいなかったので、空いている時間や曜日の多様性が全然無かったんですよね。なので、平日のイベントとかは基本私が担当していましたね。授業もそんなになかったし。

地域と大学生の関係をどう捉えるかは重要だと思っていて、私個人としてはあくまで地域に住んでいる方々がメインで、大学生がサブ的なイメージを持っていたので、なんでもかんでもこっちに振るのは違うんじゃないかなぁと思ってました。「大学生が便利屋のように扱われているなぁ」って感じることもありました。お互いの認識のすり合わせとか、できることできないことっていうのはある程度の期間ごとにやった方がいいのかなと思います。お互いが不幸にならないよう、フォローしあって運営できるような体制になればいいなと。

②熱量の違い

自分がめちゃくちゃ活動に参加していて、さらに代表職ということもあって、活動に対する熱量がすごく高かった。それもあって、イベントや会議の出欠をとるときに、返信率が悪かったり参加率が低かったりするのにはかなり悩んでいました。特に大学生のテスト時期のイベントの人集めは苦労しました。テスト時期でもなるべく参加してもらえるように早めに日程を伝えてもみましたが、「テストなんで・・・」と断られる。一度、「テストがあるのは分かってる。だから早めに日程教えたでしょ」って強めの言葉で言ったこともあります。今では反省していますが、その時は早めに言っておけばテストの準備も段取り良くやっておくだろうと思ってたんですよね。他にも個別にメールを打ったりしてましたが大きな効果は無かったですね。そりゃあ、みんなの活動の優先順位が違うからっていう当たり前のことなんですが、あの時は自分一人が頑張っているようで孤独感がありましたね。

「どうしたらもっと活動に参加してもらえるのか」っていうのは、代表時代ずっと抱えていた問題でした。もっとメンバーと話し合う時間を作ればよかったと今では思います。「この活動に参加したきっかけ」とか「活動への思い」とか、なんかそういうマジメな話をするのを私が避けていたので、一方通行のコミュニケーションになってしまっていたのではないかなと。自分のアツさを語ることで、今いる人たちが離れていってしまうのが怖かったんです。そういうことが言い合える環境づくりが必要だったんですかね。

③引き継ぎ

団体自体が私が入る1年前にできたこと、自分がイベントや会議に出まくっていたこともあって、代表になるにあたって自分への引き継ぎは特にありませんでした。先輩たちも普通に活動に顔を出していたので、都度聞けばいい環境だったというのもあります。それに新メンバーもあまり入ってきませんでしたし。そういう環境に甘んじて、しっかりした引き継ぎの制度を作らなかったのは本当に後輩たちには申し訳ないと思っています。会議資料とかイベントの反省資料も全然整理してませんでしたしね・・・

それと、自分ができることは自分でやるタイプだったので、後輩たちにほとんど仕事をふってなかったのも影響したかなと。経験がある人がいるうちに、下にやらせるっていうのが大事なことですね。(かなり当たり前のことを書いていますが、そういうことすらできていなかったんです(笑))

大学生の活動なので、卒業によって必ず一定期間で人が入れ替わっていきます。それだけでなく、今は卒業を待たずにある程度の期間関わったら別の活動に行くっていう人が増えたなと感じます。なので、私のころのように先輩に気軽に聞ける場自体が少なくなっているような気がするので、きちんとした仕組みを作ることが大事だと思います。

さいごに

団体の運営に携わるなかで様々な悩みや問題を抱えることになると思います。私が抱えていたものと同じような悩みを抱える人もいれば、全く違う悩みを抱えている人もいるでしょう。先にも書きましたが、代表や運営をやっているとふと孤独に襲われることもあります。でも、その悩みはこの世であなた一人が感じているものではなく、たくさんの人が通ってきたり今も抱えているものです。だから、持ちきれなくなったら先輩や仲間に相談したり頼ったりしてしまえばいい。私がそういうことをできなかったからこそ、今の人たちにはそういうことをオススメしたいと思います。それに、そんなに悩むということは、あなたがそれだけ活動に対して想いがあるということですし。

大学生という貴重な時間をどれに捧げるか。部活とかボランティアとかバイトとかいろいろありますが、自分の経験から言うと「どれを選んでもいいけど、選んだものに一度思いっきり関わってみる」というのが大事だと思います。どんなことでも、関わった度合いが高いほど得られるものも大きくなります。限りある人生、ステキな時間を過ごしてほしいと思います。