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第73期王将戦挑戦者決定リーグ戦の展望

第73期ALSOK杯王将戦の、7名総当たりによる挑戦者決定リーグ戦(通称:王将リーグ)の組み合わせが発表され、9月20日に開幕します。王将リーグは将棋界で最も過酷なリーグと言われており、今期は実力者が予選を勝ち上がり、例年になく厳しい戦いになりそうです。

日本将棋連盟HPより引用

①羽生善治九段
前期は6戦全勝で優勝し、藤井聡太王将との歴史的七番勝負を戦いました。今年度は順位戦B級1組で首位に立つなど好調を維持しており、2期連続挑戦、そしてタイトル獲得通算100期への期待が高まります。

②豊島将之九段
前期は最終局まで挑戦の可能性を残し、4勝2敗で惜しくも2位となりました。今年度も各棋戦で上位に進出しており、王座戦では挑戦者決定戦で惜しくも藤井王将に敗れています。

③永瀬拓矢王座
前期は3勝3敗の3位で残留しました。この1年はタイトル挑戦がありませんでしたが、現在藤井王将の全冠制覇への最後の壁として、王座戦五番勝負を戦っています。

④近藤誠也七段
前期は3勝3敗の4位で残留しました。いつタイトル戦に登場しても不思議ではないと評される若手実力者であり、そろそろ壁を突き破って大舞台への登場が待たれます。

⑤渡辺明九段
第70期まで3連覇(通算5期)していましたが、第71期に失冠し、前期は1勝5敗でまさかの陥落となりました。今期は二次予選で深浦九段と横山(泰)七段を破り、王将リーグの舞台に戻ってきました。

⑤菅井竜也八段
順位戦では4期連続でA級に在籍する振り飛車党の第一人者ですが、意外なことに王将リーグは初参戦となります。今期は二次予選で八代七段、服部六段、広瀬八段を降しました。今年度は叡王戦の挑戦者にもなっており、一気に王将挑戦権も獲得なるか注目です。

⑤佐々木勇気八段
5人の中学生棋士に次ぐ6番目の年少記録でプロ入りした俊英が、ようやく順位戦でA級に昇級し、王将リーグにも初参戦です。今期は一次予選を森内九段や高野(智)六段らを降して突破し、二次予選では折田五段、糸谷八段、稲葉八段を破りました。

羽生九段・豊島九段・永瀬王座・渡辺九段を中心とした優勝争いが予想されますが、菅井八段や佐々木八段の活躍次第では、史上まれにみる大混戦になる可能性もあります。個人的には、羽生九段が2期連続で藤井王将に挑む番勝負を見たいと期待しています。

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