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第73期王将戦挑戦者決定リーグ最終7回戦一斉対局

11月22日、第73期ALSOK杯王将戦の挑戦者決定リーグ戦(通称:王将リーグ)、最終7回戦の一斉対局が行われました。

菅井竜也八段と近藤誠也七段の対局は、菅井八段が勝って5勝1敗、近藤七段は3勝3敗となりました。
先手の菅井八段が三間飛車に振り美濃囲いに構えると、近藤七段は穴熊で迎え撃ちました。近藤七段が飛車を見捨てて先手の玉頭に攻め掛かり、菅井八段は馬を自陣に引き付けて凌ぎました。近藤七段は馬を取って2枚角で先手玉に迫り、一時は優勢になりましたが、菅井八段は竜を守りに利かせて受け切りました。

永瀬拓矢九段と佐々木勇気八段の対局は、佐々木八段が勝って2勝4敗、永瀬九段は4勝2敗となりました。
先手の永瀬九段が角換わりに誘導し、80手を超えるまでほぼノータイムで指し続ける研究をぶつけましたが、佐々木八段は角を犠牲に竜を作る勝負手で主導権を握りました。永瀬九段は玉を上部に脱出して逆転し、一時は勝勢となりましたが、佐々木八段も決め手を与えず形勢が二転三転する激戦となりました。最後は佐々木八段が先手玉を押し戻し、永瀬九段の猛攻をかわして逃げ切りました。

この結果、菅井八段が挑戦権を獲得し、既に全日程を終えて4勝2敗の羽生善治九段が2位、永瀬九段が3位、近藤七段が4位で残留となりました。豊島将之九段は渡辺明九段に敗れ、残念ながら残留はなりませんでした。既に陥落が決まっていた佐々木八段と渡辺九段が最後に意地を見せ、今期の王将リーグは様々なドラマを残して幕を閉じました。

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