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雨の日に足立美術館へ行ってきた。

ジメジメとした梅雨。

雨の日は家に篭って読書するもよし、ゲームするもよし、映画を観るもよし。

せっかくの休日が雨となると、旅行しようと思った人は少し残念な気持ちになるかもしれません。

しかし雨の日でもわざわざ出かけたくなるようなスポットもある訳でして。

今の季節だと紫陽花だったり。

そしてこの雨の季節に一段と味わいを出すのが日本庭園。


私は高校生の頃に初めて見た日本庭園、建仁寺の大雄苑に感動してからというもの、京都を中心にいろんな日本庭園を見に行っています。


そしてその日本庭園に、アメリカの日本庭園雑誌「The Journal of Japanese Garden」が毎年ランキングを発表しているのですが、発足した2003年から現在まで毎年1位をとっている日本庭園があるのです。

ということは今年が2020年なので17年連続1位…。

この日本庭園のランキングは日本庭園の美しさだけで順位を決めるのではなくて、その庭園の管理や歴史、ホスピタリティなど、様々な面から評価をつけます。


そんな中で毎年1位の日本庭園…。

それが島根県安来市の「足立美術館」なのです!


もう島根の名所としては出雲大社と肩を並べるくらい有名ですね。

私は今から3年前の19歳の頃に訪れたのですが、それまでは京都の枯山水庭園の様な禅寺の日本庭園を主に巡っていたので、この足立美術館の日本庭園を最初にネットで見た時は衝撃を受けました。

そして実際に行ってみると、言葉にできない程に圧倒され、感動しました。


ということでその感動を久しぶりに味わいたいので3年ぶりに行ってきました。

到着。足立美術館は日本庭園で有名ですが、美術館なのでちゃんと作品が展示してあります。

主に日本画で、この美術館の創設者の足立全康さんが横山大観の作品が好きで沢山コレクションしていたので、美術館を建てたそうな。

その横山大観の作品に合うように日本庭園も造ったそうです。

足立全康さんの自叙伝「庭園日本一足立美術館をつくった男」を最近読んだのですが、とにかく凄いです。波乱万丈。この人がどれだけ絵画と日本庭園に情熱を注いだかが分かります。オススメ。


さて肝心の日本庭園です。

館内に入ると早速日本庭園がお出迎えしてくれます。

苔庭です。整えられた緊張感のある白砂と雨でしっとりとした苔が絶妙。この時点でCGでも見てるんじゃないかと思うほど。

魯山人館前の庭園。

案内する足立全康さんの像。


そしていよいよ枯山水庭へ。

ガラス越しです。
座って眺めることもできます。

こちらが枯山水庭。
雨の日に来れてよかったです。
借景の山に霧がかかり風情がより一層でます。
そして庭石は岡山の小坂部川の川石を使用しており、この石は雨に濡れると美しく黒光りします。

白砂は毎朝従業員の方々が箒で整えているんだそう。

それにしてもサツキの刈り込みがキレイすぎる…。
植えられている松も、足立全康さんが日本全国を回って選んできたというから凄い。こだわりが凄い。

作庭は中根金作さん。
大阪の大仙公園日本庭園をはじめ、数々の日本庭園を作庭した昭和の造園家です。

しっとりとした雰囲気と石の側に生えるシダにとても深みを感じます。

喫茶室から。


「生の額縁」

日本画を見ているかのような演出です。
こういう発想を思いつくのが凄い。

「亀鶴の滝」
人工の滝で、横山大観の「那智乃滝」をイメージしているそう。

借景の山に違和感があれば山にまで手入れしに行くそうな。徹底ぶりが異次元…。


さて、先を進みます。

「池庭」
写真暗くてすみません。

青もみじが雨に濡れて良き。


しっとり。


これスマホで撮ったので伝わりづらいですが、生の掛軸です。右上に屋根が入ってるので撮り方下手なのが伝わります。申し訳ない。

こちらの生の掛軸は、床の間の壁を壊して向こう側に見える庭園を1枚の掛軸に見立てています。

全康さんの発想で、当時この床の間の壁を壊して生の掛軸を作りたいと職員に提案したところ職員全員に反対されて、じゃあ自分で壊すと言ってトンカチを持って壊しにかかったそうな。この時すでにおじいちゃん。行動力が凄いです。


「白砂青松庭」
横山大観の白砂青松をイメージして造られた庭で、黒松と赤松を上手く配置しているところが見どころの庭園です。

別世界に居るみたいや…。

これで日本庭園は一通り回った事になります。

この白砂青松庭を見た後に展示室に行くようになってます。

ここで、横山大観をはじめとする日本画家の作品を堪能することが出来ます。

本当に良かったです。
日本画は詳しくないですが、鑑賞するのは本当に好きなのでとてもゆっくりできました。

鑑賞し終わった後は池庭横の喫茶室でコーヒーとチーズケーキを頂きました。

建物が池に浮かんでいるかのような造りになっているので、とても面白かったです。

良き良き。


ミュージアムショップでおみやげを買い、新館で現代画家の作品を鑑賞して、新館の出口から帰るといった感じです。

大変満足しました。
所要時間3時間。


やはり四季を感じれる庭園なので、春夏秋冬どの季節にも訪れたいですね。

帰りに足立全康さんが少年時代に日本庭園にハマるきっかけになった雲樹寺に寄ることに。

足立美術館から車で10分くらいです。

到着!

さて、拝観!させて頂こうと思ったのですが、拝観時間ギリギリ過ぎてて入れませんでした。残念!

足立美術館でゆっくりし過ぎた!


また来ます!


ということで、今回3年ぶりに足立美術館に行けて本当に良かったです。島根県の観光に是非!

鳥取の米子市からも近いのでオススメ。


では!

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