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ABEMAトーナメント2024 ドラフト予想

いよいよABEMAトーナメント2024の開催が発表され、4月27日にドラフト会議が放映されます。今回はチーム数が12と絞られ、リーダーがドラフト会議でメンバー2人を指名する11チームと、エントリートーナメントを勝ち抜いた3人で組む1チームで行われます。ABEMAではチームメンバー2人を当てる「将棋界最強チーム予想」と全11チームの全メンバーを当てる「ドラフト完全予想」を募集しています。

今回のリーダーと、それぞれのドラフトの構想

藤井聡太竜王名人 「最初はおそらくクジを引くことになるかな」
 ※4月26日追記
渡辺明九段 「お金がもらえる研究会みたいなつもりでやろうかな」
広瀬章人九段 「付き合いの長い後輩棋士」
豊島将之九段 「世代の近い方とリラックスした雰囲気で」
永瀬拓矢九段 「去年優勝したメンバーで組めれば一番良い」
斎藤慎太郎八段 「今までにない統一感。共通点がある棋士」
菅井竜也八段 「将棋が強くて、実績のある棋士の人」
稲葉陽八段 「ベテランの棋士を選んでみようかな」
佐藤天彦九段 「“立候補”があったので、そういう人を中心に考えたい」
佐々木勇気八段 「振り飛車党の方を、あとは若手の有望株をちょっと欲しいな」
中村太地八段 「先輩、後輩問わず居心地のいいチーム」

注目されるのは、ABEMA地域対抗戦でも圧倒的強さを見せた藤井竜王名人、前回優勝の永瀬九段、初めてリーダーを務める佐々木(勇)八段、中村(太)八段らの指名でしょうか。
以前は誰が誰を指名するかというチーム予想をしたのですが、ほとんどかすりもしませんでした。今回も前回と同様、過去大会の個人成績と公式戦の活躍を踏まえて、指名されそうな棋士を予想していきたいと思います。

過去の勝率上位者

やはり過去の大会で実績を上げている棋士は、当然指名される可能性が高いと思います。過去20局以上対局して勝率50%以上の成績を残している棋士は以下の12人です(リーダーを除く)。

増田康宏八段(31勝14敗 0.763)
4回連続で永瀬九段に指名され、エースとして活躍してきました。重複指名されることは確実だと思います。

木村一基九段(25勝15敗 0.625)
若手有利といわれるフィッシャールールでも安定した力を発揮しています。リーダー経験もあり、ムードメーカーとしても貴重な存在です。

森内俊之九段(18勝12敗 0.600)
第3回AbemaTVトーナメントでは、チーム康光をベスト4に導く大活躍でした。先日の地域対抗戦でも着実に白星を挙げています。

糸谷哲郎八段(18勝13敗 0.581)
早見え早指しで知られ、持ち時間を6分以上に増やすシーンがしばしば見られます。前回までリーダーを務めており、今回はドラフトの目玉の一人です。

高見泰地七段(16勝13敗 0.552)
第4回ABEMAトーナメントでは、チーム藤井の一員として優勝に貢献しました。終盤の逆転術は、フィッシャーでも輝きを放っています。

伊藤匠七段(14勝12敗 0.538)
第4回ABEMAトーナメントでは、高見七段とともにチーム藤井の一員として優勝に貢献しました。地域対抗戦でも準優勝した関東Bの一員として、エース級の活躍を見せています。

服部慎一郎六段(19勝17敗 0.528)
2回連続でチーム稲葉に指名され、前々回優勝・前回準優勝の立役者となりました。勢いに乗れば止められない魅力があります。

黒田尭之五段(11勝10敗 0.524)
前々回にエントリーチームで初出場し、藤井竜王名人を破るなど、予選突破の原動力となりました。

羽生善治九段(12勝12敗 0.500)
前回は6戦全勝と、フィッシャールールにも慣れて本領を発揮しました。今回のドラフトでどのチームが獲得するのか、大注目です。

山崎隆之八段(12勝12敗 0.500)
前回はやや不振でしたが、弱気な発言とは裏腹に着実に白星を稼いでいます。

近藤誠也七段(18勝18敗 0.500)
当初はチーム渡辺のエース格として活躍しましたが、ここ2回は負け越しが続いています。

冨田誠也五段(10勝10敗 0.500)
黒田五段と同様、エントリーチームで初出場し、着実に白星を稼いでいます。チームのムードメーカーとしても貴重な存在です。

過去の勝数上位者

勝率が5割に届いていなくても、過去に何度も指名されて勝ち星を積み上げてきた棋士も、経験を買われて指名される可能性は高いと思います。勝率50%未満で勝ち星の多い棋士は以下の通りです(リーダー除く)。

久保利明九段(11勝12敗 0.478)
前回は指名がありませんでしたが、地域対抗戦では4連勝するなど、まだまだ力があるところを見せています。

出口若武六段(10勝11敗 0.476)
チーム稲葉の一員として、前々回の優勝・前回の準優勝に貢献した経験は貴重です。

三枚堂達也七段(11勝13敗 0.458)
様々なリーダーから指名されてきた人気棋士の一人です。今回はどのリーダーから声がかかるのか楽しみです。

三浦弘行九段(10勝14敗 0.417)
前回は指名がありませんでしたが、前々回までリーダーを務めてきた経験は貴重です。

佐々木大地七段(10勝14敗 0.417)
師弟トーナメントや地域対抗戦も含め、唯一人全大会に出場しています。公式戦でも高い勝率を誇る実力者です。

本田奎六段(11勝16敗 0.407)
前回はチーム永瀬が優勝を決めた一局で勝利を収めました。2回連続優勝が懸かる指名が期待されます。

前回大会の勝率上位者

出場回数こそ少ないものの、前回大会での活躍が印象に残る棋士がいます。前回大会で活躍した棋士は以下の通りです(上記棋士を除く)。

戸辺誠七段(7勝4敗 0.636)
出場は2回と少ないですが、いずれも勝ち越しています。戸辺攻めと称される積極的な棋風が、フィッシャー向きなのかもしれません。

大橋貴洸七段(5勝3敗 0.625)
出場は2回と少ないですが、着実に白星を積み上げています。公式戦で藤井竜王名人に勝ち越している、数少ない棋士の一人です。

澤田真吾七段(6勝4敗 0.600)
前回チーム藤井の一員として初出場し、予想を超える活躍でチームのベスト4進出に貢献しています。

古賀悠聖六段(3勝2敗 0.600)
出場は2回と少ないですが、地域対抗戦にも出場し、渡辺(明)九段と永瀬九段を連破する活躍を見せています。

西田拓也五段(5勝4敗 0.556)
出場は2回と少ないですが、いずれも勝ち越しています。思い切りの良い踏み込みからの寄せが魅力です。

藤本渚五段(5勝4敗 0.556)
前回初出場で、いきなり渡辺(明)九段と佐々木(勇)八段を破る活躍を見せました。昨年度の公式戦で歴代4位となる勝率0.850を記録し、今もっとも注目される現役最年少棋士です。

出場実績のない注目棋士

まだ出場経験がないものの、指名されるかもしれない棋士がいます。

古森悠太五段
ABEMAトーナメントには出場経験がありませんが、地域対抗戦でチーム関西Bに抜擢され、永瀬九段・増田(康)八段、伊藤(匠)七段らを撃破する活躍を見せました。

小山怜央四段
地域対抗戦でチーム北海道・東北に抜擢され、菅井八段に土を付けるなど、アマチュア時代の経験を活かした早指しへの適性を感じさせました。

高田明浩四段
藤井竜王名人や伊藤(匠)七段と同学年で、昨年度は7割を超える勝率を残しています。前回は東海地方の初出場者で固めた藤井竜王名人のサプライズ指名があるかもしれません。

宮嶋健太四段
昨年秋にプロデビューしたばかりで、公式戦でもまだほとんど実績がありません。藤井竜王名人と奨励会時代から切磋琢磨した仲で知られ、高田四段と同様にサプライズ指名候補です。

ドラフトへの期待

ここまで、28名をピックアップしてきました。もちろん、他にも指名されるべき実力者は大勢いますが、リーダーが様々な想いで人選し、競合すればクジ運の良し悪しも影響してくるので、正直どのようなチームが誕生するのかまったくわかりません。指名が重なってのくじ引きも楽しみですが、意外な人が指名されるのも視聴者としては興味深いところです。将棋界の大イベントの一つになりつつあるABEMAトーナメントのドラフトに向けて、色々と想像しながら楽しみたいと思っています。


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