わたしがアジャイルを好きな理由〜変化を好む文化とふりかえり〜
この記事は「組織を芯からアジャイルにする」をテーマに活動するコミュニティ「シン・アジャイル」が運営する note マガジン「【ほぼ月刊】シンアジャマガジン Vol.4」に向けて執筆しています。
Vol.4 のテーマは「わたしがアジャイルを好きな理由」です。様々な人が語る理由を知ることで、改めてアジャイルの価値を発見したり、組織の中で二の足を踏んでいる(踏まされている)人達の後押しになればいいな、と思います。
少し自分語りになりますが、自分は「好きな人・モノ」が何故好きなのかをうまく説明するのが苦手だという自覚があります。というよりも「好きであることに理由なんて必要なの?」と思ってしまうタイプの人間です。そんな自分が「何故アジャイルが好きなのか」という問いに、しばらくの間向き合ってみた結論が「ふりかえり」と「変化を好む文化」です。
1. 「ふりかえり」という最強のプラクティス
「ふりかえり」はアジャイル宣言の背後にある原則にも含まれる、アジャイルなチーム(組織)にとって非常に重要な取り組みです。
そのため、スクラムであっても XP(エクストリーム・プログラミング)であっても、アジャイルな(開発)手法であれば、必ず主要なプラクティスとして「ふりかえり」が登場します。1〜4週間に設定されるイテレーション(スプリント)の最後やプロジェクトの節目、場合によっては日々の締めくくりなど、様々なタイミングでアジャイルな人・チーム・組織はふりかえりを行います。
ふりかえりとは「どうすれば我々はもっと前に進めるようになるのか」という、ちょっと冷静に考えるとなかなか骨太の問いに、真剣、そして前向きに向かい合う時間です。1週間のイテレーション(スプリント)で仕事をするチーム(組織)であれば、毎週1時間程度を全員でそれに割く。冷静に考えるとそれって結構すごいことじゃないですか?
日々仕事をしていれば、ポジティブな出来事や気付きだけでなく、ネガティブな出来事や気付きも沢山あります。それらに対する指摘も、アジャイルチーム(組織)であればふりかえりを通じて前向きに・ポジティブに取り組むことができます。
もちろん、そのためにはチーム(組織)に高い心理的安全性が必要となります。ふりかえりがポジティブな場になっていない、というのであればまずはそこから取り組んで行くといいかもしれません。
チームや組織の課題にポジティブに向き合い、日々改善を重ねいていくことができる。それが自分にとってアジャイルなスタイルを好む最大の理由です。
2. 変化を好む文化
ふりかえりを通じて課題に向き合うことができたとしても、その結果自分達のやり方やルール、計画を変更していくことができなければ何にもなりません。
しかし、多くの組織では長い時間を過ごしたり、大きくなりすぎることによって、段々変化を嫌うようになる傾向があるようです。また、そもそも人間には「現状維持バイアス」というものがあり、そもそも変化を避けがちである、とも言われています。
しかしアジャイルなチーム(組織)は違います。例えばスクラムでは、組織の活動が可視化されることで透明性が担保され、それによって検査が可能となり、検査の結果変えるべき(変える価値がありそうな)何かがある場合は変更を加えて適応することを三本柱と呼び、重視しています(参考:スクラムガイド 2020 日本語版)。
「やり方を変えたらもしかしたらうまくいかないかもしれない」という恐怖がないわけではありません。しかし、次のイテレーション(スプリント)期間だけちょっと試してみて、もし明らかにうまくいかなかったら次から元に戻せばいい。そのプロセスを繰り返し体験することで、チーム(組織)は変化が好ましいことである、と自然に学習していきます。
原則や価値観、プラクティスを通して変化に強いチーム(組織)になっていく、変化することが当たり前になる。そんな「アジャイル」のことが自分は大好きです。
最後に(宣伝)
冒頭でもお伝えしましたが、この記事は「組織を芯からアジャイルにする」をテーマに活動するコミュニティ「シン・アジャイル」が運営する note マガジン「【ほぼ月刊】シンアジャマガジン Vol.4」に向けて執筆したものです。
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