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第82期順位戦A級5回戦

順位戦A級は11月22日までに全員が5回戦を終えていますので、状況を確認しておきたいと思います。

私が注目していたのは、ともに名人経験者の豊島将之九段と佐藤天彦九段との対局です。先手の佐藤九段が角道を止め、意表を突く四間飛車に振り高美濃に囲うと、豊島九段はミレニアムに構えます。佐藤九段は中飛車に振り直して7筋の歩をぶつけ、4筋の歩を伸ばして角を追い、5筋の歩を交換します。豊島九段は8筋の歩をぶつけ、佐藤九段が▲5二歩と垂らすと、△7五角と飛び出します。佐藤九段は5筋の垂れ歩を成り捨て、豊島九段が△5三歩と打って飛車を追い返してから"と金"を取ると、角取りに▲7六銀と出ます。豊島九段は構わず△8七歩成と"と金"を作り、佐藤九段が角銀交換して▲5三飛成と竜を作ると、△5八歩~△7八"と"と角を追い、△8九飛成と桂を取って竜を作ります。佐藤九段は▲7九歩と打って竜の横利きを止めますが、豊島九段が△5六歩~△5七銀と角を追うと、潔く投了を告げました。

他の対局結果は以下の通りです(左が勝者)。
 渡辺明九段 - 斎藤慎太郎八段
 永瀬拓矢九段 - 広瀬章人八段
 菅井竜也八段 - 佐々木勇気八段
 稲葉陽八段 - 中村太地八段

豊島九段が5勝0敗と単独トップを維持し、菅井八段が4勝1敗で追っています。挑戦権争いは3勝2敗の渡辺(明)九段、永瀬九段辺りまでに絞られてきたでしょうか。
次の6回戦では、豊島九段は中村(太)八段と、菅井八段は斎藤(慎)八段との対局が組まれており、注目したいと思います。


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