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[将棋]9筋位取りからの四間飛車戦法。AIさんに対策を聞いた結果が衝撃的だった。

 今回は早々に9筋の位を取る振り飛車戦法について、AIさんに対策を聞いてみました。居飛車が先手番として、後手は飛車を振る前に早々に△9四歩と突いてきます。受けると居飛車にされるかもしれないし、位を取られるのも気に食わない、ということで、中々悩ましいですよね。

 なお、今回も評価関数は「Hao」を使用させて頂きます。テーマ図は以下とします。

 初手から
▲2六歩 △3四歩 ▲7六歩 △4四歩 ▲4八銀 △9四歩 ▲2五歩 △3三角 ▲6八玉 △9五歩 ▲3六歩 △4二飛 (テーマ図、評価値も併せて表示)

テーマ図と評価値。何の変哲もない序盤に見えるが、評価値は既に+200越え。

 先手が△9四歩に対して▲9六歩と受けないのであれば、▲6八玉、▲3六歩あたりで、居飛車にも振り飛車にも対応できるようにしておくのがいいでしょう。後手の方も、先手がそのように構える以上はさっさと△9五歩と突く方がいいと思われます。

 問題は△4二飛の場面。ここはまだ飛車を動かさず、△3二銀などする方が勝るようです。△4二飛の局面で既に評価値は+200越え。いったい何が起こるのでしょうか?先を見ていきましょう。

 テーマ図から
▲3八飛 △3二銀 ▲3五歩 △同歩 ▲同飛 (途中図)

途中図。いきなり▲3五歩から仕掛ける。狙いは意外なところにある。

 ▲3八飛からいきなり▲3五歩と仕掛ける手が推奨のようです。一見大したことがないように見えますが、実は意外なところに狙いがあります。後手の対応としては△6二玉か△4三銀くらいかと思われますので、順に見ていきます。

 途中図から
△6二玉 ▲9六歩 △同歩 ▲同香 △同香 ▲3四歩 △2二角   ▲9五飛 △9三歩 ▲9六飛 △7二玉 ▲3六香 △5二金左    ▲3七桂 (結果図①、評価値も併せて表示)

結果図①と評価値。どうやっても▲4五桂が受からない。先手はすぐに攻めてもいいし、▲5八金右や▲7八銀とためてもいい。

 先手の狙いは何とここで▲9六歩の反発!△同歩▲同香に△9三歩などと謝るのでは何のために位を取ったのかわかりません。勢い△同香として、▲3四歩から▲9五飛として香車を回収します。

△7二玉のところで一旦局面が落ち着いたように見えますが、▲3六香が滅茶苦茶にいい手です。この手は3二の銀を釘付けにして(動くと▲2四歩△同歩▲2三歩)、▲3七桂~▲4五桂の活用を目指す意味です。結果図は▲4五桂が受からず、はっきり先手良しです。

 3二に銀を置いたままだと▲3六香と打たれてしまいました。そこで、途中図で△4三銀と上がることにしてみます。

 途中図から
△4三銀 ▲3四歩 △2二角 ▲9六歩 △同歩 ▲同香 △同香   ▲2四歩 △3二金 ▲9五飛 △9三歩 ▲2三歩成 △同金 ▲9六飛 △3四銀 ▲9四歩 △同歩 ▲9三歩(結果図②、評価値も併せて表示)

結果図②と評価値。2筋も絡めて2歩入手するのが急所。端に手をつけて有利。

 △4三銀とされた場合は2筋が手薄になるので、今度は▲2四歩を絡めるのが急所になります。△同歩は▲2三歩があるので△3二金が普通の対応ですが、2筋で歩を入手したことで最後▲9三歩のタレ歩が打てます。△同桂なら▲9四飛~▲9五飛でいいですし、△9五香のように受けても▲8六飛で飛成が受けにくくなります。結果図②は+300弱で先手有利です。

 というわけで、早々に9筋の位を取ってから飛車を振る指し方について、AIさんに対策を聞いてみました。AIさん的には飛車を3五に移動してから
▲9六歩!と反発するのが推奨とのことです。ぜひご活用下さい。

 それでは読んで下さり有難うございました。引き続きよろしくお願いいたします。





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