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第81期順位戦C級1組の展望

今期の順位戦のC級1組は、33人が参加して10局ずつ戦い、上位3人が昇級し下位7人に降級点(*)が付きます。前期は8勝2敗以上の2人と7勝3敗の中で順位が最上位の1人が昇級を果たし、3勝7敗以下の7人に降級点が付きました。今期も混戦が予想されますが、昇級に向けては8勝を目指して戦いたいところです。

今期の注目棋士をリストアップしておきたいと思います。

石井健太郎六段
2013年プロ入りの30歳。
2年連続して王座戦挑決トーナメントで兄弟子の渡辺名人を破るなど、その実力は高く評価されています。前期は7勝3敗の好成績でしたが、順位の差で惜しくも頭ハネとなりました。今期は順位も良く、昇級を目指します。

黒田尭之五段
2019年プロ入りの25歳。
各棋戦での活躍が目立ち、順位戦でも飛躍が期待されます。前期は7勝3敗の好成績でしたが、昇級直後のため順位が低く頭ハネとなりました。今期は順位も良く、昇級を目指します。

出口若武六段
2019年プロ入りの27歳。
今期叡王戦で挑戦権を獲得し、六段に昇段しました。前期は7勝3敗の好成績でしたが、昇級直後のため順位が低く頭ハネとなりました。タイトル挑戦で自信をつけ、今期こそ昇級を狙います。

船江恒平六段
2010年プロ入りの35歳。
今期叡王戦ではベスト4まで進出しています。詰将棋を得意とする終盤力には定評があり、切れ味鋭い将棋で昇級を目指します。

都成竜馬七段
2016年プロ入りの32歳です。
新人王戦で史上初めて三段時代に優勝していますが、三段リーグを抜けるのに17期を要し年齢制限ギリギリでプロ入りを果たした苦労人です。プロ入り後は順調に昇段を重ねており、順位戦でも昇級を期待しています。

青嶋未来六段
2015年プロ入りの27歳。
居飛車も振り飛車も指しこなす天才肌のオールラウンダーとして知られ、チェスでも全日本チェス選手権で2度の優勝経験があります。そろそろ飛躍が期待される若手の一人です。

渡辺和史五段
2019年プロ入りの27歳。
昨年度は歴代7位タイとなる20連勝を記録し、連勝賞を受賞しています。前期はC級2組で9勝1敗の1位という好成績で昇級・昇段を果たしました。今期も連続昇級を目指します。

伊藤匠五段
2020年プロ入りの19歳。
藤井竜王と同学年で、現時点での最年少棋士です。昨年度は勝率0.818を記録し、藤井竜王の5年連続を阻んで勝率一位賞に輝きました。前期はC級2組で9勝1敗という好成績で昇級・昇段を果たし、今期は藤井竜王も果たせなかったC級1組の1期抜けを目指します。

(*)降級点  出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
B級2組以下のクラスでは、成績が悪くても1期で降級することはなく、成績下位の一定人数に「降級点」がつけられる。降級点はB級2組とC級1組では2つ累積、C級2組では3つ累積すると降級する。

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