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ABEMA師弟トーナメント2022 予選Aリーグ1回戦第1試合

11月26日、いよいよABEMA師弟トーナメント2022が開幕しました。予選Aリーグ1回戦第1試合は、いきなり前回大会決勝カードのチーム鈴木「Twin Turbo」とチーム畠山「熱風」の顔合わせとなっています。

一局目:梶浦宏孝七段 vs 畠山鎮八段

開幕戦は、前回の決着局と同じカードになりました。後手の畠山八段が一手損角換わりを選択し、早速梶浦七段が3筋の歩を交換します。畠山八段も7筋の歩を交換して金矢倉に入城すると、梶浦七段は▲6六角と好所に据えます。畠山八段が早くも残り20秒まで考えて桂頭に△3六角と打つと、梶浦七段は手堅く歩で角の利きを遮断します。畠山八段が6筋の歩をぶつけて銀を前進すると、梶浦七段は2筋の歩をぶつけて▲2六飛と引き角に当てます。畠山八段が角を金と刺し違えてから△6五歩と打って角を捕獲すると、梶浦七段は▲3三角成と銀を食いちぎります。畠山八段は8筋の歩を突き捨て△8七歩と垂らして先手玉の退路を狭めますが、梶浦七段は構わず▲6一飛と打って攻め合います。畠山八段は力強く△4八角と打って馬を作り、玉頭から攻め掛かります。梶浦七段は▲7一銀から後手の飛車を取りますが、畠山八段は△8七歩成から鮮やかな即詰みに討ち取りました。
チーム鈴木:0勝 - チーム畠山:1勝

二局目:鈴木大介九段 vs 斎藤慎太郎八段

チーム鈴木は師匠が出陣し、前回大会で大活躍の2人の対決となりました。後手の鈴木九段が四間飛車に振り、斎藤八段は穴熊に囲います。鈴木九段は銀冠に組み、飛車を6筋に振り直して飛先の歩を交換します。斎藤八段は飛車を5筋から6筋に回し、▲6四歩と拠点を築いてから2筋に戻します。斎藤八段が3筋の歩をぶつけると、鈴木八段は△4四飛と浮いて角頭を守ります。斎藤八段が飛車を3筋に寄せてから角を飛車にぶつけると、鈴木九段は飛頭を歩で叩き、飛角交換の後4筋の歩をぶつけます。斎藤八段は角香両取りに▲4二飛と打ち込みますが、鈴木九段は構わず金取りに△2三角と打って攻め合います。角と金を取り合って、斎藤八段は竜を角と刺し違え、金香両取りに▲2三角と打ちますが、鈴木九段も△5九飛と打ち込みます。両者時間に追われる中、斎藤八段が▲6三香と打ち銀を1枚剥がして自陣に投入すると、鈴木九段は鈴木九段は金を取らせる代わりに飛車を取ります。斎藤八段は自陣に角を打って万全を期し、先手陣に攻め掛かって寄せ切りました。
チーム鈴木:0勝 - チーム畠山:2勝

三局目:梶浦宏孝七段 vs 畠山鎮八段

チーム畠山が勝利まであと1勝となり、一局目と同じ顔合わせになりました。前局と同様、畠山八段が一手損角換わりを選択し、梶浦七段は1筋の位を取って手を変えます。畠山八段は6筋の位を取って△6四角と据えますが、梶浦七段は右玉を金銀4枚で守ります。梶浦七段が飛車を6筋に回して桂交換すると、畠山八段は8筋に"と金"を作ります。梶浦七段は▲5六歩と打って銀を捕獲しますが、畠山八段は"と金"で飛車を追って2枚目の"と金"を作ります。梶浦七段は銀を取り、歩で飛車の位置を変えてから▲5二角と打ち込みます。畠山八段は"と金"で金を剥がしますが、梶浦七段は▲4三銀から金銀交換します。畠山八段が△8七飛成と竜を作ると、梶浦七段は▲3四歩と取り込み攻め合います。畠山八段は力強い手つきで△5七角成と飛び込み金銀との2枚替えで先手玉に迫りますが、梶浦七段も▲3三歩成と銀を剥がし馬を見捨てて後手玉に迫ります。最後は梶浦七段の▲3四桂打に時間に追われた畠山八段が玉を寄ってかわして即詰みとなりました。
チーム鈴木:1勝 - チーム畠山:2勝

四局目:鈴木大介九段 vs 斎藤慎太郎八段

前局と同様、二局目と同じ顔合わせになりました。後手の鈴木九段が三間飛車に振り美濃囲いに構えると、斎藤八段は少し考えて左美濃に囲います。斎藤八段が1分以上考えて▲5六歩と仕掛けると、鈴木九段は堂々と同銀と応じます。斎藤八段は角道を開けて銀に当てますが、鈴木九段は歩で銀を支えて3筋から反発します。斎藤八段は一手一手慎重に時間を使いますが、鈴木九段は間髪入れずに応じて持ち時間を6分近くに増やしています。鈴木九段が銀取りに△3五飛と浮くと、斎藤八段は金を上がって銀に紐を付けます。鈴木八段は△7四歩と突き、角を引かせてから飛車で金を食いちぎり、銀取りに△6六金と打って畳み掛けます。斎藤八段は残り2秒まで考えて▲3一飛と打ち込み、銀を取らせる代わりに桂を取って竜を作ります。鈴木八段は"と金"作りを目指しますが、斎藤八段は構わず4筋の歩を伸ばして角を取り、角で桂を食いちぎってから竜で金を食いちぎって後手玉に迫ります。斎藤八段が迷いながら残り1秒で▲8五桂打と詰めろを掛けると、4分以上残していた鈴木九段は1分以上考えて△7三銀と逃れます。斎藤八段は▲7三同桂成と応じ、冷静に詰めろを続けてから即詰みに討ち取りました。
チーム鈴木:1勝 - チーム畠山:3勝

予選Aリーグ1回戦第1試合の結果

チーム畠山は師匠の畠山八段が先陣を切り、力強い将棋で逆転勝ちを収めると、弟子の斎藤八段も時間に追われながら安定した指し回しで相手の師匠に連勝し、前回優勝チームの貫録を示しました。予選突破に向け、順調な滑り出しを見せたと思います。
チーム鈴木は、弟子の梶浦七段が三局目にリベンジを果たして意地を見せましたが、前回大会の予選では無敗の活躍を見せた師匠の鈴木九段が連敗し、前回決勝の借りを返すことはできませんでした。前回の調子を取り戻せば、予選突破の可能性は十分と思いますので、巻き返しに期待したいと思います。

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