苦境から生まれた戦法③

前回の続き

香落ちに新たな武器を手に入れた僕は、早速奨励会の実戦で「▲3六歩戦法」を試しました。

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▲3六歩を着手した瞬間、相手の方は怪訝そうな顔をします。そのまま長考し、△3三角▲1五歩△4二銀▲1八飛△1二飛と進行しました。

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下手の端攻めを受ける事に成功はしましたが、△3二飛と指してから△1二飛と回っているため上手は手損しています。その上、通常の香落ち上手△1二飛戦法(いまやこの戦法の名前を知っている方も少ないかと思います)に比べて下手が2筋の歩を保留できているため▲2五桂と跳ぶ余地が残っています。下手作戦勝ちでしょう。

「▲3六歩戦法」のデビュー戦は快勝に終わり、確かな手応えを感じたものです。


まだ周りの奨励会員達にも知られていないということもあり、対策などもされずしばらく勝ちまくりました。 やはり前回の記事のように▲3六歩に△3五歩を仕掛けてくれるパターンが多かったですね。

次回は▲3六歩戦法の攻防と対策について書いてみます。


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