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第82期順位戦B級1組3回戦

7月27日に順位戦B級1組3回戦の一斉対局がありました。

私が注目していたのは、同一対戦カード歴代2位の168局目となる、羽生善治九段と佐藤康光九段の対局です。先手の羽生九段が3手目に9筋の端歩を突く駆け引きの末、佐藤九段は四間飛車に振ります。羽生九段は3筋から急戦を仕掛けましたが、佐藤九段が穴熊を目指すと、ミレニアム風に囲って持久戦になります。羽生九段は銀をぶつけて交換すると、9筋の端攻めを絡めて3筋の歩を成り捨て、飛車を3筋に寄せて攻め掛かります。佐藤九段は角を見捨てて9筋から反発し、△9七銀と角取りに打ちますが、羽生九段は▲6四角と後手玉を間接的に睨む好所に飛び出します。羽生九段が飛車取りに▲4一角と打ち、▲3三飛成と竜を作って攻め込むと、佐藤九段は飛車を角と交換し、6筋の歩をぶつけて攻め合います。羽生九段は再び9筋を端攻めし、▲5一飛と打ち込んで寄せ切りました。

他の対局結果は以下の通りです(左が勝者)。
 大橋貴洸七段 - 糸谷哲郎八段
 増田康宏七段 - 横山泰明七段
 屋敷伸之九段 - 近藤誠也七段
 山崎隆之八段 - 千田翔太七段
 三浦弘行九段 - 澤田真吾七段

連勝スタートを切っていた糸谷八段、澤田七段、千田七段の3人が敗れ、早くも全勝は3勝0敗の増田七段と2勝0敗の三浦九段の2人となりました。糸谷八段、澤田七段、羽生九段、千田七段、大橋七段が2勝1敗で追う展開になっています。次の4回戦では全勝同士の三浦九段と増田七段が激突しますので、楽しみにしたいと思います。


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