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笑顔溢れる瞬間に憑りつかれている

僕は大学時代、集客6000人規模の学園祭を企画・運営する団体に所属していた。
この学園祭は、MCに芸人さんを呼び、学生パフォーマー(男子チアやストリートバスケなど)が輝くステージ企画をしたり、アーティストさんがライブをしたりする。
学園祭自体はたった3時間。
ただ、その日を迎えるまでにこれでもかってくらい準備をする。

会場を抑えたり、協賛していただける企業を探したり、芸能人や学生パフォーマーに出演依頼をしたり、学園祭のコンセプトや学生ステージの企画内容を考えたり、当日の会場設営や進行、警備、撤収までとあげたらきりがないくらいやることは無限にある。

間違いなく大学生活を捧げていた。

どれだけ寝ないでミーティングして内容を詰めても、みんなで宣伝してチケットを売っても、どれくらい会場が埋まるか、お客さんが喜んでくれるかは当日になるまでのお楽しみ。

この、緊張なのか、ワクワクなのか、不安なのかもわからないくらい全部が混ざり、ぐちゃっとした感情で前日は眠れない。

当日は何もない会場に朝一から機材を運び、いちからステージを設営する。
だんだんとステージが形になるにつれて、急に親近感が湧いてきて。
そう思ってステージを見たら、やっと当日を迎えられる嬉しさと、もう当日が来てしまったという寂しさが込み上げてきて。

「まもなく会場します」のアナウンスの時には、感傷に浸る間もないくらいバタバタしていたけど、なんとか3時間駆け抜けた。

結果として、この学園祭は成功した。

フィナーレの時、出演者を含めて僕たち全員がステージに上がり、お礼の挨拶をする。
その時ステージ上から見た景色、奥まで満員の会場、お客さんの歓声と拍手、笑っているのか泣いてるのかもわからないクシャっとした仲間の顔。

ただ、そこには間違いなく、笑顔溢れる瞬間があった。

仲間と何かを作り上げるのがどれだけ大変で苦しくても、
これでもかってくらいの緊張や不安があっても、
何度辞めたくなっても、
仲間となんとか作り上げていくのが面白くて、
緊張や不安を超えるだけの楽しみやワクワクがあって、
仲間とともに乗り越えた先にはこの上ない達成感があって。

こう思えるのも、学園祭が成功し、そこに笑顔溢れる瞬間があったからに違いない。

僕は完全に、この笑顔溢れる瞬間に憑りつかれている。

過去の話にさかのぼれば、
小学校から高校まではずっとサッカーにのめり込み、Jリーグの下部組織や高校サッカーで全国大会に出場した時だってそうだった。当然、負けたときの悔しさを何度も味わったが、それを上回るだけの笑顔溢れる瞬間も体感した。

もしかしたら、僕が芸人さんのラジオのネタメールに投稿するのも
自分の考えたネタが読まれるかどうかの緊張やワクワク、
夜中にヨッシャーって叫びたくなるくらいの読まれたときの嬉しさ、
そして、好きな芸人さんが笑ってくれている。
これも、笑顔溢れる瞬間があるからやめられないのかもしれない。

社会人になって1年半がたち、それなりに充実しているが、正直なんか物足りない。

言葉の企画に参加したのは、もっともっと自分から笑顔溢れる瞬間を作れるようになるため。

なんだか、この講座に通うときの初心を思い出せた気がする。

#言葉の企画2020 #言葉の企画




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