大谷 省悟

クリエイティブチーム301代表 → www.301.jp 301のnoteもあります…

大谷 省悟

クリエイティブチーム301代表 → www.301.jp 301のnoteもあります → https://note.mu/301inc

マガジン

  • 301

    301という組織が描く理想と日々の取り組みについて。

最近の記事

36歳の体調

今にも雨が降り出しそうな曇り空の日曜日、36歳の誕生日を迎えています。 どんな気分かを率直に表現するならば、体調が良くない、です。 それに対して特段ネガティブな印象はなく、「ああ、自分らしいな」というシンプルな感情が一瞬生まれて、すぐ泡のように消えていきました。 矛盾するように聞こえるかもしれませんが、ここ数年で変わったことと言えば、健康に対する向き合い方であり、自分自身の体との付き合い方は、年々確実に上手くなってきているという実感もあります。 もともと体力的にはタフ

    • 人生は確率のゲーム

      中学時代に所属していたバスケットボール部の先生は、その鬼のような厳しさで他校からも恐れられていた。真夏の体育館で、水も飲めずに何時間も走らされつづけ、みんな隠れて吐いていたし、だいたい毎日殴られていた。 そんな先生が、耳にタコができるくらい繰り返し言っていたのが、「バスケットは確率のゲームだ」という言葉だった。当時は、それより水を飲ませてくれ!という思いしかなかったけれど、今ならばその言葉の意味がわかる気がする。 バスケットボールというゲームでは、どれだけ血の滲むような練

      • 組織を融解させたらクリエイティブの未来が見えてくる。 さよなら2018年(的人々)。

        組織という枠組みを融解させ、人々の創造性とビジョンを自由意志によって接続していく。それはクリエイティブチームからプラットフォームへと舵を切る301が現在推進している大切なテーマのひとつである。 301では、今年の後半から各案件において、そのプロジェクトのビジョンに共感できるメンバーを301の内外から集めたハイモチベーションチームを結成するように意識し始めた。「仕事だからやっている」という人や、「自分は◯◯のプロフェッショナルだからやっている」という人々をチーム内になるべく生

        • D2Cから考えるクリエイティブエージェンシーの終焉とNEWクリエイティブ組織

          4年前に立ち上げた「301」という会社は、一般的にクリエイティブ・エージェンシーと呼ばれるモデルに近い形で事業を伸ばしてきた。創業期に模索して辿り着いたひとつの答えは、既存の価値を手を変え品を変え魅力的に見せるようなプロジェクトが多い広告の仕事をやめて、新しい価値や事業を0から生み出していくようなプロジェクトにフォーカスしてクリエイティブ面でコミットしていくというものだった。 これまでクリエイティブ業界で新しい会社を立ち上げる場合、大手広告会社や有名デザイン事務所で大企業の

        36歳の体調

        マガジン

        • 301
          4本

        記事

          方程式サンフランシスコ→解法ポートランド→結論東京

          <イントロダクション>301としては毎年恒例となった二週間の夏季休暇を利用して、来年スタートする新事業視察を兼ねてアメリカ西海外はサンフランシスコとポートランドを巡る旅をしてきたので、そのレポートをまとめておこうと思う。 都市や文化の話とは別に先に書いておきたいのは、二週間という、クリエイティブ業界的には結構な超長期休暇(IT系だと割とあるのだろうか?)を個々がどうデザインするのかが結構重要であるということ。これは301のメンバーになると年に一度、必ず向き合わないといけない

          方程式サンフランシスコ→解法ポートランド→結論東京

          名前と人生の関係性を巡るクロニクル

          30歳を過ぎる頃まで、「省悟」という自分の名前に対して良いイメージを持っていなかった。 意味は、省(かえり)みて悟る。常に過去を振り返って学べ、と言われているような気分と、実家の保守的な姿勢が重なり、その名前が、リスクを追ってでも未来へ一歩踏み出そうとする意志から自分を引っぺがしてリスクのない安全地帯へと引きずり戻すような、あるいは「お前は特別じゃない人間だから普通に生きること」という刻印を肉体に押されているような、そんな世界観の中で自分の名前を捉えていた。 小学生時代に

          名前と人生の関係性を巡るクロニクル

          思考の連鎖とイノベーションの因数分解

          コペンハーゲン出身のヤン・ゲールという都市デザインの巨匠に興味を持った。 彼の話をYoutubeでみていて、なんかいいなと思ったので、こういう発想をしている人は他にもたくさんいるのだろうけれど、なぜ彼がいいと思ったのかを考えてみた。 たぶんその違いは「コンセプトがわかりやすい」ということなのかもしれない。建築や都市デザイン界隈の方々の論は概してわかりにくいから余計に際立つというか(この問題への鋭い考察は、嶋田洋平✕藤村龍至の対談Youtubeがとても面白かったし他業種にも

          思考の連鎖とイノベーションの因数分解

          部分最適の功罪

          部分最適で一生懸命行動して高いクオリティを出しても、人々が幸せになるとは限らない。あるいは部分最適で人を幸せにしても、社会全体としては逆に害になることさえある。 大切なのは、社会全体にとって自分のアクションの意義は何かという大局的視点を常に持ちながら、部分や局所においても一生懸命向き合うことで質の高い成果を発揮していくということ。 根性論的な日本の慣習と、ビジョンと論理で行動するアメリカ人の違い。ものごとをどういうスケールで捉えるかというのはその国の文化にも依存する。例え

          部分最適の功罪

          人生のレシピを組む

          飲食の世界の人々と仕事で関わるようになるまでは、彼らの仕事はお店の営業中がすべてだと思っていた。 しかし実際は、事前に考え抜いたレシピを、考え抜いたオペレーションで、いかに営業時間中に実行するかという考え方が重要であることに気付く。それはアスリートにとっての練習と本番の関係性にも近いような気がする。 僕たちが扱っている企画やデザインという仕事も、つい依頼を受けたものにどう返すかがすべてだと思ってしまう。しかしそれはバッターボックスに立ってからどう打ち返すかだけを考えている

          人生のレシピを組む

          ほぼ北欧旅行記<コペンハーゲン篇>制約×プライド×チームが創造性を爆発させる

          二つ目の目的地は、デンマークの首都コペンハーゲン。 アムステルダムからコペンハーゲンへは鉄道で半日掛けて移動。ハンブルクでトランジットだったので、オランダ→ドイツ→デンマークと国をまたいだことになるけれど、EU圏だからなのか鉄道で国を越える時にパスポートチェックは特にない。こちらでは「国境」という概念がだいぶゆるいのかもしれない。「国境」とは何だろう、と考えさせられてしまう。 <コペンハーゲンの食の現在地点> この街での視点はもちろん「食」。「noma」が世界一のレストラ

          ほぼ北欧旅行記<コペンハーゲン篇>制約×プライド×チームが創造性を爆発させる

          ほぼ北欧旅行記<アムステルダム篇>「新しい何か」のない街での「新しい発見」

          アムステルダム、コペンハーゲン、オスロ、ヘルシンキと周る「ほぼ北欧旅行」の最初の目的地は、オランダの首都アムステルダム。 街中を網の目状に運河が流れ、水と地面の高さがとても近い。生活の風景は常に運河とともにあり、いつも水の流れを眺めているせいか、この街の人々はとてもユルい。カッコつけようともしないし、何かに追い立てられることもなく、自分たちのペースで淡々と生活している。 他人にどう見られるか。自分をどうプレゼンテーションするか。そんなことを考えている人はあまりいないのかも

          ほぼ北欧旅行記<アムステルダム篇>「新しい何か」のない街での「新しい発見」

          301が2週間の夏休みをとる本当の理由

          2週間の夏休みに入る前に、やり残している大きな課題と向き合うことにした。その答えは最後に明らかにするとして、そもそも301がなぜ2週間の夏休みをとっているのかという話をしたいと思う。 今年の9月で創業3年を迎える301は今、予算数万円の案件から数千万円の案件まで、まだ誰も知らないベンチャー企業の案件から誰もが知っている有名ブランドの案件まで、そして誰にも頼まれていないのにやっている案件まで、常に10個前後のプロジェクトが動いている(しかもできるだけすべての案件に同じレベルの

          301が2週間の夏休みをとる本当の理由