野良犬の意地

分かっていたことだが、俺は本当にしょうもない奴だ。
とにかく自分に甘い。自分で一番よく分かってるし、同い年で三段リーグのトップを走るアイツや同期の面々達と比べるのは今となっては凄く失礼ですらあるが、一番燃えてなければいけない時期に自分を甘やかし、気付いたときには将棋が壊れて勝手に人生を無駄にしてきた。
今更になって、自分にまた甘えてもう一度だけ、泣きの1回で将棋を頑張る時期を設けさせてもらった訳だが、やはりブランクを感じている。

ここ最近の自分の将棋の自覚症状として、秒を読まれると直前まで考えていた手順や読み筋が突然読めなくなり、パニックに陥ることが非常に多い。1分将棋はともかく、30秒将棋だって修業時代にいくらでも指してきたし、奨励会を辞めてからなら、むしろ30秒の方が慣れているだろうに。これが今まで自分を甘やかしてきたツケなのか。
実は、とあるプロの先生に数日後にネットでVSをしてもらう約束をしている。当然、事前準備はしているし、不慣れな状態でクリックミスして台無しにするわけにもいかないので24を2月以降毎日やっているが、絶不調だ。今と昔ではレーティングの相場は違うとはいえ、現役の時は「2600切ったら人間以下」とまで豪語していたにも関わらず今となっては2600を切りそうだ。なんと情けない。パニックになってくだらない逆転負けばかりする。

今日に至っては自分的にあってはならない逆転負けを2発連続で喰らった。めまいがする。

2月以降の自分ルールとして紙タバコの禁煙と、大好物のカフェインを16時以降摂らないよう徹底してきたが、今回だけは無礼講、もう無理だ。。。そう思ってこのnoteを書き始める小一時間ほど前に外に出た。

1週間ぶりに赤のマルボロに火をつけた。相方には好物の缶コーヒーを寒空の下の公園で、ゴッドファーザーのテーマを流しながら。
紙タバコ吸ってないとはいえ、加熱式のはやってるんだからそれって禁煙って本当は呼べないじゃないすかって自分でツッコミを入れてみてはいるが、結局は自分をまた甘やかしたに過ぎない。空しい寒さの中で吸ったマルボロは不味かった。

いつまで自分と闘っていられるのか時に心配になることがある。自分の人生、情けないことばっかだけど、俺の中にいるエミネムやアポロ・クリードが怒っている。
「お前なんかに全盛期なんか無え、思い上がんなよ」って言ってる気がする。
名前は出さないけど、いつもいつもアイツやアイツやアイツに勝つために野良犬なりに噛みついて、その内どっかに牙を落っことして、負け犬になっちまってよ。やられっぱなしで終われるかよ。社会人失格だが、今の俺が一番ハングリーな気持ちになれるのが将棋なんだ。やれることやってくしかねえよな。

R.I.P Carl Weathers
"There is no tomorrow !! "


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