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第9期叡王戦段位別予選の展望(九段、八段)

第8期叡王戦五番勝負は藤井聡太叡王が菅井竜也八段の挑戦を退けて3連覇を果たしましたが、次期叡王戦の段位別予選の組み合わせが発表されています。叡王戦は、前期ベスト4以上(前期挑戦者の菅井八段に加え、永瀬拓矢王座、本田奎六段、山崎隆之八段)がシードされますが、それ以外はタイトルホルダーも段位別予選からの出場となります。7月3日に九段戦と八段戦が開幕しますので、本稿では九段戦と八段戦の顔ぶれを確認しておきたいと思います。

九段戦

29人が3つのブロックに分かれて、本戦入りを目指して戦います。
叡王戦では、これまで九段戦から勝ち上がった棋士の本戦トーナメント優勝がありません(第2期の佐藤(天)九段は八段戦からの勝ち上がり、第5期の豊島竜王はシード)。今期は九段戦を勝ち上がった棋士の叡王挑戦があるのか、興味深いところです。

日本将棋連盟HPより引用

Aブロック
順位戦B級1組に返り咲いた木村一基九段の他、実力者の谷川浩司十七世名人、丸山忠久九段、行方尚史九段、深浦康市九段、阿部隆九段らが入りました。本戦進出の最有力候補としては、木村九段を挙げておきたいと思います。個人的には谷川十七世名人や藤井叡王キラーの深浦九段の勝ち上がりにも期待しています。

Bブロック
順位戦A級の渡辺明九段、佐藤天彦九段が入る激戦ブロックになりました。B級1組の佐藤康光九段の他、実力者の森内俊之九段、久保利明九段、郷田真隆九段、中村修九段もおり、誰が勝ち上がっても不思議ではありません。本戦進出の最有力候補としては、佐藤(天)九段を挙げておきたいと思います。

Cブロック
順位戦A級の豊島将之九段、B級1組の羽生善治九段、三浦弘行九段、屋敷伸之九段の他、実力者の藤井猛九段、鈴木大介九段、井上慶太九段らが入りました。本戦進出の最有力候補としては、最近の充実ぶりが目覚ましい羽生九段を挙げておきたいと思います。

八段戦

29人が3つのブロックに分かれて、本戦入りを目指して戦います。
藤井聡太叡王は、第6期に八段戦から勝ち上がって挑戦権を獲得し、叡王奪取を果たしています。充実期の棋士も多い段位であり、誰が勝ち上がっていくのか注目されます。

日本将棋連盟HPより引用

Aブロック
順位戦A級の広瀬章人八段、B級1組の糸谷哲郎八段の他、実力者の畠山鎮八段、飯島栄治八段らが入りました。本戦進出の最有力候補としては、昨年度の竜王戦挑戦者の広瀬八段を挙げたいと思いますが、糸谷八段も久し振りのタイトル挑戦を目指します。

Bブロック
順位戦A級の稲葉陽八段、佐々木勇気八段、中村太地八段が入る激戦ブロックになりました。本戦進出の最有力候補としては、そろそろ自身初のタイトル挑戦が期待される佐々木(勇)八段を挙げたいと思いますが、初戦に新A級同士の中村(太)八段との対局が組まれており、非常に楽しみな顔合わせとなっています。

Cブロック
順位戦A級の斎藤慎太郎八段の他、実力者の阿久津主税八段、松尾歩八段、杉本昌隆八段、中川大輔八段らが入りました。本戦進出の最有力候補としては、斎藤(慎)八段を挙げたいと思いますが、阿久津八段や松尾八段も侮れません。

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