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第81期順位戦B級2組8回戦

1月11日に順位戦B級2組8回戦の一斉対局が行われました。

この日、私が注目していたのは、7勝0敗の大橋貴洸六段と3勝4敗の深浦康市九段という、藤井竜王キラー同士の対局です。先手の深浦九段が矢倉を採用し、大橋六段は急戦調の駒組みを進めます。深浦九段が3筋の歩を突き捨て、銀をぶつけて交換すると、大橋六段は右玉に構えて飛角両取りに銀を打ちます。深浦九段は王手で角をかわしてから飛車を逃がしますが、大橋六段は△6四角と転回して先手陣の右辺を狙います。深浦九段が角や金で3筋を補強すると、大橋六段は一転して8筋の歩を突き捨ててから△4四角と王手し先手玉を9筋に追い込みます。大橋六段は銀取りに△8五歩と打ちますが、深浦九段は構わず7筋の歩を伸ばして攻め合います。大橋六段が金の両取りに△6九角と打ち込むと、深浦九段は▲3二飛成と王手で飛び込み▲3八竜と引いて両取りを受けます。大橋六段は銀を犠牲に竜の位置を変え、△7八角成と要の金を取り、粘る深浦九段を振り切って寄せ切りました。

他の主な注目対局の結果は以下の通りです(左が勝者)。
 北浜健介八段 - 木村一基九段
 増田康宏六段 - 大石直嗣七段
 髙見泰地七段 - 鈴木大介九段
 藤井猛九段 - 井上慶太九段

大橋六段が8勝0敗で昇級争いの単独トップを維持し、増田(康)六段が7勝1敗で追っています。木村九段は2敗目を喫したものの、順位が上なので3番手に踏み留まっています。
一方、下位6人に付与される降級点(*)争いは、2勝以下が6人となっており、前期は昇級争いに加わった鈴木大介九段や、ABEMA師弟トーナメントで公式戦の成績が思わしくないとぼやいていた畠山(鎮)八段らが圏内に沈んでいます。
B級2組は残り2局となり、昇級・降級点争いに向け負けられない戦いが続いています。

(*)降級点
B級2組以下のクラスでは、成績が悪くても1期で降級することはなく、成績下位の一定人数に「降級点」がつけられる。降級点はB級2組とC級1組では2つ累積、C級2組では3つ累積すると降級する。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


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