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第81期順位戦C級1組9回戦

1月10日に順位戦C級1組9回戦の一斉対局が行われました。

この日、私が注目していたのは、実力者の船江恒平六段と7勝0敗で昇級争いをリードする伊藤匠五段の対局です。後手の船江六段が横歩取りに誘導し、伊藤五段は受けて立ちます。船江六段が角を交換して飛車取りと2枚替えの両狙いで△3三角と打つと、伊藤五段は飛車を引いて受けます。船江六段も横歩を取りますが、伊藤五段は歩で飛車を追い返し、いったん局面を落ち着かせます。伊藤五段は2筋の歩を成り捨て、後手の飛車と角の利きに▲3五金と捨てる大技を魅せ、▲2三飛成と金を取り返して竜を作ります。船江六段は△6九角と打ち込んで先手玉に迫りますが、伊藤五段は▲7七桂と跳ねて自玉の退路を拡げると、▲6五桂~▲7三桂成と天使の跳躍で挟撃態勢を作って寄せ切りました。

他の主な注目対局の結果は以下の通りです(左が勝者)。
 黒田尭之五段 - 飯塚祐紀七段
 都成竜馬七段 - 野月浩貴八段
 青嶋未来六段 - 宮本広志五段
 渡辺和史五段 - 村田顕弘六段

 (延期)石井健太郎六段 vs 出口若武六段

伊藤(匠)五段が勝って7勝0敗となり、単独トップを維持しました。私が注目している都成七段、青嶋六段、渡辺(和)五段も勝ち、対局が延期された石井六段を含めた4人が1敗で追っています。黒田五段と出口六段も2敗で順位も上位なので、展開次第では昇級のチャンスが残されています。
一方、下位7人に付与される降級点(*)争いは、元A級の高橋九段が勝ったものの2勝6敗で圏内に入っています。残り2局も今期好調の渡辺(和)五段と石井六段との対局が組まれており、厳しい状況ですが巻き返しに期待したいと思います。

(*)降級点
B級2組以下のクラスでは、成績が悪くても1期で降級することはなく、成績下位の一定人数に「降級点」がつけられる。降級点はB級2組とC級1組では2つ累積、C級2組では3つ累積すると降級する。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


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