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【ふるえるぞ】ジョジョミュを観劇した【ハート】

原作のジョジョにハマって、心と生活が豊かになりほくほくしていた昨年。そんな中で舞い込んできたのは、ジョジョミュージカル化の朗報だった。
それはもう飛び跳ねて喜びました。しかも帝国劇場!期待しないはずがなかった。取ったチケットは2日分、どちらも友人を引き連れていくこととした。

開幕数日前になって、突如として数公演が潰されたことには非該当日ながらショックを受けたし、怒りも覚えた。まさかの準備不足で、なんて理由が通るなんて思いもよらなかったから。
それに関して色々と言いたいことはあるが、ここに書き残しておきたいことはそのような暗い話題についてではないので、以降はミュージカルの内容について言及していこうと思う。
私は原作1部ではディオが好きなので、ディオ贔屓の感想にはなるだろう。

1日目

・舞台のセット
客席に足を踏み入れて、まず目に入る舞台上に設置された大掛かりなセットに胸が躍った。舞台上の中心に据えられた、異様に大きくて円形・ドーナツ型で斜めに角度のつけられた不思議なセット。
これ、回るのかな?人もこの上で走り回ったりするんだろうか…なんて、この舞台装置の使われ方について連番の友人と開演前にひそひそ話したりして、幕が上がるのを待った。


・物語の内容
◎幕が上がり、まず掴みの部分。個人的に、この部分で強く惹きつけられないとその後の観劇の多幸感が全く違うと考えているので、ジョジョミュの掴みはどんな感じだろうと期待していた。
結論。圧巻であった。
怪しげな色合いのライトに照らされて、舞台上にはアステカの民の生きる姿がくっきりと浮かび上がっていた。あまりにも鮮烈で、一種の暴力であったといえる。荘厳な音楽が心を掻き立て、ここから始まる物語があることに興奮を覚えた。
もう既にこの時点で満足さえ覚えてしまって、序盤でこんなにも猛烈に観客の心を掴むことができるのであれば、公演が終わった後の喜びは計り知れないだろうと確信した。


◎私の中で、ディオの声はやはり子安さんである。それは私だけではなく、多くの人がそうなのではないだろうか。だから、公演前まで「宮野真守、どんな感じでディオを演じるんだろう?」と一抹の不安を覚えていた。この不安は宮野さんに対してではない。ディオの声のイメージを固定されてしまっている私が、解釈不一致を起こしてしまわないだろうか、という不安である。
結論。杞憂であった。
最高のディオが、舞台の上に存在していた。麗しく、艶やかで自信に満ち溢れた声が耳に届き、宮野さんの長身や指先まで細く長い手が、ディオの磨き上げられた気品を最高潮に高め上げていた。
宮野さんの演じるディオの台詞で、個人的に高まったものがいくつかある。

→まず、「ジョジョとキスはしたのか?…まだだよな?初めてのキスの相手はジョジョではない…このディオだ」である。この時、原作のディオの声色は他者を貶めようとする高圧的なものであったと解釈している。それに対して、この場面でのミュージカルでのディオの声色はあまりにも色気が漂っていた。エリナを堕とそうとするエロティックを感じた。3部で「妖しい色気」とアヴドゥルに評されたディオの性質を、ここで表現してきたその技量に震えた。

→次に、「貧弱貧弱、頸動脈🎶」である。ここは台詞というよりも歌詞であったが、あまりの軽快なリズムについついクスリと笑ってしまった。ディオが吸血鬼になった後の歌であり、シリアスな場面ではあるのだがどうしてもにやけずにはいられなかった。人間を超えられてハッピー🎶なディオの高揚が伝わってくる歌詞でとても良いと思う。

原作のディオは、野心に心を燃やしながらも気品があり、自信家で強い自我のあるように描写されていたと私は思っている。
対して、ミュージカルのディオは気品があるところは原作と同様でありながら、そのほかの部分はかなり違った一面を見せているように感じた。実の父であるダリオの呪縛に、常日頃から苛まれ苦しめられている様子が強く描かれていたと思う。ディオが行動を起こすと、大体ディオがフラッシュバックを起こして舞台上の暗がりからダリオの亡霊が「ディ〜〜〜〜〜〜ォ〜〜〜〜〜〜」「聞こえてるか俺の声が」と、まるで地獄の底から這い上がってくるかのようにおどろおどろしく現れる。ディオの周りをぐるりと囲みながら、低い声で歌い上げてくる。
ディオの精神を圧迫していくその様子に、息を呑んだ。ディオの心の暗部や、弱いところにフォーカスを当てた演出だった。

宮野さんの歌はこれまで聴いたことが無かったのだが、今回初めて聴いてその美声に脱帽した。宮野真守が歌い始めたら、ヨッ!待ってました!ってわくわくしたものね。

◎エリナ………歌がうますぎる………!聴き入ってしまった。清水美依紗さん、これまでお名前の方存じ上げなかったのだけれども……とても良い…!
ソロでの歌も、ジョジョとのデュエットもうっとりとしてしまうくらいだった。「エ〜リナ🎶」「ジョ〜ジョ🎶」の美しいやり取りを聴くだけで心が甘やかでぽかぽかした気持ちになった。ジョジョとエリナのデュエット曲、滅茶苦茶好きです。
エリナの初登場シーン、悪ガキに帽子を取られてしまって「返してよ!」と喋ったあの瞬間から、本物のエリナが目の前にいると思って涙腺にグッときてしまった。可愛くて、美しくて……好きだ…。グッズにブロマイドが出ていたら絶対に買っていた…。
そしてそして、ジョジョとエリナの身長差がもう本当に大好きだ!身長差にときめいてしまった…。何センチ差でしょうか…。ジョジョがエリナを抱きしめたらもうエリナが見えなくなります。ちっこいし、大きいし…可愛い二人……。

◎ジョナサンは、松下さんver.も有澤さんver.も見れて満足でした!
13歳の時の、紳士になろうとする気概をより強く演じていたのが松下さんのイメージだった。ジョナサンの冷静な一面を見せる演技だったように思う。
対して、同じく13歳の時の、幼さを強く演じていたのが有澤さんだったなあというイメージ。元気いっぱい!いや、個人の感想です。
どちらのジョナサンもとても良かった!二人が、同じようなジョナサンを演じるのではなく重視しているであろうポイントや、また無意識に醸し出される雰囲気が松下さんだけの、有澤さんだけのジョナサンを形成していた。ダブルキャストの醍醐味を存分に味わえたと思います。
松下さんに関しては、ツェペリにアドリブで絡まれた時の反応が可愛くてニコニコした。「ジョジョジョジョ。どうしたんだろうみたいな顔をするんじゃ無い」と言われている時の頭の中にクエスチョンマークがたくさん浮かんでいるであろう表情が困惑とも無表情とも判別のつきずらい微妙な塩梅で可愛らしかった。
有澤さん、カーテンコールの時に喋り出すのちょこっとだけもたついてて可愛かった。ほら話すんだよ、みたいな感じで隣にいた宮野真守に急かされていて、仲良しが滲み出ていて素敵だった。

◎ツェペリは廣瀬さんの回を観た。かなりイケオジで、私は目が離せなかったです。連番した友人も、終演後に「ツェペリさんさぁ〜…」と非常にご満悦な感じで話しかけてきたので、廣瀬さんの演じるツェペリから得られる満足感は計り知れない。
波紋について教える時の曲も良かったなあ。あそこが好きなんですよ、「スッハァ~…スッハァ」ってリズムとるところ。華やかで綺麗な曲だったね。エリナにも思った事だけど、ブロマイドがグッズになってたらツェペリも買ってたよ……。

◎スピードワゴン、唐突にラップを始めるものだから驚いた。よく聴いてみると「レペゼン」とか「a.k.a.」って言ってた。ゴリゴリにラップしてる。最初はラップ…?って怪訝な顔しちゃったけど、徐々に慣れてきて作中の中で一つのスパイスのような役割を担っていると理解した。なので、1回目の観劇で困惑した部分も2回目の観劇ではスピードワゴンのラップ曲を心待ちにするように。遊び心があって良かった。「光と闇、明かり暗がり…」の部分がかなり好き。

2日目

・音楽について
観劇から少し経っても、いまだに耳の奥に残っているくらい印象深い曲が盛りだくさんで最高に楽しかった!
好きな曲は「ディオとの青春」「揺れる時代、路地裏の闇」「引き合う星」「ディオの世界」「炎と水」あたりですかね…。ディオの曲の割合が高いけど、まあ私はディオ推しなのでね。
歌詞の中に、「俺の背中にはいつもお前がいた」ってあったりするんですけど、もう聴いた時震えちゃいました。一般的な青春では無い、絡まり合った二人の複雑な縁を如実に表してるなあと感じる。
「こんなはずでは、俺の人生」って歌詞もあって、ディオのやるせなさが伝わってくるようで苦しさも覚えた。この後普通に復活するんだけれども。(おそらくこの二つの歌詞はどちらも「ディオとの青春」の歌詞だと思われる。)
「なあジョースター、お前はその手に太陽を持っているんだろう」みたいな歌詞も泣いちゃうかと思った。ディオが手にすることのできない太陽、いつか吸血鬼となって目を背けることとなる太陽…その眩しさ……。(曲のタイトルは「ディオ」…。)
CD欲しいけど、出るなら円盤に付属される感じかなあ。どんな形でも構わないので、CDでもサブスクでもなんでも何卒よろしくお願いします!

◎個人的に感動したのが、最終バトルでの演出。
物語序盤でのセリフ、やり取りの回想シーンがあったのだ。ディオとジョナサンが激しく戦っている中、舞台上の彼方此方にスポットライトが当てられる。そのスポットライトの下で、二人は二言三言、あの青春の中で交わした会話を再現するのだ。(例えば、序盤ディオの吐いた「僕は一番が好きだ、ナンバーワンだ」なんてセリフが聞こえてくる。)ドラマチックに、流れるように。観客の頭の中でも、一気にその青春が早送りで再生された。こんなのずるい、と思った。こんな演出、好きに決まってるじゃあないか………。

本当に素敵だった。
今後も、2部や3部と続いていってほしい気持ちが強くある。
叶うと良いなあ。5部とかとても映えそうです。

岸辺露伴、ジョジョミュへ行く

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