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第82期順位戦C級1組9回戦

1月9日に順位戦C級1組9回戦の一斉対局がありました。

私が注目していたのは、今期5勝2敗と昇級に向け負けられない伊藤匠七段と、王座戦挑決トーナメントで藤井竜王名人を追い詰めた村田顕弘六段との対局です。先手の伊藤七段が角換わりに誘導しますが、村田六段は角道を開けない村田システムを採用します。伊藤七段が飛先の歩を交換して棒銀を見せると、村田七段は角道を開けて角を交換します。お互いに陣形の整備に戻り、伊藤七段が7筋の歩を突き捨てて▲8三角と打ち込むと、村田六段も△8七角と打ち込んで馬を作ります。伊藤七段が角を取らせる代わりに金を取り、"と金"を2枚作ると、村田六段は玉を早逃げします。伊藤七段が"と金"を引き付けて自陣の傷を消すと、後手からの攻めの糸口はなく、村田六段は投了を告げました。

他の主な対局結果は以下の通りです(左が勝者)。
 古賀悠聖五段 - 黒田尭之五段
 出口若武六段 - 宮本広志五段
 都成竜馬七段 - 畠山成幸八段
 西田拓也五段 - 日浦市郎八段
 服部慎一郎六段 - 高橋道雄九段

服部六段が8勝0敗で単独トップをキープし、あと1勝で2期連続の昇級が決まります。古賀五段が7勝1敗、私が注目する伊藤(匠)七段、出口六段、都成七段、西田五段ら6人が6勝2敗で追っています。
6人に付与される降級点(*)は、2勝以下の7人と3勝の5人が争っています。残念ながら既に1つ降級点のある日浦八段が、1勝8敗で残り1局となり降級が決まりました。タイトル獲得通算5期の高橋九段が圏内に沈んでおり、巻き返しに期待したいと思います。

(*)降級点
B級2組以下のクラスでは、成績が悪くても1期で降級することはなく、成績下位の一定人数に「降級点」がつけられる。降級点はB級2組とC級1組では2つ累積、C級2組では3つ累積すると降級する。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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