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第83期順位戦B級2組1回戦

6月12日に順位戦B級2組1回戦の一斉対局がありました。

私が注目していたのは、前期は残念ながらB級1組から陥落となった横山泰明七段と、叡王戦五番勝負で藤井叡王を追い詰めている伊藤匠七段の対局です。先手の伊藤七段が角換わりに誘導しますが、横山七段は角道を開けず、7筋の角頭を攻めます。伊藤七段は7筋の歩を伸ばして反発し、横山七段が角取りに△6五桂と跳ねると、構わず▲7三歩成と"と金"を作ります。横山七段は角桂交換してから飛車を浮いてかわし、"と金"を取りに△4一角と打ちますが、伊藤七段は角金両取りに▲5三桂と打ち、"と金"を犠牲に金桂交換します。伊藤七段が1筋を端攻めして桂香交換し、角取りに▲2五桂と打って飛成を目指すと、横山七段は角桂交換を甘受し、2枚の香で飛車を捕獲します。伊藤七段は飛車取りに▲7三角と打ち、▲5五角成と銀を食いちぎり、横山七段が香で飛車を取ると、▲2二馬と金を取ります。横山七段は△2八飛と打ち込みますが、伊藤七段は金を投じて凌ぎ、▲6四銀から後手玉を包囲して寄せ切りました。

他の主な対局結果は以下の通りです(左が勝者)。
 郷田真隆九段 - 木村一基九段
 青嶋未来六段 - 中川大輔八段
 渡辺和史七段 - 行方尚史九段
 服部慎一郎六段 - 丸山忠久九段
 古賀悠聖六段 - 北浜健介八段

私が注目している中では、青嶋六段、渡辺(和)七段、服部六段、古賀六段、伊藤(匠)七段が好スタートを切りました。まだまだ先の長い戦いですので、木村九段にも巻き返しを期待したいと思います。


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