#61.5薬剤師の南 第二部 登場人物・組織・団体・地域など

このページでは第二部に向け、第一部までで明らかになった情報を含んだ登場人物等の紹介を行います。
第一部を未読の場合はネタバレにご注意ください。
以下、空白改行を挟み、本文が始まります。







☆ 登場人物

・南依吹(みなみ いぶき)  (24・女)
主人公。東京生まれ東京育ちの新卒の薬局薬剤師。幼少期にとある沖縄出身の薬剤師と出会ったことがきっかけで、新人薬剤師として沖縄の田舎町・銘里市の㈱スノーマリン薬局にIターン就職をする。
オタク趣味を持ち、特技はイラストを描くこと。高校時代は半ば漫画研究会と化していた美術部に所属し、山野井美冬と出会ったことでBL同人漫画の作成を始めた。後に依吹の大学時代の同級生の風間桃を加え、同人サークル『spica de trillion (スピカ・デ・トリリオン)』を立ち上げる。

・瑞慶覧恵(ずけらん めぐみ) (24・女)
新卒の薬局薬剤師。大手ドラッグストアチェーン店の㈱ドラッグコーラル・東銘里店所属。北海道の薬学部を卒業。兄が二人いる。
依吹は患者から「自分の上司に元プロ野球選手の瑞慶覧という人物の息子がいる」という話を聞いたが、彼らと恵との関係性は現段階では不明。

・城間千秋(しろま ちあき) (24・女)
新卒の薬局薬剤師。銘里市の㈲イプシロンメディカ いーなざと薬局所属。九州某所の薬学部を卒業。一人っ子。猫を溺愛しているが自分で飼育してはいない。
あだ名は高校時代の同級生である瑞慶覧恵がつけた『シロ』。これは黒猫にシロという名前を付けて呼んでいたことに由来する。

・上原摩耶(うえはら まや) (24・女)
新卒の薬局薬剤師。銘里市の琉星薬局㈱所属。東京の薬学部を卒業。一人っ子。
依吹と同様に、東京出身のIターン就職者である。
また依吹のようなオタク趣味・BL指向も似通っており、イラストサイト『アイアート』にて『とりとり』というアカウント名でspica de trillionのアカウントをフォローし、同人誌即売会にも現れた。

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・當真朋夜(とうま ともよ) (32・女)
㈱スノーマリン薬局に就業する薬剤師。南依吹が卒業した東京の大学のOGでもある。
人当たりや後輩にあたる依吹の面倒見は極めて良い。一方で、元同期である銘里記念病院の薬剤師の糸数岬を相手にすると語気が荒くなる一面もあり、岬とはただならぬ確執が生じている模様。

・呉屋健司(ごや けんじ) (44・男) 
㈱スノーマリン薬局に就業する管理薬剤師。大阪の薬学部を卒業。大阪での学生時代にコミュニケーションの一環として磨いたダジャレを今でもよく使っている。既婚者だが妻とは別居中で、子供はいない。

・新垣瑠花子(あらかき るかこ) (21・女)
㈱スノーマリン薬局に就業するクラーク(医療事務員)。県内の専門学校の医療事務コースを卒業している。

・川満文江(かわみつ ふみえ) (35・女)
㈱スノーマリン薬局に就業するクラーク(医療事務員)。スノーマリン薬局では最古参の従業員。子供が二人いる。

・謝花宗徳(しゃばな そうとく) (57・男)
㈱スノーマリン薬局代表取締役社長の薬剤師。南依吹が卒業した東京の大学のOBでもある。

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・糸数岬(いとかず みさき) (32・女)
銘里記念病院の薬剤部に勤務する薬剤師。病院内の薬剤部では出世頭として期待されている優秀な人材で仕事はストイックな姿勢を崩すことはほとんどない。當真朋夜とは元同期である。

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・赤嶺華子(あかみね はなこ) (40代・女)
ドラッグコーラル東銘里店の調剤薬局の管理薬剤師で、瑞慶覧恵の上司にあたる。
プライベートでは社会人アマチュアバンド『フリップス・フロップス』のベーシストとして精力的に活動している。

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・山野井 美冬(やまのい みふゆ) (24・女)
南依吹の高校時代の同級生で、美術部で出会ったことで二人で同人漫画を作り始める。高校卒業後は専門学校を経て、DTPデザイナーとして就労している。

・風間 桃(かざま もも) (24・女)
南依吹の薬学部時代の同級生。大学は卒業したものの直近の薬剤師国家試験で不合格となってしまった国試浪人生。依吹、美冬に加わる形で友人となり、spica de trillionを立ち上げる。

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・南 薫(みなみ かおる) (18・女)
南依吹の妹。東京都内の大学の夜間部に通う大学生。幼いころから大の特撮好きで、憧れの特撮の出演を目指し、高校時代に芸能事務所のオーディションに合格し、研修生待遇の俳優として所属している。日中はレッスンやアルバイトでスケジュールが埋まっており、俳優としての仕事の実績は皆無に近い。

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・高江洲 美海(たかえす みう) (14・女)
スノーマリン薬局の薬剤師が定期的に在宅訪問を行っている患者。幼少期の小児がんの治療により呼吸器の異常や全身の関節痛が現在も残っている。
ツイッターのアカウントで灰色一色のアイコンや画像を使っており、その画面を偶然見た依吹は「異様な光景」と評した。

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・『あの人』『その人』
南依吹が幼いころ、東京の彼女の実家に短期間住んでいたと思われる薬剤師の女性。依吹はこの女性の名前を覚えていないが自分の家で生活していたことや、彼女が沖縄から来たことは記憶に残っている。だが、依吹の両親は何故か彼女の存在自体を否定している。
スノーマリン薬局に保管されていた十数年前の資料の中から、彼女が映ったとある病院の薬剤部の集合写真が発見されたため、彼女は確かに実在した人物で、依吹と別れた後に沖縄に帰っていたことが明らかになった。

☆ 組織・団体・地域 (医療関連)

・銘里市(なざとし)
本作オリジナルの架空の自治体。那覇市近郊に位置する。過疎が進んでおり、医療スタッフの人材確保に苦心していることから、人材を定着させるためのあらゆる政策を市主導で打ち出している。

・(一社)銘里市薬剤師会
銘里市の薬局の多くが加盟している薬剤師会。薬局間の垣根を超えた合同研修や、災害、感染症等により大量の欠員が生じた薬局に別の薬局から薬剤師を派遣できるような協定の締結など、市からの医療スタッフ定着方針を強く汲んだ活動を精力的に行っている。
薬剤師会の加盟店の多くは会の方針に賛同し、薬剤師スタッフの定着や持続的な研鑽を行えるような体制を整えている。

・㈱スノーマリン薬局
南依吹が就業している薬局。法人として所有する薬局は銘里市の1店舗のみ。創業者は謝花宗徳。『次世代にも生き残れる薬局』という理念の下、在宅患者訪問への参入や薬局内で用いる最新デバイスのいち早い導入など、患者・従業員双方の満足感が高まるような経営を目指している。

・㈱ドラッグコーラル
瑞慶覧恵が就業している沖縄創業の大手ドラッグストアチェーン。全店舗に調剤薬局を併設していることが特徴。 関西以西の地域では大きな市場シェアを占めているが、関東から東北・北海道にかけての店舗展開は競合企業に後れをとっており、急ピッチでの進出を計画している。

・銘里記念病院
銘里市にある市内医療の重要拠点として位置づけられている総合病院。スノーマリン薬局とドラッグコーラル東銘里店はこの病院の門前薬局。

・㈲イプシロンメディカ いーなざと薬局
城間千秋が就業している薬局。創業時期は古く、所有する全6店舗の改装を行った際に社名を現在のものに変更した。従業員からのアイデアを現場に意欲的に取り入れる風土がある企業。創業者の村仲朝晋はスノーマリン薬局の謝花宗徳に対して、年下ながらも敬意をはらっている。

・琉星薬局㈱ 銘里店
上原摩耶が就業している薬局。県南部を中心に4店舗展開。銘里市には1店舗のみで、市の北部に位置する。独自路線と呼べるほどの厳格な薬品の在庫管理などのコスト削減経営は市内の同業者にも広く知られている。


☆ 組織・団体・地域 (医療関連以外)

・ノーズタウン
小売業からプロ野球の球団運営に至るまで多角的な経営を行うノーザンジャパンホールディングス㈱が全国展開する大型ショッピングモール。沖縄県内にも多数の店舗がある。

・ライトセブンズ
現在放送されている子供向けの特撮番組『光彩戦士ライトセブンズ』の通称。虹をモチーフにした七人のヒーローが活躍する番組。

・spica de trillion (スピカ・デ・トリリオン)
南依吹、山野井美冬、風間桃の3人が立ち上げた同人漫画サークルで、主にBL本を作成して同人誌即売会にたびたび参加している。
サークル名は、最後のメンバーの桃が加入した時期がふたご座 (スピカ) の時期の5月下旬だったことと、依吹・桃が通っていた薬学部の学生実験の資料の隅に書かれていた、ごく小さな割合などを示す単位のppt (パーツ・パー・トリリオン) を組み合わせ、「世の中にサークルが1兆 (トリリオン) あったとしても私達は唯一無二のサークルだ」という意味を持たせたもの。

☆ 南依吹の『生薬図鑑』

正式なタイトルは『キャラクターでわかる かわいい生薬図鑑』。某医薬系出版社から薬局や病院の待合室で子供が手に取る本というコンセプトで発売された、図鑑と漫画調のキャラが併載された書籍。依吹が薬剤師を目指すきっかけとなった『あの人』からもらった本。

・桂皮(けいひ)
『生薬図鑑』に掲載されたキャラクターの一人。いわゆる『シナモン』に属する植物が由来の生薬であるせいか、図鑑では明るい桃色の髪やアイドルのステージ衣装を着た、全体的に甘ったるいデザインで描かれている。 依吹の妄想の中ではその出で立ちとは裏腹に、やや口が悪くぶっきらぼうな少女。

・釣藤鈎(ちょうとうこう)
『生薬図鑑』に掲載されたキャラクターの一人。生薬の由来となる植物のカギカズラの棘の独特な形状が髪型や服装に反映されている。 依吹の妄想の中では理知的に物事を観察・推測する少し大人びた少女。

・芍薬(しゃくやく)
『生薬図鑑』に掲載されたキャラクターの一人。生薬としての芍薬は鎮静などの作用があるせいか、今にも眠りこけてしまいそうな可憐な少女として描かれている。依吹の妄想の中では極めてマイペースで、周囲の話にもほとんど流されずにのんびりとしている少女。

・麦門冬(ばくもんどう)
『生薬図鑑』に掲載されたキャラクターの一人。生薬の由来となるジャノヒゲの花や濃紺の実をベースに描かれた、子供のような姿の少女。 依吹の妄想の中では自分や他の生薬仲間に甘える妹分のような少女。

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