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第30期銀河戦決勝トーナメントの展望

銀河戦は、パラマス方式の本戦トーナメントを8つのブロックに分かれて行い、各ブロックの最終勝ち残り者と最多勝ち抜き者の16名が決勝トーナメントを戦います。今期は本戦トーナメントが終了し、決勝トーナメントの組み合わせが発表されましたので、状況を確認しておきたいと思います。

日本将棋連盟HPから引用

今期は8つのブロック中7つのブロックで、第一シードに相当する最後に登場した棋士が最終勝ち残り者となりました。唯一最後に登場した棋士が敗れたAブロックも、第二シードに相当する佐藤天彦九段が最終勝ち残り者なので、今期は比較的順当に実力者が勝ち残ったと言えそうです。前期優勝の菅井竜也八段や、3人のタイトルホルダーも当然のように決勝トーナメントに駒を進めています。

一方最多勝ち抜き者は、例年好調の若手が数多く残りますが、今期はベテランや中堅クラスの棋士が多く残っています。1回戦は、最終勝ち残り者と最多勝ち抜き者の顔合わせとなりますので、どれだけ下剋上を起こすことができるのか、期待しつつ見守りたいと思います。

それでは、ブロックごとの状況も確認していきましょう。

一番左のブロックには、最終勝ち残り者として藤井聡太竜王と永瀬拓矢王座が、最多勝ち抜き者として中村修九段と渡辺和史五段が入りました。2人のタイトルホルダーが入る超激戦区となっており、ベスト4の有力候補は藤井竜王ですが、若手の渡辺(和)五段がどこまで食い下がれるか楽しみにしたいと思います。

左から二番目のブロックには、最終勝ち残り者として豊島将之九段と糸谷哲郎八段が、最多勝ち抜き者として村田顕弘六段と星野良生五段が入りました。ベスト4の有力候補は豊島九段ですが、早指しに定評のある糸谷八段にも十分チャンスがあると思います。

右から二番目のブロックには、最終勝ち残り者として渡辺明名人と佐藤天彦九段が、最多勝ち抜き者として飯島栄治八段と西田拓也五段が入りました。ベスト4の有力候補は前期準優勝の渡辺名人ですが、早指しの朝日杯でベスト4の経験がある西田五段にも期待したいと思います。

一番右のブロックには、最終勝ち残り者として菅井竜也銀河と広瀬章人八段が、最多勝ち抜き者として高見泰地七段と大石直嗣七段が入りました。ベスト4の有力候補は前期優勝の菅井銀河ですが、今季好調の広瀬八段にも十分チャンスがあると思います。

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