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第79期順位戦各クラス昇級者の顔ぶれ

2020年度の順位戦は各クラスとも終了しました。各クラスとも昇級には様々なドラマがありましたが、あらためて昇級者の顔ぶれを振り返っておきたいと思います。

■B級1組→A級
1位:永瀬拓矢王座  9勝3敗 2009年10月プロ入りの28歳
2位:山崎隆之八段  9勝3敗 1998年 4月プロ入りの40歳

■B級2組→B級1組
1位:藤井聡太二冠 10勝0敗 2016年10月プロ入りの18歳
2位:佐々木勇気七段 9勝1敗 2010年10月プロ入りの26歳
3位:横山泰明七段  7勝3敗 2002年10月プロ入りの40歳

■C級1組→B級2組
1位:高崎一生七段 10勝0敗 2005年10月プロ入りの34歳
2位:増田康宏六段  9勝1敗 2014年10月プロ入りの23歳
3位:高見泰地七段  8勝2敗 2011年10月プロ入りの27歳

■C級2組→C級1組
1位:黒田尭之五段  9勝1敗 2019年 4月プロ入りの24歳
2位:出口若武五段  9勝1敗 2019年 4月プロ入りの25歳
3位:大橋貴洸六段  8勝2敗 2016年10月プロ入りの28歳
(黒田五段と出口五段は、今期の昇級により昇段)

こうして並べてみると、やはり伸び盛りの若手棋士の昇級が目立ちます。特に藤井二冠、佐々木七段、高見七段の3名は、2期連続昇級となりました。その中で不惑の山崎八段と横山七段の昇級は、長年の精進が報われる形となりました。両者とも昇級後のインタビューでは、力を出し尽くして放心状態のような受け答えをしていましたが、ここに至る道の険しさを表しているように感じました。実際、今期もリーグ終盤まで白星を集めながら、最終盤に痛恨の1敗を喫して昇級を逃した棋士が何人もいます。彼らが今期の経験を糧にして、次のチャンスを活かせるよう祈りたいと思います。

偶然ではありますが、第3回AbemaTVトーナメントの優勝チームの3人(永瀬王座、藤井二冠、増田六段)が揃って昇級を果たしています。昇級するような強い人が集まったから優勝したという側面もありますが、チームを組んでお互いに刺激し合い、相乗効果を生んだのかもしれません。

今期の昇級者全員が、来期は初めてのクラスで戦うことになります。当然、今期よりレベルの高い相手との対局が続くことになりますが、上位の壁に跳ね返されるのではなく、更に上のクラスを目指していけるよう期待したいと思います。

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