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第82期順位戦C級2組最終11回戦

3月12日に順位戦C級2組最終11回戦の一斉対局がありました。

私が注目していたのは、8勝1敗で勝てば昇級が決まる藤本渚四段と、三間飛車のスペシャリスト山本博志五段の対局です。山本五段の先手で始まった対局は相穴熊の将棋となり、千日手となりました。指し直し局は後手となった山本五段が三間飛車に振り美濃囲いに構えると、藤本四段は4筋と2筋の歩を突き捨てて角交換し、飛車を走って竜を作ります。山本五段は飛車と角で竜を追い返し、桂を交換して△3五桂と打って金桂交換し、藤本四段が▲2五桂と打って後手の飛車角を押さえ込むと、取った金で桂を食いちぎります。藤本四段が馬を飛車と交換し、角取りに▲2四金と打つと、山本五段は角を取らせる間に"と金"を2枚作って攻め掛かります。藤本四段は▲8六香~▲8三香成と後手の玉頭から反撃し、▲7五桂から竜を取らせる代わりに長手数の即詰みに討ち取りました。

他の主な対局結果は以下の通りです(左が勝者)。
 佐藤紳哉七段 - 佐々木大地七段
 徳田拳士四段 - 阿部光瑠七段
 伊藤真吾六段 - 本田奎六段
 梶浦宏孝七段 - 平藤真吾七段
 八代弥七段 - 今泉健司五段
 冨田誠也四段 - 小林裕士八段
 高田明浩四段 - 上村亘五段

昇級争いをリードしていた冨田四段、高田四段、藤本四段の3人が揃って勝ち、9勝1敗で昇級と五段への昇段を決めました。梶浦七段、八代七段ら5人が8勝2敗で終えましたが、昇級は来期以降に持ち越しです。
一方、3勝以下で順位の低い12人に降級点(*)が付与されました。既に引退が決まっている青野九段に加え、残念ながら既に2回の降級点がある長沼八段と竹内五段は降級となりました。

(*)降級点
B級2組以下のクラスでは、成績が悪くても1期で降級することはなく、成績下位の一定人数に「降級点」がつけられる。降級点はB級2組とC級1組では2つ累積、C級2組では3つ累積すると降級する。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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