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「観る将」が観た第91期棋聖戦第二局

少し前になりますが、6月28日に行われた棋聖戦五番勝負第二局をAbemaで観戦しました。注目の藤井七段が師匠からいただいた夏用の和服を初めて着用しましたが、濃紺の着物にグレーの袴姿はまさに凛々しいの一言でした。

第一局で敗れた渡辺棋聖は、先手で急戦矢倉を目指しました。藤井七段は△2二角~△5四金~△4二飛と対抗し中央を制圧しました。解説の藤井猛九段によれば、この手順は新しい定跡になるとのことでした。この後も▲6六角と金取りに打たれた際、自陣に△3一銀と打って受けた手(将棋ソフト「水匠2」が6億手読まないと発見できないと話題になった手)が渡辺棋聖の反撃を断ち、最後は粘る余地を与えず押し切りました。

本局は藤井七段が従来の常識を覆すような手を連発し、「観る将」をワクワクさせる快勝となりました。序盤巧者の渡辺棋聖に対して序盤からペースを掴み、リードしてからは堅実な着手で追い詰める差し回しに隙は感じられません。得意の矢倉で連敗した渡辺棋聖が巻き返せるか、藤井七段がこのままの勢いで史上最年少タイトルを獲得するのか注目していきたいと思います。

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